昨年、WACK代表の渡辺淳之介プロデュースによるソロシングル“CAN YOU WALK WITH ME??”を発表し、WACK所属グループのBiSH、EMPiRE、BiS、豆柴の大群、GO TO THE BEDS、PARADISES、ASPにそれぞれメンバーとして参加したAKB48の柏木由紀。
彼女が昨年末のWACKの投票企画「VOTE!! WACK SELECT 7」で選ばれたユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、月ノウサギ(GANG PARADE)、テラシマユウカ(GANG PARADE)、ハシヤスメ・アツコ(BiSH)、ヤママチミキ(GANG PARADE)、ユメノユア(GANG PARADE)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)とともに、アイドルグループ・SPY(SELECT 7 plus YUKi)を結成。シングル“あなたを狙い撃ち♡”を6月1日(水)に発売する。
このSPYでは、柏木由紀がWACKメンバーを全面プロデュース。“あなたを狙い撃ち♡”では作詞も担当し、爽やかで元気なアイドル像を形にしている。また、カップリングには、AKB48の代表曲のひとつ“大声ダイヤモンド”のカバーも収録されている。
普段は異なる場所で活動する8人が、事務所の枠を超えてひとつになったこのグループについて、メンバー全員に話を聞いた。
INTERVIEW:SPY
黄:ユキ・レイソレ(柏木由紀)/白:ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)/水色:月ノウサギ(GANG PARADE)/紫:テラシマユウカ(GANG PARADE)/青:ハシヤスメ・アツコ(BiSH)/緑:ヤママチミキ(GANG PARADE)/桃色:ユメノユア(GANG PARADE)/赤:セントチヒロ・チッチ(BiSH)
新しい一面を引き出す
「ザ・アイドル」というものへの挑戦
──昨年、柏木さんは渡辺淳之介さんプロデュースのソロシングルを発表して、WACKに所属する7グループにそれぞれ加入し、今回新グループ・SPYをプロデュースすることになりました。SPYでの活動を通して、メンバーのみなさんにはどんな魅力を感じていますか?
柏木由紀(以下、柏木) 前回、みなさんのそれぞれのグループに入ったので、グループとしての魅力はよく伝わってきていたんですけど、今回SPYで一緒に活動している中で、改めてみなさん個性が強い人たちだな、と感じています。MV撮影のときに汗をかきながらダンスを何回も踊って、みんなで映像をチェックしながら「あと何回」と声を掛け合いながらやりとりをしていって。その中で距離が縮まっていった感じがします。
ユイ・ガ・ドクソン その会話のときに、由紀さんも「疲れてる」という話をしてくれて「ああ、一緒だ」って思たんです。
柏木 プロデュースする立場なのでそんなこと言ってられないと思いつつ、どうしても漏れてしまって(笑)。でもそのときに、みなさんが「そうだそうだ」と言ってくれて、すごく安心しました。踊ってるときはみなさんが大変そうな感じが1ミリもなくて、全然分からなかったんですよ。なので、そこでだいぶ打ち解けた感じがありました。
ユメノユア 今回AKB48の振り付けを担当されている武田舞香先生が振り付けをしてくださったんですけど、私たちは普段、WACKのメンバーで振り付けを考えているので、いつもと違う環境下でのレッスンはかなり難しくて。その場で振りを覚えるのも必死でした。でも、柏木さんに「AKB48さんの中でも難しい踊りですか?」と聞いたら、「結構難しいと思う」と言っていただいて。「柏木さんでも難しいんだったら……!」って、すごく頑張ろうと思いました。
SPY「あなたを狙い撃ち♡」Music Video
──みなさん普段は違うグループにいるからこその話ですね。
柏木 普段は別のグループにいるからこそ、お互いにすり合わせていく感覚だったと思います。ちなみにその先生、AKB48の中でも一番振りが細かい先生なんですよ。
全員 へええ!
