奈良県出身の映画作家・河瀨直美と、フリーアナウンサーで女優の松尾翠。奈良をきっかけに瞬く間に親交を深め、今や“裸の付き合い”の2人に、もはやライフワークともいえる健康のこと、そして奈良の魅力と共に天理市でSDGs未来都市事業の1つ、里山再生プロジェクトの一環として作られているお茶「里山三年晩茶」についてたっぷりと語ってもらった。

対談
河瀨直美(映画作家) × 松尾翠(フリーアナウンサー/女優)

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松尾翠 / 河瀨直美

──おふたりは、いつからのお付き合いなのでしょう?

松尾翠:初めて直美さんにお会いしたのは、忘れもしない、2023年2月2日のことでした。

河瀨直美:お互いの共通の知人と3人で、京都でご飯を食べたんだよね。

松尾:本当は別の方が参加する予定だったのですが、その方が都合が悪くなってしまい、共通の知人から「席が空いちゃうの。翠ちゃん、来ない?」と声がかかったんです。

河瀨:出会うべくして出会ったのだと思います。翠ちゃんは、その日、着物を着ていて、私の映画について泣きながら語ってくれました。

松尾:直美さん、初対面なのにとてもフランクに話してくださって、すぐに打ち解けることができ、つい熱くなってしまいました(笑)。あれからもう2年なんですね。その後、奈良で撮影が行われた直美さんの映画で俳優としてのスタートを切らせてもらいました。なので、奈良への思い入れは強いんです!

河瀨:まだ2年かあ、濃いよね。一緒に温泉に行くことも多いんですよ。今日は、お互い服を着ているのが不思議なくらい(笑)。

松尾:そう、基本、裸の付き合いです。

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──(笑)。なぜそんなに仲がいいのでしょう? よほど気が合ったんですね。

松尾:直美さんは、最初から大切な人で、守ってあげたいと思ってしまう(笑)。年齢も社会的な立場も直美さんのほうがお姉さんなのですが、もし直美さんが泣いていたら抱きしめに行きます!

河瀨:(笑)。翠さんは表裏がなく、自然体で付き合える人。大切な仲間のひとりです。あと、私たち、好きなものが同じなんだよね。たとえば、お気に入りの酵素風呂の施設が同じとか(笑)。

松尾:その酵素風呂、結構マニアックなんですよ。年季の入った見た目で、気軽に入れる場所ではないのですが、私たちは気に入っています(笑)。あと、ふたりとも梅エキスを常備していて、喉が痛い時に飲んだりと、共通点が多いんです。

お茶の木を丸ごと使った「里山三年晩茶」

──おふたりとも健康に対する意識、相当高そうですね。

河瀨:めちゃめちゃ高いですよ(笑)。

松尾:健康を追求するのが楽しくて、そのために肉体を纏って生まれてきました(笑)。それくらい好きです。もはやライフワークといってもいいくらい。お茶も大好きで、いろいろな茶葉を取りそろえて、朝からずっと飲んでいます。

河瀨:体に直接、入っていく水分って大事ですよね。私は、知り合いが作っている沖縄のハーブ系のお茶をブレンドして飲むことに凝っています。

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──今日は、天理市で作られている「里山三年晩茶」をご用意しました。天理市は昨年、SDGs未来都市にも選ばれました。その事業でもある「福住村プロジェクト」(※)の一環として、耕作放棄地に残る茶の木を使って作られた、無農薬・無化学肥料のお茶です。3年以上生育させた茶の木と葉を、化石燃料を使わずに焙煎しているそうです。

河瀨:これ、天理で映画を撮影している時に飲みました。生産者である、「健一自然農園」の伊川健一さんもよく知っています。焙煎の香ばしさに包まれて、まさに「森のお茶」です。伊川さんから、お茶の木をまるごと使っていると伺いました。

※)自然豊な高原地域で地域資源を活用し持続可能な循環型の里山暮らしの実現を目指すプロジェクト ▼詳細はこちら

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──何年も手が入っていなくて、ジャングルのように生い茂っていたお茶の木を刈り取って細断し、間伐材を薪にして焙煎して作っているのだとか。

松尾:飲んでいると、やさしく、抱かれるようで、里山の風景が思い浮かびます。子どもの頃、夕方まで夢中で遊んでいて、だんだんと暗くなっていく、そんな時間が呼び起こされます。収穫体験にも参加してみたいですね。いいリトリートになりそう。

河瀨:生産者の伊川さんがこんなことを言っていました。その昔、森に入った人が焚火で焼いた茶の木をお湯に入れて飲んだ、素朴で純粋な香味のついたそのお湯がお茶の始まりのひとつだったのではないかとされている、と。お茶の木を丸ごと使った「里山三年晩茶」は、そういった歴史を内包した、悠久の流れを鑑みることができるお茶だと思います。低カフェインなので、さまざまな世代の方が安心していただけるのも素敵ですね。

──子どもたちを含め、地域の人々もお茶づくりに関わっているなど、この「里山三年晩茶」にもさまざまなストーリーがあると聞いています。

河瀨:そんなストーリー性を含めて世界中の人に味わってもらいたいですね。

松尾:忙しい時にいただいて、自然の静寂のなかに誘ってもらうのも良さそうです。

河瀨:今こそ、里山が持っているものを大事にしていかなければならない時代。たくさんの可能性を秘めていると思います。もちろん、大変な部分も多いと思います。お茶の木は放っておくと、どんどん伸びていくので、茶畑ってすぐ荒れてしまうんですよね。健一くんのような、里山の未来の担い手や日本の伝統文化の継承者が、果たして20年後に存在しているのか──、危機感を抱いています。

