2005年にフランスで設立された世界有数のデジタル音楽会社であり、世界で130万組以上のインディペンデントアーティストとレーベルを⽀援する「Believe」が日本に進出。2023年3月に設立したBelieve Japan合同会社は、⽇本のヒップホップシーンの成⻑をサポートするインプリント(ブランド)として、「PLAYCODE(プレイコード)」を発足した。

2024年3⽉21⽇には、PLAYCODEのローンチを記念したイベント「PLAYCODE BLOCK PARTY powered by believe」をZouk Tokyo(銀座)で開催。近年の⽇本のヒップホップシーンにおいて新たなムーブメントを作っている¥ellow BucksRed EyeIssei Uno Fifthなどに加え、 海外からはKR$NA(fromインド)、SaranZENTYARB(fromタイ)といった豪華アーティストたちによる総勢13名のライブが披露され、PLAYCODEのローンチを華々しく祝った。

そしてそのイベントで、「日本のヒップホップの新たな章を開き、生きた証を残していきたいと思います!」と熱く語ったのが、PLAYCODEの立ち上げに携わり、Believe Japanでアーティストサービス統括責任者を務める落合真理だ。今回は彼女に、PLAYCODEの全貌をインタビュー。自らのこれまでの波瀾万丈な経歴も振り返ってもらった。

落合真理のパッションとPLAYCODEというソリューションの融合は、日本のヒップホップシーンに革新をもたらせるのか──それは今回のインタビューを読んでもらえれば、きっとポジティブな未来が待っていることがわかるだろう。

Interview:落合真理
(Believe Japan & PLAYCODEアーティストサービス統括責任者)

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「PLAYCODE BLOCK PARTY powered by believe」でスピーチする落合真理

PLAYCODEのようなインプリントは
日本国内ではほかに存在しない

──⽇本のヒップホップシーンの成⻑をサポートするインプリントとしてローンチしたPLAYCODEについて伺う前に、まずはBelieveについて聞かせてください。最初に落合さんがBelieveの存在を知ったのは?

かつて私が日本を拠点に活動する国際的なインディペンデントヒップホップクルーをプロデュースした際にTuneCore Japanのサービスを利用していたことに加えて、私は以前から国内外の音楽産業に焦点を当てたビジネスメディアを読むことが好きなので、その中でBelieveがTuneCoreを買収してアジア市場に進出する動きに注目していました。

初めはBelieveが日本市場にそれほど関心を寄せていないと感じていましたが、内心では日本進出のニュースを待ち望んでいたところ、2022年の秋にLinkedIn(ビジネス特化型SNS)でBelieve Japanが設立予定というニュースを偶然目にして、とても興味を惹かれたので積極的にコンタクトを取りました。

──インプリントという言葉は日本であまり馴染みがないと思うので、どういった意味合いなのかを教えていただけますか。

「インプリント」という言葉を聞くと、「それ何?」と思われるかもしれませんね。そもそも「インプリント」という用語自体が日本ではまだ珍しい輸入した言葉ですが、今までの日本の音楽業界のイメージを一新するために意図的に使っています。

イメージ的にはアーティストの作品にロゴを刻印するというのもインプリントではあるので、アーティストに対して我々という専門家があなたをサポートします、という“印”のような意味合いもあります。そして将来的には、パートナーシップを結んだアーティストが安心して音楽制作に集中して、ファンに作品を届けることができる安全な場所を目指しています。

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──まずはPLAYCODEが提供するサービスについて教えてください。

ヒップホップに特化したインプリントのPLAYCODEは、Believeが大切にしている「敬意」「公平性」「専門知識」「透明性」という4つのコアバリューを基盤として、楽曲やミュージックビデオの方向性などクリエイティブな側面においてはアドバイスを提供する程度に留め、アーティストが望む創造活動への自由を保障します。また、アーティストが自らの楽曲の原盤権をすべて保持し、その独立性を守りながら創造性を高め、キャリアを築いていくためのサポートを行います。

Believeは世界約50カ国に拠点を持ち、150以上のデジタル音楽プラットフォームと連携しながら、ヒップホップのようなジャンルがメインストリームへと進化する過程で重要な役割を果たしてきました。PLAYCODEではBelieveが約20年にわたって蓄積した専門知識を活用し、デジタルマーケティング戦略の策定、自社開発のテクノロジーを用いたデータ分析やオーディエンスの開発、資金の支援、音楽配信サービスなど、アーティストのデジタル領域を全面的に「サービス」として提供していきます。