柏木 すごく可愛い振り付けをしてくださる先生で。だからこそ、難しくなるなぁと思いつつもお願いをしました。今回はとにかく「ザ・アイドル」という雰囲気のグループにしたかったんです。WACKに加入させていただいたときに、いつもと違うことをやったのが楽しかったし勉強になったので、今度は私が普段やっていることに寄せて、みなさんの新しい一面が引き出せたらいいなぁと思っていたんです。
──自分が引き出してもらったからこそ、今度はみなさんの新しい面を引き出したい、と。
柏木 まさにそうです。「私はこうだったけど、みなさんはどう思うんだろう?」って考えながら、今度は逆をやってもらおう、と思っていました。あとは、グループとして明るさや元気さも欲しいな、と。去年みなさんと一緒に活動したときに、その一生懸命さやがむしゃらさに、私自身がすごく刺激を受けたので。みなさんなら、ただ綺麗で可愛いアイドルではなくて、それにプラスして一生懸命な姿や元気さ、明るさのようなものも上手に表現してもらえるんじゃないかと。その点も大事にしたいなと思っていました。
──WACKのみなさんは、それぞれの個性を強く持っているイメージがありますね。
柏木 だからこそ、同じ振り付けにしても個性がでるなぁって思います。あと、初めて一緒にやったとき、AKB48との衣装の違いも感じたんです。丈も肌の露出も、色もそうで。そこで今回は「普段みんながあまり着ないような衣装を着てもらいたい!」と思っていました。今回のグループだからこそ経験できる、思い出づくりができたらいいな、と。
【MV/メイキング】柏木由紀プロデュース<SPY>のMV撮影に密着!
──なるほど。『週刊ヤングジャンプ』17号のグラビアもそういうイメージですか?
柏木 そうですね。爽やかでフレッシュなイメージで撮影していただきました。飾らない雰囲気というか、まっさらでシンプルなイメージで撮っていただけてよかったです。
月ノウサギ あのグラビアのときは、すごくナチュラルメイクで普段より素の姿を撮ってもらっている感覚があって、「本当にこれで出ていいのか?!」と思ったりしました(笑)。でも、そうやって素に近いものを出してみることって、自分のためにもなるし、すごく楽しいです。
セントチヒロ・チッチ WACKは普段がむしゃらに、可愛いというよりはかっこいい方向で活動するメンバーが多いので、本当に可愛いに振り切れているSPYは、私たちからしたら「アイドルというものへの挑戦」なのかな、と思っていて。みんな「とことんやってやろう!」と言っているので、別人格ぐらいのつもりで楽しんでやらせてもらっています(笑)。
──アイドルと言っても色々な形があって、それぞれの理想像がある中で、今回は柏木さんがプロデュースするアイドル像にみんなで挑戦してみよう、という感覚なんですね。
セントチヒロ・チッチ そうですね。去年WACKに来てくださったときの柏木さんも、どのグループに入っても違う表情、違う柏木さんになっていたので、それを見て私たちもやるべきことが見えた気がしました。今回はSPYのアイドルになりきって楽しんでます。
それぞれの個性あふれる
デビュー曲“あなたを狙い撃ち♡”
──では、デビュー・シングル“あなたを狙い撃ち♡”についても教えてください。柏木さんとして、最初に考えていた曲のテーマはありましたか?
柏木 SPYは投票で選ばれたメンバーで結成されましたけど、曲自体は結果が分かる前に作りはじめないと間に合わなかったので、「明るくて元気で、ライブで盛り上がる曲にしてほしい」と松隈ケンタさんにお願いをして、音源を先に仕上げてもらいました。その後、選挙でメンバーが決まってから私が歌詞を考えたんですけど、選挙当日のスピーチで(ユイ・ガ・)ドクソンさんが「みんながチャンピオン」と言っていたのがすごく印象に残っていて。それで歌詞にも、その言葉を入れることにしました。「アイドルって色んな形があって、それぞれのアイドルが正解でいいよね」という気持ちを、少しバカバカしく、可笑しな感じで書いたのが今回の歌詞です。
ユイ・ガ・ドクソン どのフレーズもかわいくて、最初に聴いたとき、すごくキュンとしました!
