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トム・ミッシュ、キング・クルール、コスモ・パイク、ゴート・ガール、シェイムらの活躍で、今最も熱い視線を注がれるサウス・ロンドンの音楽シーン。

注目を集めるサウス・ロンドンで今注目を集め、タイラー・ザ・クリエイターも認める才能、レックス・オレンジ・カウンティー(Rex Orange County)が7月20日(金)に最新作『Apricot Princess』の日本版がリリース。

2018>(以下、サマソニ)で大阪1日目、東京2日目に出演、来日することが決定している。

レックス・オレンジ・カウンティーことアレクサンダー・オコナー(Alexander O’Connor)の音楽活動歴を紹介しつつ、タイラー・ザ・クリエイターと作品に参加することとなったきっかけ、<サマソニ>への意気込みなどを訊いた最新のインタビューをお届けする。

レックス・オレンジ・カウンティー(Rex Orange County)略歴

本名アレクサンダー・オコナーに教師が与えたニックネームがOC。その前から名付けられたアーティスト名レックス・オレンジ・カウンティー(Rex Orange County)。

アレクサンダー・オコナーは16歳のときに、アデル、エイミー・ワインハウス、キング・クルール、ザ・クークス、トム・ホランドら錚々たる人物を排出しているブリット・スクール(BRIT School)に入学。

ブリットスクールではドラムを学び、2016年18歳のときに自主制作の『UNO』を制作。続けて『bcos u will never b free』を配信でリリース。

2017年には『Apricot Princess』をリリースし、その3ヶ月後には『bcos u will never b free』を聴いたタイラー・ザ・クリエイターの『Flower Boy』に参加し“Boredom”、“Foreword”を共作している。

2018年5月にはベニー・シングス(Benny Sings)とコラボレーションし“Loving Is Easy”を制作。

アメリカの人気番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』でテレビデビューを果たし、これからまさに勢いに乗ってブリットスクール育ちサウス・ロンドン経由で世界に飛び出していこうかという絶好のタイミングで来日を果たす!

texty by Ryosuke Suzuki

Interview:レックス・オレンジ・カウンティー

レックス・オレンジ・カウンティー|タイラー・ザ・クリエイター、サマソニ、ブリットスクールを語るインタビュー interview_rexorangecounty_3-1200x1800

——イングランド南東部サリー州にほど近いグレイショットで育ったそうですが、音楽を志そうとしたのはいつ頃からですか? またグレイショットではどんな音楽を聴いていましたか?

ブリットスクールに通い始めてからだよ。音楽を作り始めたのは、グレイショットからロンドンまでの電車の中なんだ。学校でドラムを習うようになって、それで電車の中で曲を作るようになった。グレイショットでは、主にギター・ミュージックを聴いてたよ。あとは、ジェイZとかエミネムとか、ヒップホップもたくさん聴いてた。

——クロイドンにあるブリットスクールに16歳で入学したそうですね。この学校は英国のミュージシャンにとってはエリートコースだと思いますが、ミュージシャンを目指すために入学したのでしょうか?

ある意味そうだけど、それも頭にあった、というくらい。カリキュラムが充実していたし、ブリットスクールは、強制的に生徒をミュージシャンにさせようとするような学校ではないから、そこがいいと思ったんだ。宿題に追われて自分の自由がなくなるとか、そういう状況にはなりたくなかった。でもブリットスクールは、生徒の意思を尊重してくれるんだ。

——その学校で得た経験は、今のあなたの音楽性にどのように影響していますか?

受けた教育そのものが直接的に自分の音楽に影響しているとは思わないけど、学校に通ったことで沢山のミュージシャンたちに出会って、新しい音楽を知ったのは大きく影響していると思う。学校に通い出してから、ワールド・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックを知ったからね。

——キング・クルールとロイル・カーナーは学校の先輩です。少し年齢が離れていますが、あなたの音楽からは時おりふたりの音楽を思わせる瞬間があります(“Untitled”など)。それは同時代に音楽を作っているということもあると思います。一方で、学校を含む地域性も関連しているのではないかと思います。クロイドンをはじめとする南ロンドンの地域があなたの音楽にもたらす影響や作用はありますか?