──PLAYCODEにおける大きな特徴として、現時点では「ヒップホップシーンの成⻑とアーティストの発掘・育成」を打ち出していますが、あえてヒップホップという音楽ジャンルに特化した理由も教えてください。

ヒップホップは、世界的に急速に成長している音楽ジャンルで、フランス、アメリカ、ドイツといった多くの国ですでにメインストリームの一角を占めており、Believeはそれらの地域でヒップホップの成長を支える専門的なインプリントを展開してきました。

具体的にはタイのbYOND、イタリアのM.A.S.T、フランスのAvant-Gardeなどが、ヒップホップ専門のインプリントを通じてその発展に重要な役割を果たしてきました。アジアでも特にインドやタイ、フィリピンではヒップホップが非常に人気を集めています。それらの国々では、日本のヒップホップシーンが現在その過程を経験しているように、アンダーグラウンドからメインストリームへと進化しました。

Believeはそれらの国々でヒップホップが主流の文化となることを促進してきた実績を背景に、2023年3月にBelieve Japanを設立し、その直後にヒップホップに特化したインプリント・PLAYCODEを立ち上げました。

今までPLAYCODEのようなインプリントは日本には存在しなかったですし、例えば従来のレーベルや音楽事務所は流通を手掛ける一方で、マーケティング分析に必要な専門知識は提供しきれていなかったため、アーティスト自身の負担となっていました。しかし、デジタル技術が目覚ましく進化する現代においては、専門知識を持たないアーティスト単独での活動は難しくなっています。

PLAYCODEはBelieveが世界中で培ってきた実績と経験をもとに、日本のアーティストに合わせたサポート体制を整えることで、アーティストの作品をより多くの人に届け、長期的なキャリアの”先“をサポートします。

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落合「Believe本社のフランスにて、PLAYCODEの戦略を各国のアーティストサービス統括責任者たちにプレゼンテーションする様子」

専門知識、ローカルファーストの信念と
真剣に向き合う時間

──落合さんは日本のヒップホップシーンを成長させるためには何が必要だと考えていますか?

結論から言うと、「専門知識」と「ローカルファースト」というふたつの要素が必要だと思います。

アメリカでヒップホップが世界的な現象になるまでの過程を見ると、長い戦い、強固な団結力、そして時間が必要であったことがわかります。それらは単なる音楽ジャンルを超えた文化的な動きであり、私は現地のアーティストや書籍から学んだ結果、その歴史を単純に模倣するのではなく、その歴史を理解し、どのように未来の設計図を描くのかに焦点を当てるべきだと感じました。

それぞれの国や地域が独自に培ってきたヒップホップ文化とそこから生まれるアーティストや音楽は、その土地固有の環境や経験に深く根差していて、日本においても「ローカルファースト」の考え方は重要であり、ゆえに独自のヒップホップシーンが存在します。

私たちが学ぶべきは音楽だけではなく、音楽活動を行う上での広範囲な「専門知識」を獲得する重要性であり、現在の日本のヒップホップがどのように国内で表現され、受け入れられるのかを深く考える必要があります。そしてアーティストも自分だけの独自性を表現して受け入れられるためには、作品制作だけではなくて受け入れられ方や表現方法についても考える必要があり、「MC」と「ラッパー」の違いを理解し、MCが文化の代弁者として自分の知識や考えをラップで表現することも、その一環です。

また、日本国内での認知が海外での成功の基盤となります。それを実現するためには適切な人材、必要な知識、そしてマーケティングやプロモーションへの資金投資が欠かせません。日本だけではなく将来的にどの国をターゲットにするのかも視野に入れ、アーティストが自らのユニークなヒップホップを追求して成長できるよう、PLAYCODEは専門家として包括的なサポートを提供します。

──現時点で、PLAYCODEがパートナーシップを結んでいるアーティストを教えてください。

¥ellow Bucks、Red Eye、Issei Uno Fifthの3名で、今後パートナーシップを組む予定のアーティストも何組かいます。

各アーティストとオンボーディングプロセスを進行中で、アーティストに対して彼らが日本の音楽市場の中でどこに位置するのかを知ってもらった上で、彼らのニーズや目標が何であるかを明確にして、最適なサポートを提供することが重要になります。