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松尾:昔の日本人って、その土地土地に神様がいるって信じていましたよね。このお茶もそうですが、農作物って育った土地の個性が反映されるじゃないですか。そう考えると、やっぱり神様っているのかなって。

河瀨:翠さんも知っているように私は天理でお米を作っています。東日本大震災の翌年に始めたので、もう12年目になるかな。山の水で育てたミネラルたっぷりのお米はやはり美味しくて、収穫祭の時には、普段は「肉、肉!」と言っている子どもたちも、お米に夢中(笑)。薪で炊くので、よりお米の美味しさが際立つんです。

松尾:直美さんが奈良で撮影した『Vision』という映画の中の、「山は賑やかだ」というセリフ、とても印象に残っていて。奈良だからこそ、生まれた世界観だと思っています。確かに、奈良の山の中にいると鳥が鳴き、木々がおしゃべりを始める──、静寂のなかにある本当の賑やかさを感じました。

河瀨:山岳信仰にも通じるものがあると思うのですが、騒がしいくらいにたくさんの音が聞こえてくるんですよ。自分だけでなく、いろいろな生き物が存在している安心感も得ることができます。

松尾:私も山は大好き! 感覚が研ぎ澄まされますよね。山の賑やかさが作り出す豊かさを知ると、都会が物足りなくなってしまいます。本当の豊かさってなんだろうなって。

河瀨:わかる! 私は直感で生きているタイプなので都会には住めないの(笑)。情報量が多すぎて混乱してしまうんです。

歴史と自然溢れる奈良の魅力スポット、天理市

松尾:そう考えると、まさに奈良は直美さんにぴったりの場所。奈良という場所には人の力を引き出す何かがあると思っています。そして、まだフィーチャーされていない、とんでもない場所がいくつもあります。そのひとつが天理です! 奈良市内から少し離れているのですが、面白いことに至るところに古墳があるんです。私有地にも普通にありますよね、古墳!

河瀨:プライベート古墳ね、あるある(笑)。天理の龍王山から登山道を降りていくと、長岳寺奥の院と呼ばれるところがあり、鎌倉時代後期に作られたとされる不動明王石像が鎮座しています。さらにその下に行くと古墳に出逢えます。夕景や夜景も素晴しいですよ。その聖地、まだ、多くの人は気づいていないけれど、気づかれてしまったら、めちゃくちゃ人気が出るんじゃないかな。

松尾:(笑)。今はまだそれほど人がいないから、自然と一体化できるんですよね。知ってほしいような、知られたくないような。

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河瀨:石上神宮(いそのかみじんぐう)も知られざるパワースポットです。先日、天理駅前の商店街で、ある女優さんに声をかけられたのですが、もう何年も前から石上神宮に通っていると言っていました。日本人大リーガーもお忍びで来ていたとか。

松尾:すごい! 天理教の本部もインパクトありますよね。私たちのように信者ではない人にも門戸を開いているのもありがたいです。

河瀨:そうなの、木造のしっとりとした神殿(南礼拝場)は、24時間、365日いつでも無料で参拝できます。一見の価値はあります。心を静めて立ち寄ることが去年あたりから増えました。

松尾:宗教も関係しているのかもしれませんが、神様がいることを信じている街ですよね。自然の本来ある力と人間の良い部分の力とがかけ合わさって、整えられた状態で存在し続けているというか……うまく説明できないんですけれど。

河瀨:人と人が大らかで垣根がないんです。悪い人がいないの(笑)。私もすっかりほれ込んでいます、天理。

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おふたりが今、激推しの天理の耕作放棄地再生プロジェクトで生まれた「里山三年晩茶」。どこか懐かしさを感じる里山薪火焙煎の香りに包まれながら、心と体をほぐしてみては? そして、ぜひ現地にも足を運んでみてほしい。天理でいただく「里山三年晩茶」はまた格別だ。

Interview&Text:長谷川あや
Photo:HAYATO OISHI
Hair make(河瀨直美):今村麻里子
Hair make(松尾翠):村松直美

INFORMATION

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里山三年晩茶

ティーバック(3g×10個入り)
¥580(tax incl.)
 
じっくり育ったお茶の木を丸ごと使った滋味豊かなお茶。地域の小中学校の子どもたちが描いたイラストがパッケージになっている。
 
●里山三年晩茶 販売店舗
[物品販売]奈良・天理市内:
・道の駅 なら歴史芸術文化村
・天理大学i CONNECT Shop
 
[店内提供]奈良・天理市内:
・TEN.TEN.CAFE 天理コフフン店(天理駅前)
 
[物品販売]
・無印良品 イオンモール橿原店
・無印良品 イオンモール大和郡山店
・無印良品 イオンモール堺北花田店

詳細はこちら

里山三年晩茶ブレンド(ハーブブレンド/黒豆ブレンド/大和ルージュ®︎ブレンド)

天理市の高原地域で育った自然の恵みをブレンドしたお茶もあり、3種類の香味と里山三年晩茶のハーモニーが楽しめる。

里山三年晩茶 ハーブブレンド

ティーバック(3g×3個入り)
¥280(tax incl.)
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里山三年晩茶 黒豆ブレンド

ティーバック(3g×3個入り)
¥280(tax incl.)
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里山三年晩茶 大和ルージュ®︎ブレンド

ティーバック(3g×3個入り)
¥280(tax incl.)
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◎河瀨直美衣装
ブランド名:Eatable of Many Orders
商品名:ロングブラウス ¥62,920/パンツ ¥42,359/カットソー ¥22,990
 
◎松尾翠衣装
ブランド名:Eatable of Many Orders
商品名:ワンピース ¥93,170/ブラウス ¥48,400
お問い合わせ先:0557-35-9294(株式会社エタブル)