つい先日、ローンチしたばかりの『RE:Connect™︎(リ・コネクト)』。異なる視点や価値観が交差し、新たな気づきや関心が生まれる“創造の起点”としてオンライン上に構築された共創型プラットフォームが、モデル・アーティストとして活躍する吉井添に続くインタビューシリーズ第2弾を公開した。今回焦点を当てるのは、世界的に活躍するネイリストおよびSFX & 3Dアーティスト TOMOYA NAKAGAWA。ネイルアーティストとしての原体験をはじめ、同氏に影響を与えてきた環境や景色、そしてライフスタイルにいたるまで、TOMOYA NAKAGAWA自身に迫るロングインタビューを前後編に分けてお送りする。

text by Qetic

ニューヨークを拠点に、ネイリストおよびSFX & 3Dアーティストとして活動するTOMOYA NAKAGAWA。アパレル店員、デザイナー、漁師などさまざまな職を経て、2020年にニューヨークへ移住し、独学で3Dプリンターを使用したネイル制作を開始。その特異な才能はすぐさま見出され、BjörkBad Bunnyなど世界的なアーティストやブランドから依頼を受け、現在ではNewJeansXGといったK-POPアイコンたちともコラボレーションを果たしている。TOMOYA NAKAGAWAはどのような原点を持ち、どのように経験を糧にしてきたのか。他者との“交差”も糧にして表現をアップデートし続ける、TOMOYA NAKAGAWAの軌跡にフォーカスを当てた。

INTERVIEW
TOMOYA NAKAGAWA

即決でニューヨーク。偶然から生まれた“発見”

──現在はどのような活動をメインにしていますか?

今はネイリストやSFX & 3Dアーティストとして活動しながら、ニューヨークのネイルサロンにも勤めています。もともとこの仕事のスタートとしては、3Dプリンターを使って作る撮影用や成人式用のネイルなどがメインで、実際のところ一般的なネイルサロンとはやることがかけ離れていたのですが、インタビューなどで肩書きを聞かれたときにはネイリストと答えることが多くて。ただしそれで自分はネイリストと言えるのだろうかと考えていたのもあって、去年からネイルサロンで働くことにしました。

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TOMOYA NAKAGAWA

──遡ってアーティストとしての原点や原体験を教えてください。

ネイルの原体験は、出版した自伝にも書かなかったエピソードがあって。実は中学生のときからネイルに興味があって、高校は通信制で時間がけっこうあったので、ネイルのスクールに入った時期があります。ですが、実家からスクールまで遠かったのもあって、3日で辞めてしまったんです。でもスクールに行こうと思うぐらい、自分にとって10代のころからネイルは近い存在でした。

それでもまさかその道に進むとは全然思っていなくて。ネイルの仕事を始める前は漁師をして、その前は浮き輪のデザイナーとして友人とブランドを起業したり。会社をやりながら、ラーメン屋さんでバイトをしていたこともあります。

どれも好きな仕事ではあったけれど、やっぱり何かを作る仕事をしたいと思うようになって、その気持ちを当時お付き合いしていたネイリストのパートナーに話しました。その彼はニューヨークでネイリストとして3年ぐらい働いていて、自分の話を聞いたら「じゃあ来れば?」と言ってくれて。即決で、ニューヨークに行きました。

──ニューヨークでネイリストを始めたきっかけは?

ニューヨークに行ってすぐコロナ禍に入ってしまったので、家にいる時間にいろいろやってたのですが、パートナーのネイル道具が一通りあって、ちょっといじってみようと思って教えてもらったのがスタートなんです。

最初は自分の爪にありもののパーツを付けるとか、2日かけて絵を描くとか。それをインスタグラムに投稿したらいい反応をもらえたり、買い物でレジの店員さんに褒めてもらったりして楽しくなっていきました。しばらくして、ふとジェルで作れる立体をいじっていたら、発明と言うと大袈裟ですが、“発見”して。

その触角のような仕上がりがすごくきれいだったので、インスタグラムに載せたら、そこから海外のフォロワーが増えていくようになりました。その延長で、作品を見たBjörkのスタイリストから連絡が来たんです。「まさかこんなことがあるのか」と思いましたね。

Photo:Ryoma Kawakami
Interview&Text:ラスカル(NaNo.works)

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TOMOYA NAKAGAWAが自身の作風に影響を受けたものとは?

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