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¥ellow Bucks
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Red Eye
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Issei Uno Fifth

実際のステップとしてアーティストの活動の効率化と収益化の向上のためには、まず各ストアの最適化と各ソーシャルプラットフォームの調整に取り組むことが、本格的な運営を開始する前の重要なステップです。

次にアーティストごとに特化したブランディング戦略を策定し、そのプロセスには各アーティストに関する詳細な資料の作成が含まれ、それをもとに数時間におよぶミーティングで各アーティストと深く議論します。

そこから各ソーシャルプラットフォームでのアーティストの位置付けと分析結果を共有し、作品リリース毎のデジタルマーケティングプランを策定することで、アーティストのブランドを市場に効果的に打ち出し、収益化を実現する基盤を構築します。

デジタルマーケティングや市場分析にこれまであまり関わってこなかったアーティストにとっては、初めて深く潜り込むことになるので最初は難しいかもしれません。しかし将来、彼らにとってその知識と経験が非常に有益なものになると確信していますし、それが私たちとのパートナーシップが重要である理由。私たちは彼らのキャリアを次のレベルへと引き上げることができます。

──アーティストとパートナーシップを結ぶにあたって、PLAYCODEとしてこだわっている点ありますか?

PLAYCODEではアーティストとの直接的な対話を重視していますし、マネージャーがいる場合は同席してもらいつつ、マネージャーを介さずにアーティスト自身の考えを直接深く掘り下げて理解することを大切にしています。

我々もやはりPLAYCODEの戦略とビジョンがありますので、それらにそぐわない場合は残念ながらパートナーシップを結ぶことが難しい場合も。基本的にはアーティストスコアリング(査定)を行いつつ、自分の音楽に自信を持ち、広く認めてもらいたいと願うアーティストと連携を図れるかどうかを確認します。それは我々がコアバリューで大切にしている「公平性」と「透明性」に値する話。

率直にこの関係はアーティストキャリアにおいて大きな節目に立ち向かう真剣さが求められ、もし目標や志が完全でない場合は、双方にとって最適なタイミングを見直します。PLAYCODEの目標は多様なバックグラウンドを持つアーティストが輝く機会を提供することで、それは過去の経験をリセットするだけではなく、未来に向けた新しいスタートを切るためのサポートを意味していますからね。

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私のストーリー?
それはあなたたちの動きで変わるよ

───落合さんの人となりの部分も探っていきたいのですが、インスタグラムにこれまでの経歴をまとめた投稿(“MARI LIFE PART1”)を昨年末にされていました。それを見ると、現在に至るまでなかなか波瀾万丈な人生ですね。

ハハハ! なかなかですよね。本当に辛かったけどいい経験でした。もともと私はアーティストではなく踊り手でステージに立ちたかった人間でしたが、ほかの夢というか目標を含めると、ざっと3回ぐらいは夢破れて。自分がこの先やれるとしたら、その分のパッションを使って何かを成し遂げたいという想いが今に繋がっていて、誰かの夢・目標をサポートすることが私の夢・目標になりました。

ヒップホップとの出会いはシンガポールのインターナショナルスクールに通っていたときに、学校で一番の人気者の友人から「エミネム主演の『8 Mile』を知ってるか?」と聞かれて、DVDを渡されたことが最初のきっかけ。日本のヒップホップは、前職でオランダ発祥のデニムブランドのG-Star RAWで働いていたときに、今でもずっと尊敬する大好きなイケメンな先輩たちに教えてもらいました。

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落合「日本のヒップホップを教えてくれた先輩たち」

──経歴を少し補足させてもらうと、まずバレエ団の入団研修中に大怪我をして引退、ニュージーランドの航空学校を卒業するものの病気を患って断念、海外バイヤーとしてのキャリアをスタート、通訳として本の翻訳も行なって出版。そしてお話に出たG-Star RAWのホールセールアカウントマネージャーを経て、テレビ朝日ミュージックの海外事業部に入ったそうですね。

