2018年11月3日(土)、上野恩賜公園野外ステージで開催される<SHAKE HANDS(シェイクハンズ)>。“SHAKE HANDS=握手”と名付けられた本イベントは、環ROYをはじめ大比良瑞希、Nao Kawamura、Mime、Emeraldなどの注目アーティストが出演する野外音楽フェスティバルだ。ライブはもちろんのこと、その他のコンテンツもポップな魅力に溢れるものばかり。サウナー(サウナ愛好家)がDIYによって製作したモバイルサウナでグッズを販売する「サウナトラック」、来場者自らがコーヒーを淹れられる体験型コーヒースタンド「C STAND」、道行く人から無料で仕入れた“秘密”を販売するワークショップ「ひみつ屋」など、一般的な音楽フェスでは考えられないような、ユーモラスな店も勢揃いする。

都市型ならぬ“上野公園特化型”フェスは、どんないきさつから生まれたのか。今回、首謀者の町田 涼さんをはじめ、広報/コンテンツ/メディア戦略の各メンバー、さらには偶然(?)現場に居合わせた出演アーティストMimeのメンバーまでもが参加する、スペシャル座談会が実現。SHAKE HANDS運営者たちが考えるフェス・コミュニティの形について、各々の立場から話してもらった。

Interview:SHAKE HANDS

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右から、主催・町田、広報・齊藤、ハイパーメディア戦略クリエイター・江藤、コンテンツ・西出、コンテンツ・大久保、編集ライター・山科

——今回は、お集まりいただきありがとうございます。まずは、上野公園での開催を決めた理由から教えてください。

町田 涼(SHAKE HANDS主催。以下、町田) フェスへの参加って、実は色々なハードルがあると思うんです。例えば、都心を離れたキャンプフェスだと事前準備が大変だったり、かかるコストが大きかったり。そんな人たちにも足を運んでもらいたいと思ったから、上野公園を会場に選びました。なんせ上野は、たくさんの路線が乗り入れている好アクセスな場所だし、しっかり整備された公園内が会場なら、手ぶらで遊びに来ていただいても大丈夫。さまざまな日本の芸術や文化が育まれてきた歴史を持つ上野公園で、文化の日にフェスを開催できることに意義を感じています。

——イベント名<SHAKE HANDS>には、どんな由来がありますか?

町田 僕はもともと音楽活動をしていて、その流れからさまざまなイベント企画に携わるようになりました。そんな活動を続ける中で、人と人とが出会い、繋がりが生まれることの大切さに気付いたことが、<SHAKE HANDS>の開催を決めたきっかけの1つです。でも、イベント名に“出会い”とか“繋がり”とか、そういう言葉が前に出すぎると、「ちょっと仰々しいしダサいかも……」と思う気持ちもあって。上手に表現できる言葉を探していた時、頭に浮かんだのが“SHAKE HANDS”でした。その昔、ニューヨークに滞在していた時期もあるんですけど、アメリカでは、コミュニケーションって握手から始まるんですよね。「Hey,What’s up!」みたいな。出会い頭に握手する文化にインスピレーションを受けたことが、この名前に決めた理由です。

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——<SHAKE HANDS>のコンセプトは?

町田 “イベント”と謳わず、“コミュニティ”と呼ぶことかな。イベントって言い切ると、参加者の意識が「イベントに行くぞ!」っていうことに、縛られちゃうと思うんですよ。だけど僕らがやりたいことって、どうしたらミュージシャンたちが活動に専念できるのか、ものづくりをしている人たちが自由に作品をプレゼンテーションできるか……っていうことだったりします。それを実現する方法を考えた時に、音楽をやりたい人やものづくりをしている人が集まれる場を作って、全てが繋がったら「新しいモノやコトが生まれるんじゃないかな??」と思ったんです。そういった意味合いも込めて、僕は“コミュニティ”と言い張っています(笑)。

——では、将来的にこんな形でありたいという、具体的なビジョンはありますか?