柏木 えへへ。
ユイ・ガ・ドクソン 《ちょっとだけのロマンス》という歌詞も可愛いし、他にも、個人的には一番好きなポイントなんですけど、《さぁ念入りにメイクして髪も整えて/鏡を見て『カワイイ♡』の呪文唱えるんだ》という部分は可愛い過ぎてキュンってしてしまいます。
柏木 ちょっとやり過ぎかな……とも思ったんですけど(笑)。まぁでも、これくらい意識が高いアイドルでもいいんじゃないかな、と!
月ノウサギ 1番と2番では《私がチャンピオン》になっているサビの歌詞が、ラスサビで《みんながチャンピオン》に変わっているのも、選挙のときを思い出してグッときます。
柏木 嬉しい。
──そもそも、柏木さんが作詞を担当するのはかなり久しぶりの経験ですよね?
柏木 そうですね。(WACKのプロデューサー)渡辺淳之介さんにも「歌詞を書くのは苦手です」と言ったんですけど、「それだけはやってください」と言われて逃げられなくなってしまって(笑)。それで今回は私が担当させていただきました。WACKのみなさんは、普段から自分たちが思っていることや感情を曲に乗せて伝えていると思うんですけど、そんなみなさんが、今回みたいにひとつのアイドル像になりきって歌うところを見てみたかったんです。私が普段AKB48でやっていることはどちらかというとそれに近いので、初めてWACKに参加したとき「こんなに自分の中から引き出しを出さなきゃいけないんだ」と思ったんですよ。そのままの自分を出すのって難しいなぁって。
──なるほど。
柏木 だからこそ、「じゃあ、逆はどうだろう?」と。私の場合、AKB48での普段の活動ではアイドルとしてのフィルターがあることで、ある意味、別人格のような「これをステージでやります」という感覚があったりもするんですけど、WACKのみなさんはいつもそうじゃないことをやっているからこそ、「どう感じるんだろう?」と思いながら書いていきました。
──レコーディングはどうでした?
ヤママチミキ 今回、レコーディングはグループごとにやりました。GANG PARADEはGANG PARADEのメンバー5人、BiSHはBiSHで集まって。
柏木 私はひとりでのレコーディングでした。WACKのレコーディングって、全部通して歌うんですよね。それで後からどこが自分のパートか分かる、という方法で。オーディションみたいな気持ちでドキドキしました。「上手く歌えたらパートがもらえる」みたいな。
ユメノユア ははははは。
セントチヒロ・チッチ ただ、デモをもらった時点で、月ノ(ウサギ)の声だけは入っていたんですよ。
月ノウサギ はい。私は最初に、みなさんに送るガイドを録らせていただきました。まずは“大声ダイヤモンド”から録ったんですけど、いつも緊張している私だけじゃなくて、普段は緊張しない(音楽プロデューサーの)松隈ケンタさんも緊張されていて新鮮でした(笑)。
セントチヒロ・チッチ (笑)。あと、そのガイドの時点で歌に月ノのクセが出ていたので、「ああ、これは自分のクセも出していいんだ」って思ったんですよね。
──なるほど。このグループはそれぞれの個性も出していい場所なんだな、と。
セントチヒロ・チッチ 自分たちの個性と、SPYのアイドル像が上手く共存できるように、意識して歌っていきました。たとえば、ヤママチの歌って普段すごいんですよ。
ヤママチミキ 歌のクセがすごくあって。でも、それを出さないと自分らしさがなくなってしまうので、出し過ぎはしないように、でも消すことは絶対にしたくない、と思って歌いました。いつもの自分よりも可愛らしさを意識してアイドルっぽさを気持ちでは持ちながら、ちゃんと「自分らしさ」「ヤママチミキが歌っている感覚」は残そうと思って歌いました。
──他のメンバーの歌声についても、新たな発見はありましたか?
