2012年、私はSiMの ライヴを数多く観た。その年の彼らの飛躍は明らかだった。ライヴの動員はみるみる増していき、フェスやイベントでも、どんどん初見のお客さんを惹き込んで いくのが分かった。ステージングやプレイも、回を追うごとにスケールを増していき、自信が漲っていくのが手に取るように感じられた。会場の支配の仕方も覚え、それらは確実に彼らの<次の自信>を 生んでいった。そして、それはいつしか、小さいライヴハウスはもとより、大きなステージでも充分に似合い、遜色の無い頼もしさを放つまで発展していくこと となる。しかもそれらは、自身の音楽性や姿勢は全く変えず、いや、ますます研ぎ澄まし、奥深くさせていきながらも、更にポピュラリティを増させていったの だから恐れ入る。まさにそれは、彼らの凄さに多くの人が気づき、その音楽性に、「求めていた!」「待っていた!」と、多数の人々を飛びつかせた1年だったと言えるだろう。

そんな彼らが、この度ステージをメジャーに移し、より幅広い認知を得ることになりそうな、ニューシングル『EViLS』を発表した。これまでの彼らを踏襲しつつもキチンとネクストドアや進化、彼らの<次>をありありと感じさせる今作は、目まぐるしいリズムチェンジの中、自身のヘヴィさをキチンとポップに昇華した“Blah Blah Blah”、彼らの特性とも言える<背徳感>を、美しい毒にて描いた、レゲエパンクという自身の出自のネクストレベルを提示した“Same Sky”、そして、これまでライヴで人気の高かった、現在の彼らを如実に表したDOOMでヘヴィな、ライヴでも大人気の“f.a.i.t.h”を初収録。このEPを以て、更に多くの、そして幅広い人を魅了し、彼らの世界へグイッと惹き込むこと間違いなしな作品内容となっている。

そんな新作を発表した彼らを直撃。昨年1年間の飛躍と今作について、4人に思う存分語ってもらった。

Interview:SiM(SIN:Ba/MAH:Vo/GODRi:Dr/SHOW-HATE:Gt)

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_1-1

SIN

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MAH

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GODRi

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_6-1

SHOW-HATE

自分たちの音楽でも、世の中に多少なりとも影響を与えている。
そんな自信や責任感が芽生えた2012年だった

――去年1年間のSiMの飛躍は凄かったですね。僕も去年、イベントやフェスも含め、何度も観させてもらいましたが、ぐんぐんスケールアップしていくのが明瞭でした。

MAH 一昨年の秋に『SEEDS OF HOPE』(2011年10月発売の2ndフルアルバム)を出して、そこからかな、状況が変わったのは。中の“KiLLING ME”って曲がミュージック・ビデオになり、以降、急にみんなが興味を示してくれるようになりましたからね。それこそ夏フェスとかも、それまではほとんど呼ばれたことがなかったのに、去年は多く出させてもらったり、CDの売上もグワッと上がったり。正直当初は、自分たちもそれには戸惑ってましたよ。それが去年1年かけて、ようやく自分たちもその状況を受け止められたし、実感出来たって感じかな。

SIN 特に『LiFE and DEATH』(2012年5月発売の2ndミニアルバム)以降のお客さんの熱量は半端ないですよ。今では小さいライヴハウスだと、それこそ酸欠状態で。携帯の酸素ボンベを持ち込んでライヴしてますから(笑)。夏フェスでも凄く沢山のお客さんの前でプレイできたり。“ああ、俺らの今はこんな感じなのか…”、“きたな、俺たちも、ついに”って感じです(笑)。

GODRi 『SEEDS OF HOPE』の頃なんて、まだバイトばかりの生活でしたからね。とは言え、最近までバイトしてましたよ、音楽だけじゃ食べられなくて。そこから音楽を存分に出来る環境になってきて、なおさら気合が入ったというか。音楽で食べていく自覚、それから、俺らの音楽でも世の中に多少なりとも影響を与えている、そんな自信や責任感が芽生えた1年でしたね。

SHOW-HATE お客さんもだけど、自分も精神的に変わってきたところはありますね。『SEEDS OF HOPE』の頃は、ぶっちゃけバンドの雰囲気もちょっと悪い時期だったんで(笑)、その時のモヤモヤをサウンドやプレイにぶつけていたところもあったけど、『LiFE and DEATH』以降、段々と上向きになってきてからは、明らかに自分の中の意識も変わってきましたね。改めて、“音楽って楽しいな”“こいつらとバンドを演ってると最高だな”と思えるようになっていったというか。今はそれを踏まえて、より良い活動ができている自負はあります。

MAH とは言え、自分たちでも、まだちょっと信じられないところはありますよ。今、高校生とかで自分たちのコピーバンドが増えているという話も聞いたし。“そんなにか!? 俺たち”みたいな。ようやく去年になって、その辺りも受け止める覚悟が出来たかな。

――不思議だったのは、SiM自体は特に変わったわけでも、特別みんなに受けやすい楽曲を発表したわけでもなく、かえって自分たちの音楽性を突き詰めながらも、キチンとポピュラリティを得ていったところだったんです。

MAH 理由はちょっと分からないけど、みんながこっちに寄ってきてくれた感は凄くあります。だけど、それは先輩たちのバンドの恩恵もあるかなって。例えば、マキシマム・ザ・ホルモンやFACTが、僕らみたいなわりとエグ目の音楽でも受け入れてくれる土壌を作ってくれた、それもありますよ。

――ライヴでの音楽の放ち方も変わっていった印象を受けました。かつては、一方的に自分たちの音楽を放つだけだったものが、放った音楽に呼応するお客さんのエネルギーをキチンと受け止め、それをまた自分たちなりにフロアに返すエネルギーの交歓や共有が上手くなりましたよね。

MAH それはありますね。去年の夏前までは、投げた後のお客さんの、そのリアクションの大きさに驚いたり、戸惑っていたところもあったけど。去年の夏以降は、段々とその辺りの自覚も持てるようになって。ようやくお客さんを上手くコントロール出来るようになってきたかなって。あとは、俺のMCを真剣にみんなが聞いてくれ出したことにも驚いていて。そこにも自覚を持ち出しましたね。それまでは思い浮かんだことを適当にしゃべっていただけだったんですけど、“伝える”って意識がキチンと芽生え出し始めましたから。

SHOW-HATE 最近はMCでも、内容の濃い、むっちゃ考えさせられることを言ってますからね。ついついそれを聞いて自分でも色々と考えさせられちゃって。おかげさまで、次の曲に入るタイミングを見失うこともあったし(笑)。

MAH 発信している側の自覚に目覚めたというか。良い意味でも悪い意味でも変なことは言っちゃいけないんだなって。そこからライヴのやり方も変わっていったかな。あと、「今日が初めてのライヴなんです」って若い子も増えて。やはりそれらも含めて、会場を上手くコントロールしてあげる必要がありましたからね。

★インタビュー、まだまだ続く!
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