その後はlute、Bytedance、Red Bull、HYBE LABELS JAPAN、Condé Nast Japanという感じで転々としていました。

確かに私が担当したすべての仕事は初めてのことばかりで、多くの失敗を経験しました。多様なプロジェクトに携わり、海外のプロデューサーと日本のプロデューサーとのコラボレーションや音楽フェスティバルの海外ブッキングなど、コライト(共同作成)の権利関係の調整を含む業務を、誰かに教わる時間を待っていられない状況の中、現場で学びました。

負けず嫌いな性格もあって、関連書籍を購入したり、各部署の部長に時間を取っていろいろと教えてもらったり。あとはYouTubeで学べることもほとんど学び、プロジェクトごとに必死で取り組んできました。そのため、よく泣いていましたね。

何かを成し遂げようとしたとき、自分の考えをはっきりと述べることが日本では時として受け入れられにくく、カルチャーショックを感じることもありました。精神的に追い詰められたときに、担当していたアーティストや先輩たちから「おちまりさ〜、他人の言葉に流されず、自己を見失わないでそのまま突き進めよ」と励まされたこともあります。声も大きかった分、敵も多く、たびたび軽蔑されることもありましたが、どんなときも結果を残し、次につなげるために私なりに最善を尽くしてきました。

あと日本ではアーティストがレーベルに作られている印象を少なからず感じていて、そういう想いから2017年に自分がアーティストプロデューサーとして、「CIRRRCLE」というヒップホップクルーを結成させました。TuneCore Japanを知ったのもそのころです。

──CIRRRCLEは人種・言語・セクシャリティーといった異なるアイデンティティのメンバーたちによるヒップホップクルーとして注目を浴びて、さまざまなメディアでもフィーチャーされていました。

CIRRRCLEの結成に伴い、日本国内でのダイバーシティと安全な空間を目指しつつ、ヒップホップに対する理解を深めることを始めました。私自身の出生を振り返ると、日本人の父とポルトガル系インドネシア人の母のもとに生まれ、アジア系ハーフとしてのアイデンティティを持っています。幼いころに住んでいた神戸の小学校で当時は日本語が話せなかったため、言語の壁からいじめに遭い、そのときは母と一緒に涙を流したこともよくありました。そのような状況の中、父は私たちの多文化的な背景を全校生徒に紹介し、インドネシアの文化を伝えるために尽力してくれたんです。強くて、自慢できるかっこいい両親ですよ。

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落合「多くの壁を乗り越えてきた、強くて優しい自慢の家族」

また、母が外国国籍で私が日本国籍を持つため、国境を越えるたびに税関で別室に連れていかれるといった経験をしましたし、そこでも差別を感じることがありました。今はオープンに話せますが、自分のセクシャリティを理解できなかった時期もありました。それらの経験がCIRRRCLEの基盤にあります。さらに言えば、幼少期は父の仕事の関係で国を股に掛ける引っ越しが多く、居場所を求めては必死で動いてきました。今はPLAYCODEという居場所に、これまで以上にエネルギーを注いでいます。

それとCIRRRCLEが活動していた時期に、たまたま幼なじみの大親友がGoldLinkの現場マネージャーとして働いていて、その繋がりからアメリカのヒップホップシーンに直接触れる機会を得ました。多忙過ぎて記憶があいまいになっていますが、エミネムのオフィスや300 Entertainmentへの訪問、Camp Flog GnawフェスティバルへのAAAパスでの参加など、信じられないほどのアーティストたちとの出会いを経験したことも大きかったです。The Flavr Blue、DJ Premier、LION BABE、Smino、Schoolboy Q、Action Bronson、Shawn Wasabi、The Internet、Masego、Hollis Wong-Wear、Anderson .Paak、Kehlaniなど、数えきれないほどのトップアーティストに会う機会があり、予測のできない冒険を通じてヒップホップの魅力を深く学びました。

──落合さんの道のりは、計画的ではないかもしれませんがとても行動的ですよね。あとベースには圧倒的なパッションがある。

その後は、誰かのために働くなら自分の可能性を広げるべきだと考え方を変え、貯金をすべて使うくらいの勢いでアメリカ、インドネシア、シンガポール、韓国、中国を訪れ、友人たちに多くの人々を紹介してもらいました。

その過程で批判を受けつつ、「5年、10年後にはこの繋がりや蓄積した知識が報われるだろう」という意気込みで若さ特有の行動をしましたが、音楽を知るだけではなく、さまざまな角度から物事を学ぶ必要があると感じていました。