ハシヤスメ・アツコ 声だけで「これはヤママチさんだ」とか「月ノちゃんだ」と分かるから、「すげえ」って思っていました。やっぱり、同じグループでもこれだけ個が強い子が集まっているから、曲でもバーン! と強烈にくるというか。
セントチヒロ・チッチ あとは、《『カワイイ♡』の呪文唱えるんだ》のユアちゃんの子供っぽい歌い方も印象的でした。そこがイメージと違って新しいのかな、と。
ヤママチミキ 私はチッチさんにもそういう部分を感じました。BiSHだとかっこいい曲が多いし、その中でもすごくストレートに、かっこよく歌っているイメージだったんですけど、「えっ、チッチさんの歌声めっちゃ可愛いじゃん!」って、すごく思ったので。
ユイ・ガ・ドクソン みんなギャップが生まれたというか。
月ノウサギ 私はチッチさんの歌のブレスが好きで、BiSHの曲もそこをすごく聴いちゃうんですけど、今回は自分も歌っている曲でそれが聴けちゃうのが嬉しいです。「チッチさんのブレスが私の前にいる!」みたいな。
全員 (笑)。
ヤママチミキ 普段は違うグループにいるメンバーが交わったからこそ、自分の後にチッチさんが歌っていたり、今までの曲とはまた違った感覚になって面白かったですね。
──柏木さんは、メンバーのみなさんの歌を聴いてどうでしたか?
柏木 今出来上がったものを聴くと、みなさんそれぞれグループも個性も違うのに、ちゃんとグループ感が出ていて上手くまとまったな、と。ひとりで描いていたものよりも遥かに良い、完成形ができた気がします。
セントチヒロ・チッチ「アイドルを好きになったきっかけ」
“大声ダイヤモンド”から生まれたグループとしての実感
──カップリングはAKB48の人気曲のひとつ“大声ダイヤモンド”のカバーですね。
柏木 普段は他のメンバーとユニゾンで歌っているので、この曲をフルでレコーディングするというのは、珍しくて。私は“あなたを狙い撃ち♡”の次に”大声ダイヤモンド“を録ったんですけど、やっぱり「歌い慣れているいつもの曲」という感覚でした。「自分はAKB48だな」と改めて感じつつも、早くみんなの声も聴きたい、と思っていました。今回は松隈さんがアレンジを変えてくださって、テンポを上げたり新たに演奏を加えていただきました。原曲のリスペクトもしてくださりつつ、そこにWACKっぽさを加えていただいて。
──SPYでのカバーはギター・サウンドが効いていて、よりロックっぽい雰囲気になっていますよね。そもそも、“大声ダイヤモンド”を選曲した理由と言いますと?
柏木 もともとAKB48の曲のカバーを入れたいとは思っていたんですけど、選曲のときに「チッチさんが“大声ダイヤモンド”からAKB48を好きになってくれた」という話があって「じゃあ“大声ダイヤモンド”にしよう」と決まりました。
セントチヒロ・チッチ “大声ダイヤモンド”は、私がアイドルを好きになったきっかけの曲なので、「自分がBiSHで活動していて、今回柏木さんのグループに入って歌うのってすごく意味があることだな」と、大事に歌わせていただきました。本当に幸せです。
SPY「大声ダイヤモンド<SPY ver.>」@AKB48劇場
【座談会】柏木由紀がプロデュースするSPYのメンバーと、新曲MVやAKB48「大声ダイヤモンド」のカバー曲などなど、振り返ってみました。
──せっかくなので、当時のチッチさんが柏木さんにどんな魅力を感じていたかも思い出してもらえますか?