彼らは南ロンドン出身で、小さいころからそこで育っているけど、俺は南ロンドン出身ではない。だから、彼らほどは影響は受けていないと思うよ。でも、もちろん馴染みのある場所ではあるから、曲を書く上で歌詞の内容の場所が南ロンドンが元になっていたり、南ロンドンにいる時に感じたことが曲になったものもあるとは思うけどね。

REX ORANGE COUNTY – UNTITLED

——『bcos u will never b free』でのコスモ・パイクとのコラボですが、彼も南ロンドンです。どのようなきっかけでコラボが実現したのでしょうか。また彼との作業で受けた影響や刺激などはありましたか?

彼とは同じ学校に通っていたんだ。正直、計画してスタジオに入って本格的にコラボしたんじゃなくて、彼と自分が同じ時期に曲を作り始めて、その流れで一緒にコラボすることになった、という流れだったんだよね(笑)。だから、何かを学んだとか、影響を受けたということも特にはないんだ(笑)。友達同士で楽しく曲を作ってみたというだけ。でも、その曲を作り始めた時期にお互いをインスパイアし合ったのは確かだね。俺は、特に彼のギタープレイからインスパイアされたと思う。

——昨年のマーキュリー・プライズであなたはスケプタ(Skepta)のステージでギターを弾いていました。これはどのようなきっかけで実現したのですか? またあなたのヴォーカルにグライムの影響を感じさせる時があります。あなたにとってグライムはどのような位置を占める音楽ですか?

俺自身もあまりよくわかっていないんだよな(笑)。2、3日前にスケプタがギターの弾ける若いミュージシャンを探しているとマネージャーから聞いて、どこかで俺の音楽を聴いたのかわからないけど、俺がそれを引き受けることになったんだ(笑)。彼は人としても良い人だったし、良い経験だった。グライムは、重要なジャンルだと思う。イギリスらしい、そしてイギリスで生まれたサウンドの一つだと思うし、ある意味イギリスを代表するサウンドでもあるからね。でも、俺は逆にそのUKすぎるところにあまり惹かれなくて、あまりグライムは聴いてこなかったんだ。そのイギリスっぽいところが良いところなんだけど、俺にとってはなんか面白くなくてさ(笑)。でも、素晴らしいジャンルだとは思うし、イギリスにとって大切なジャンルだとはもちろん認識しているよ。

——BBC Sound of 2018の第2位に選出されました。その感想は?

その一部になれたことを嬉しく思っているし、それをきっかけにより多くの人々が自分の音楽を聴いてくれることに感謝している。選出された他のアーティスト達も素晴らしい人ばかりだったし、光栄だね。

——あなたの初音源は2016年発表の“UNO”ですが、このとき、あなたはどのような音楽を目指そうとしていましたか? また現在とはその志向が違っていたりしますか?

今とそんなには変わらないよ。当時は、思うがままに音を作っていた。思うことを全て好きなように音にしていたんだ。何かを目指して音を作っていたというよりは、好きな音を作っていたという感じ。今もそれはあまり変わらないけど、もっと曲を作るということを意識するようにはなったね。たとえば、“お腹が空いた”という感情までもを曲にしたりはしない(笑)。好きな音を作ることは変わらないけれど、表現するものを選ぶようになったし、より作品としての音を意識するようにはなったと思う。

——その後、1stアルバム『bcos u will never b free』を同じ2016年にリリースしています。この音源がタイラー・ザ・クリエイターの耳に届いて、彼の作品に参加することになったのでしょうか? 

そう。タイラーがSoundCloudか何かで俺の音源を聴いたらしくて、それで彼から連絡が来て、彼の作品に参加することになったんだ。

——彼とのコラボはどのように進められたのでしょうか? データをやり取りするようなスタイルで完成したのでしょうか。
彼が俺に合いそうなトラックを選んでくれて、それを自分でちょっと練習して、彼のところへ行って短時間でレコーディングしたんだ。そのあと、他にも俺に出来そうなトラックが出てきたから、それもやってみることになった。データのやり取りというよりは、彼のアイディアがあらかじめ固まっていて、それに俺が合うと彼が判断して、それを彼のところに行って加えた感じかな。

——彼とのコラボの後、あなたを取り巻く状況の変化はありましたか?

環境というより、あのコラボがあったおかげでアルバムを作りたいという気持ちが起きた。彼が作業しているのを見て、すごくインスパイアされたんだ。あと、彼とのコラボを通して自分のことを知る人が増えたから、その人たちにこれが自分の音楽だと提示できる作品、つまりアルバムを作りたいと思うようになった。そうしてセカンド・アルバムを作り始めたんだ。

——その後、2ndアルバム『Apricot Princess』をリリースしますが、よりメロディや歌に重心を置いた作風に変化したと感じましたが、それは意識的なものでしょうか?

