――アルバムの話に戻りますが、13曲目の“飛ベナイ鳥”。ミニマルなギター・カッティングから入って、徐々にディスコ・シンセやパーカッションに雪崩れ込むトラックがすごく面白いですよね。この曲ってライヴから派生した曲だったりするんですか?
最初はもっと「前に前に」出て行く楽曲だったんですけど、今回アルバムに入れるに当たってベース・ラインを見直したんですよね。そしたらすごくオトナな雰囲気になってきて、そういった「引き算」がうまくやれた曲だと思いますね。すごく凝ったサウンドですけど、どの要素もお互いを邪魔してないかなーと。
――また、童子-Tさんをフィーチャリングした“The outsiders”はかなり異色です。かつ英語詞にも挑戦されていますが、「アウトサイダー」というのは“そうありたい”自分なんでしょうか。それとも、アウトサイダー的なアーティスト達を俯瞰して見ていたり?
いや、「私はアウトサイダーズだぜ」という宣言ですね。色々な世界でたくさんの挑戦をさせてもらっているんですけど、そこにあるのは必ずミュージシャンとしてのシシド・カフカである…ということを忘れずにいますし、それがあるからこそ、そこで何が出来ますか? あるいは何をしましょうか? という話なので、“The outsiders”――よそ者だからこそやってやるぜ! という気持ちを歌にしました。
――このコラボはどうやって実現したんですか?
作曲の大島さんが、アレンジがすべて出来上がったタイミングで「ここにラップ入れてみようと思うんだけど、どう?」って提案してきて(笑)。私も英語詞だからその時点で遊んでるし、ラップ入れるのもアリだなあって思いました。それで誰にお願いしようか? と探していた時に、ダメもとで童子さんにオファーしてみようと。ディレクターが知り合いでもあったし、よくコラボレーションもやられていますしね。「あんまりロックに乗せたことないんですよ」って言いながらも、快諾してくれました。ラップの部分はもちろん童子さんが書いてくださってます。
――「デイドリームライダー」を「デイドリームライマー」で韻を踏んでいるところは、さすがだなと思いました(笑)。
そのへんはまさに童子さんの遊びゴコロですね(笑)。