町田 このコミュニティは最終的に、文化の温床へと変わっていくと思っています。音楽をする人、ものづくりをする人、イベントを企画する人たちがジャンルレスに繋がれたら、絶対に面白くなると思うんです。

大久保(コンテンツ担当)
 イベントってどうしても、場を提供する主催者側と、それに反応するお客さん側という関係性になってしまいがちですよね。でも、両者それぞれに共有したいものがあるはず。だからこそ垣根を全部取り払って、好きなものをどんどん発信したいし、逆に教えてもらえたらとても嬉しいです。それにより、新しいモノやコトが生まれる場を、一緒に作っていきたいと思っています。

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——みなさんは、町田さんの主張のどんなところに賛同したんでしょうか?

齊藤(広報担当) 町田くんには、不思議な求心力や温かみがあるんですよ。運営メンバーとして参加している人たちも、みんなどこか似た空気感を持っていたりして。それは、他のコミュニティにはないものだなと、しみじみ感じています。<SHAKE HANDS>は、参加してみて実際にその魅力を体感したイベントだったから、僕自身も広めていきたい。これからもっと楽しく遊べる場所にするためにも、協力したいと思いました。

——次に、ハイパーメディア戦略クリエイターの江藤さん。この肩書きは一体……?(笑)

江藤(ハイパーメディア戦略クリエイター) なんなんでしょうね(笑)。僕も最初はお客さんとして遊びに行っていたんですけど、風の噂で次はフェスになると聞きました。一足跳びで規模が大きくなったから「大丈夫かな?」と思いつつ、なんだかイケちゃいそうな感じもある(笑)。自分自身、「Festival Life」というフェスメディアを運営しているし、何らかの形で協力したいと思って、運営サイドとして参加することにしました。

——大久保さんはいかがですか?

大久保 出会った頃の町田くんは、フェスを開催するか悩んでいて、ちょっとウジウジしていたんですよね(笑)。僕と西出くんは過去に「高架下音楽祭」という音楽フェスを開催したことがあったので、「やるって言ったらコトが進むから!」と伝えました。今回は<SHAKE HANDS>をサポートする側として色々なカルチャーを盛り込むべく、主に音楽以外のコンテンツ周りを担当しています。ライブ目当てで訪れた人に、「他のコンテンツも最高じゃん!」と感じてもらいたいんです。コンテンツを決定するときは、オモロイと思うものをみんなで挙げていくんですが、提案するものがなんとなく似ていて、とても良いコミュニティだと思いました。カオスなアイディアだらけなんですけど、それも愛嬌なのかも(笑)。物で例えるなら、びっくり箱みたいな。このままイベントが続けば、めっちゃ盛り上がる予感がします。

――同じくコンテンツ担当の西出さんはどうですか?

西出(コンテンツ担当) 大久保くんと一緒にフェスを立ち上げた経験が、自分の中では人生のターニングポイントでした。自分達の立ち上げたフェスがきっかけとなって人と人とが繋がり、新しいモノやコトが生まれたのが嬉しかったので、町田くんの考えに共感できました。僕らがフェスを開催した時は、助けてくれる人が周りにあまりいなかった。それで苦労したところもあったので、自分の経験が少しでも役立つなら、協力したいという気持ちで参加しました。

――編集ライターの山科さんはいかがでしょう?

山科(編集・ライティング担当) 事前説明なく、町田くんに「おいでよ」と言われて集合場所に行ってみたら、いきなり会議に参加させられちゃって(笑)。気付けばそのまま、運営メンバーとしてお手伝いするようになっていました。過去の<SHAKE HANDS>には毎回足を運んでいたし、町田くんとは元々友だちだったから、何が起こるかはなんとなく想像できていたのかも。今回は、たくさんの人がフェスに興味を持ってくれるように、テキストを書いたり宣伝したりといった形で、お手伝いしたいと考えています。

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——皆さんにお聞きしたいんですが、このコミュニティが他と違うと感じるところはありますか?

大久保 あまり利益を重視していないので、各々が本当に好き勝手言ってます(笑)。コストを無視しても話が前に進むし、ワクワクしたい気持ちを持っているから成り立っているというか。良い意見があれば、それを実現するためにどう動くべきか、みんなが全力で考えているんだと思います。

町田 全員が自主的に動いてくれるから、本当に進むのが早い(笑)。運営メンバーは、オモロイものを共有したいと思っている人ばかりなんです。実現したいことがたくさんあるから、能動的に動ける場所に身を置いているというか。

山科 みんな、本当に好きなことを仕事にしているんだけど、その中で自由が効かない部分を、コミュニティの中で叶えている感じがするよね。

町田 そうそう。良し悪しは別として、誰も<SHAKE HANDS>の方向性をコントロールしていないところも面白いんですよ。みんなやたらとポジティブだし、提案する音楽やコンテンツも近いレベルで想定しているから、色々とスムーズなのかもしれません。

——今回のラインナップを決めるときもそうでしたか?

