今、“読者モデル”という新たな表現方法に、注目が集まっている。読者モデルとは、自己プロデュースにより、ファッションやヘアメイク、そしてライフスタイルまでを、読者に見せていくモデルのこと。個性がより重要視される部分が、従来のモデルとの相違点だ。読者モデルの多くは、ファッション誌のストリートスナップ撮影などで編集部から声をかけられたのをきっかけに活動をスタートさせるケースが多い。
今回は、個性的でカジュアルなファッション志向を指す青文字系雑誌の読者モデルとして絶大な人気を誇る“シバサキ”こと柴田紗希に、9月16日(火)に発売した自身初のコンプリートBOOK『シバサキ』について、本作の見所や、制作期間を振り返った、今の素直な心境を語ってもらった。
Interview:柴田紗希
––––“読者モデル”になったきっかけは?
子供の頃からファッションが大好きで、ファッションに携わるお仕事に憧れを持っていました。高校時代よく読んでいた雑誌に『古着Mixガールズ』(学研より発行するファッション雑誌『mer』の前身)があったのですが、この雑誌で活躍する読者モデルのみなさんのようになれたらいいなって思っていて。具体的には、大学時代にアルバイトしていた地元名古屋の古着屋、flowerに『古着Mixガールズ』がスナップ撮影に来てくれて、それがきっかけで、東京での撮影にも呼んでいただけるようになったんです!
––––読者モデル活動を始めた頃はどんな様子でしたか?
せっかく大好きな雑誌の撮影に参加させていただけるようになったんだし、「名古屋から来た子」だけで終わらないように、何かを残さなきゃ! という気合が入っていました。撮影で着るお洋服やヘアメイクはすべてセルフ。なので、コーディネートを組むのにもすごく時間をかけていたし、その頃から、読者のみんなは、何が見たいんだろう? どうすれば役立つって思ってくれるかな? という点は、頭の中に入れながら撮影に挑んでいました。
––––名古屋から東京に上京してきて、瞬く間にコンプリートBOOKの発売まで至ったわけですが、出版が決定したときの気持ちは?
本のお話自体は、昨年の秋頃、まだ名古屋にいるときに、「来年はシバサキ本作ろうね」ってmerのスタッフさんから言っていただいていたんです。もちろん嬉しかったけど、なんだか実感が湧かなくて。今年の春上京してきたばかりで、自分としては“これから頑張って行かなくちゃ”と身を引き締めていたところだったので、こんな未熟で未完成な私が、本なんて出していいんだろうか!? って不安もありました。
––––BOOKの制作を通して、気持ちに何か変化はありましたか?
もっともっと成長していきたいって強く思いました。これからの自分の課題も見つかって……。例えば、自分から何かを提案することの大切さを身にしみて感じました。“読者モデル”って自分自身から発する個性とかキャラクターを知っていただいて、受け手の方に共感していただいたり、身近に感じてもらえる存在だと思うんです。それにはやっぱり、自分の“好き”をしっかり伝えていかなくちゃって! 今回の作品は、ひとつひとつに気持ちを込めて、妥協したくないと思って作っていったけど、何年後か今より成長している自分がこれを読んで「恥ずかしいな~!」なんて思えるようになっていたい。これから東京で頑張ろうって思ったきっかけになりましたね。
––––本を作る上で大切にしたことは何ですか?
私を支えてくれるみんなや読者のみなさんへ、感謝の気持ちを込めたかった! そして、Happyやほっこりを届けたくて、そんな気持ちをどうやって伝えよう?というところはすごくこだわりました。本の中で、“Happy”って言い過ぎでしょ!! ってくらい本当に何度もこの言葉が使われているんです。こんな未熟な私でも、人より自慢できたり、褒めてもらえることって笑顔だったんですよね。一番自分で自信が持てる“Happy”の表現は、大事にしてこだわったつもりです!