そうだね。さっきも少し話したように、前よりも音をただ作るのではなく曲や作品を作ることを意識するようになったから、その流れだと思う。表現方法、表現するものを前よりも考えるようになったことでそうなったんじゃないかな。前と少し違うこともしたかったし、曲と曲それぞれに個性ももたせたかった。ただランダムにサウンドを作るわけではなく、今回は曲を作るということを考えていたんだ。

——60、70年代のポップスから映画音楽、インディ・ロック、ヒップホップなど、様々な音楽要素があなたのフィルターを通して、ポップに展開されていきます。“ポップ”という観点では、今の英国では珍しい存在だと思いますが、ご自身でもそう感じていますか?

自分が作っているのはポップだという意識はあるよ。自分のどこかで、キャッチーなサウンドを作りたいという気持ちがある。その方がやっぱり親しみやすいし、より多くの人が繋がりを感じることが出来るからね。親しみやすいのと伝わりやすいのが”ポップ”・ミュージックだと思うんだ。

——アルバムの制作はどのように行われましたか? 『bcos u will never b free』との相違点もあれば教えてください。
楽しかったよ。エンジニアのベンを初め何人か自分以外の人たちにもすごくお世話になって、自分だけでは作れなかったであろうクオリティの作品を作ることができた。前回のアルバムとの違いは、自分がより大人になっていること。自分を前より理解できていると思うし、ただクレイジーなんじゃなくて、面白さの中にもちゃんと意識があるのが今回の新しい部分だと思う。

——音的な違いはどうですか? メロディックになったこと以外で。

そんなに違いはないと思う。スピードも似ているしね。

——“Sycamore Girl”でフィーチャーされている女性シンガーは? ほかにも参加アーティストがいれば教えてください。

彼女の名前はシーア(Shea)で、2年半付き合っているガールフレンドなんだ。彼女も俺と同じ学校に通っていて知り合ったんだけど、彼女は本当に素晴らしい歌声を持っている。自分の音楽もリリースしているよ。参加アーティストはもう一人いて、マルコ・マクニス(Marco McKnnis)っていうんだ。実は彼には会ったことがないんだけど、俺が彼の作品のファンだから、彼に連絡をとって、参加してもらったんだ。

——ベニー・シングス、ランディ・ニューマンとのコラボレーションはどのようにして決まったのでしょう? また彼らとの作業はいかがでしたか? まさにランディ・ニューマンはあなたの音楽性に深く影響を与えているひとりだと思うのですが。

長い間ずっと尊敬し続けてきたベニーが住むアムステルデムに行って、彼と一緒に作業をすることが出来たのは、本当に価値のある経験だった。ランディも同じ。あんなに素晴らしいキャリアの持ち主とコラボが出来たなんて光栄だよ。でも、ランディとは実際には会っていないんだ。自分のパートを録音して、彼に送るという形で作業を進めた。でも、彼のメロディやハーモニーには大きく影響を受けているし、そのは自分の音楽からもかなり見られると思うよ。

Rex Orange County – Loving is Easy (feat. Benny Sings) [Official Video]

——<サマソニ>で日本でのライブが実現します。“Japan”という曲も作っていますが、何か特別な思い入れがあるのでしょうか? また<サマソニ>への意気込みも聞かせてください。

実は、日本にはまだ行ったことがないんだよ(笑)。だから、思い入れがあるわけではまだないんだ(笑)。でも、ずっと行ってみたいと思っている国の一つ。“Japan”を作った時は、あまり曲名をつけずにたくさんトラックを作っていて、何かクールな名前をつけようと思って“Japan”にしただけなんだ(笑)。<サマソニ>は、すごく良いショーになると思うよ。バンドも連れて行くし、シングルを全曲プレイできたら良いなと思ってる。日本の皆の反応を見るのがすごく楽しみだね。

Rex – Japan

——以上です。ありがとうございました。
ありがとう! 日本に行けるのを本当に楽しみにしているよ。

EVENT INFORMATION

2018

2018.08.18(土)/08.19(日)
東京:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)

2018.08.17(金)
幕張メッセ

企画・制作・招聘:クリエイティブマン・プロダクション

オフィシャルサイト

Qetic編集部

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