山科 当初想定していたアーティストが決まらないことも多々あり、ブッキングの難しさを感じました。それでも、みんな気持ちが全然萎えない。結果的に、今の形がめちゃくちゃ面白そうって思えるんですよね。

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フライヤー

——Mimeのお二人は、<SHAKE HANDS>についてどう思いますか?

森川 ベース担当の森川です。町田さんも話していましたが、僕たちから見ても本当にラインナップが素晴らしい。他の出演アーティストのMVをYoutubeで観ると、コメント欄には大抵、「売れない理由がわからない」というコメントがあるんです。シーンの中でも、良い意味でマニアックかつ、良い音楽を作っているアーティストばかりで、セレクトにセンスを感じます。今回、イベントに呼んでいただけたことが本当に嬉しいです。

冨倉 ドラム担当の冨倉です。アーティスト主動の発信だと情報を届けられる範囲が狭くなりがちですけど、マッチ(町田)はリスナーとミュージシャン間を橋渡ししてくれる、稀有な存在というか。開催前から、素敵なイベントになると確信しています。

——Mimeのお二人と交流があることもそうですが、アーティスト側と主催側の距離が近い感じがしますよね。それについて、意識したことはありますか?

町田 「距離が近い」というのは、アーティストと同じ目線を持つことなのかな、と思っています。出演を依頼するだけじゃなく、「一緒に場を面白くしようよ!」と提案したいというか。

齊藤 今回ブッキングできなかったアーティストの方々からも、「出たかった!」とか「次回、前向きに検討したい」という、ご意見をいただけて嬉しかったです。町田くんがやってきたことが認められたというか、これまでちゃんと場作りをしてこれたんだな、という実感が湧きました。

江藤 今回の出演アーティストに興味がある方には、DIGLEのプレイリストも聴いていただけたら嬉しいです。有名楽曲をまとめてチェックできます!

――新しい体験として、来場者にはどのようにイベントを楽しんでもらいたいですか?

町田 会場で出会った音楽やコンテンツを、日常に持ち帰ってもらいたいです。もしかしたらそれが、人生に彩りを添えるかもしれないし。それで、多くの人に<SHAKE HANDS>の存在を知ってもらえたら嬉しいですね。その結果、コミュニティに人が集まってカルチャーが育まれたら、最高だと思います。

――最後に伝えたいことはなんですか?

町田 僕らがオモロイと思ったモノやコトを、ごった煮して凝縮したみたいな場ですが、面白いと感じていただけたら、本当に嬉しく思います。ライブも食もコンテンツも最高なので、全部見て回ってもらいたいです(笑)。

齊藤 フェスやライブハウス、クラブなどに普段は行かない人にも、遊びに来ていただきたいです。多くの人が自分なりの楽しみ方を見つけられるように、間口の広いイベントにしたいと考えています。

町田 興味や関心をシェアできる輪を、これからもどんどん広げていくつもりです。とにもかくにも遊びに来てください!

EVENT INFORMATION

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SHAKE HANDS – Unite the Community –

2018.11.03(土)
START 13:00 CLOSE 19:30
上野恩賜公園野外ステージ
ADV ¥3,500 DOOR ¥4,000

MUSIC
LIVE:環ROY、大比良瑞希、Emerald、Nao Kawamura、Mime、Namy&高橋あず美
DJ:Yon Yon、KUWA (MIXX BEAUTY/BYE CHOOSE)
Host Mc:MC Scarf(Scarf & the SuspenderS)

CONTENTS
ニュースタイルハッスル(ダンス)、サウナトラック、古着屋十四才、ひみつ屋、レンタルなんもしない人 and more

FOOD/DRINK
おでん、カレー、流しのビリヤニ、体験型コーヒースタンド C STAND、農家直送の食材絶品ハンバーガー、エディブルフラワー・ウォーター and more
※仕入れの状況にて変更になる場合がございます。

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