ITやブランディングについても理解を深めるためにさまざまな職種での経験を積みました。先ほども述べたように「知識」がなければ、何ができて何ができないかさえ見えなくなるため、本当に価値ある経験をしたと思います。

──落合さん自体にアーティストのようなリアルなストーリーがあって、今のPLAYCODEのアクションも自己実現に繋がっている。その姿勢や想いが、アーティストたちにもきっと伝わっているんでしょうね。

正直、自分自身は特別にメンタルが強いわけではありませんが、なぜか誰かが行動を起こさなければならないという使命感を持っています。とか言ってますが、自分自身に対して疲弊するくらいめっちゃ心配性なんですよね……。ただし今回、現職のオファーを受けたときは躊躇もありましたが、「あ!ついにこのときが来たんだ」と思い、迷わず引き受けました。

ここまで思っていた以上に困難な道のりでしたが、「やばい、しんどい!難しい!やるしかないわ!大丈夫大丈夫!」という気持ちで乗り越えてきました。それは長年にわたってBelieveで経験を積んできた素晴らしい先輩たちの指導を受けられているからで、ネガティブなときでもいつもポジティブに、優しく見守ってくれる支えがあるので頑張れます!

あと今こうやって、堂々と前を向いて進められるのは、日本だけではなく海外にも愛と情熱を持ち、夢を追い続ける友人や家族、そして自慢したいほど素晴らしいチームメンバーがいるからです。

将来的にはヒップホップ以外のジャンルにも展開を考えていますが、今は日本のヒップホップに生きた証を残せるように、真剣に取り組んでいます。与えられた同じ365日をどう活用するかをしっかりと考えながら私たちは挑みますし、私自身、そしてチームメンバーも、各アーティスト一人ひとりのことを真剣に考え、彼らのストーリーを大切にしていることを伝えたい。

そして自分のストーリーがどうあるべきか、それはアーティストたちの活動によって形作られていくものだと思っています。

実際にアーティストから「おちまりのストーリーはどうなの?」と聞かれたことがありますが、「私のストーリー?それはあなたたちの動きで変わるよ」と答えたことがあります。私だけではストーリーなんて作れないですし、それだけ真剣に本気で生きた証を残して生きたいと思ってるんです、よくばりですよね。今後、いろいろなアーティストと関われることがとても楽しみです!

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左から:Believe Japan代表:小川エリカ、Believe APAC社長:シルヴァン・ドランジェ、グローバルアーティストサービス統括部長:エルザ・バハモンド、グローバルミュージックヘッド兼ヨーロッパ社長:ロマン・ヴィヴィアン、Believe Japan & PLAYCODEアーティストサービス統括責任者:落合真理

Interview&Text by ラスカルNaNo.works

INFORMATION

PLAYCODE

「PLAYCODE(プレイコード)」は、日本のヒップホップシーンの成長、アーティストの発掘・育成、マーケティングサポートをするために誕生した、新しいインプリント(ブランド)です。従来の音楽事務所や音楽レーベルとは異なり、アーティストの独立性を保つことを目指しており、アーティストの音楽性や音楽活動を尊重しながらマーケティング活動をサポートします。主なサービスとして、ヒップホップアーティスト向けの専門知識を活用したマーケティング戦略の立案と実行、自社開発テクノロジーを活用したデータ分析とオーディエンス開発、また資金支援や音楽配信を提供します。さらに、150以上のデジタル音楽プラットフォームとの強力なパートナーシップにより、ヒップホップアーティストの楽曲がより多くの人々に届くためのサポートも行います。
 
「PLAYCODE」の名前の由来は、「Playful(遊び心・プレイフル)」と「Code(暗号・コード)」という2つの言葉から着想を得ました。「プレイフル」とは、多くの人々に受け入れられやすく、親しみやすいことを意味し、一方で「コード」とは、人生を生きる上での多くの障害物を乗り越え、自らが解き明かすべき暗号のようなものを象徴し、ヒップホップというジャンルを通して、音楽市場をより高いレベルに発展させることを目指しています。
「PLAYCODE」は、アーティストが独立性を保ち、創造性を追求し、またキャリアを向上できる適切な仕組みづくりを行ってまいります。

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