セントチヒロ・チッチ 私は個別握手会に行ったりしていて、柏木さんの握手にも並んだことがあるんですけど、本当にめちゃくちゃ優しかったんですよ。ファンとして「自分を覚えてほしい」という気持ちがある一方で、そんなことはどうでもいいと思えるくらいに優しくしてくれて、「その日が一日いい日」と思えるくらいの経験になって。
柏木 へええ。よかった……!
セントチヒロ・チッチ そのとき、「ゆきりんって本当にアイドルなんだなぁ!!」って思いました。今は一緒に活動させていただいて、完ぺきなアイドルでありつつも、人間性も見えてきているのも嬉しくて。「可愛いな」「そんな顔してくれるんだ」と嬉しく思っています。
月ノウサギ (笑)。私たち7人と柏木さんの声が入っているのを聴いて、ふと「これってめちゃくちゃレアじゃない!」と思って。私たちを応援してくださる方にも、柏木さんのファンの方にも、どっちにも喜んでもらえるものになっていたらいいなと、ワクワクしています。
ユイ・ガ・ドクソン ライブでファンの方の声込みで聴きたいです……! さっき“大声ダイヤモンド”のコールがあるというお話を聞いたので、それも覚えたいなと思っています。
ハシヤスメ・アツコ 仮にライブでやったら、WACKのファンの方は「あっ、ここでコールするんだ!?」となるかもしれない(笑)。AKB48のファンのみなさんは当然のようにやってくださるかもしれないですけど。
全員 あはははは。
──事務所を越えて様々なメンバーが集まっているグループならではのいい話ですね。
ユメノユア 今回松隈さんがアレンジしてくださったので、原曲ももちろん素敵ですけど、よりロック要素が強くなっていますし、柏木さんがソロで歌っているのを聴いて、自分も嬉しくなっちゃいました。そこにWACKのメンバーが参加できたことも嬉しいです。“あなたを狙い撃ち♡”と比べると、このカバーはWACKの雰囲気が強いと個人的に感じているので、「SPYはAKB48とGANG PARADEとBiSHが混ざっているグループだ」ということが、色濃く出ている曲になったのかな、と思います。
ハシヤスメ・アツコ みんな別々のグループにいるメンバーがひとつになって、最初は「一体どうなるんだろう……?」と思いましたけど、同じ衣装を着て、同じ曲を歌ったときに「ああ、グループなんだ」ってちょっと実感が湧いてきて。そこでギュッとなった感じがありました。あと、これは去年からですけど、柏木さんのWACKでの名前(WACKネーム)がユキ・レイソレという。
──まさにWACKさんっぽい名前で。
柏木 はい(笑)。
ハシヤスメ・アツコ その名前にも、「ああ、来てくれたんだな……!」って感じました(笑)。
柏木 去年それぞれのグループに参加させてもらったときは、「明日WACKさんの現場だな。緊張するな」と思ったり、「これを準備しないと」と結構考えて向かったりしていたんですけど、今では、昨日の夜も「もう安心」という感じで、何も考えないでいいようになっていて。実はプロデューサーという意識も1ミリもないくらいなんです(笑)。去年はもともとあるグループに私がひとりで入っていく形だったので、緊張もしましたし、迷惑はかけられないな、と思っていました。でも、SPYはスタートが一緒で、それぞれが同じスタートラインではじめることができているので、私がプロデュースするというよりも、むしろみなさんと同じ立場で活動したいな、と。それがすごく安心感につながっている気がします。
ハシヤスメ・アツコ 私たちSPYの1期生なんです(笑)。
柏木 (笑)。今はすごく安心感がありますね。
──プロデューサーとしての柏木さんにはどんな魅力を感じますか?
柏木 それは本当に何もできてないので申し訳ないですけど……!
セントチヒロ・チッチ いえいえ(笑)。柏木さんを見ていると、「アイドルが好き」という気持ちがすごく伝わってきます。それは私たちも同じなので、私たちにもすごく気持ちが乗せやすくて。でも、何かを押し付けるわけでなく、柏木さん自身が「こうしたい」ということも伝えてくれていて、私たちも苦もなく活動できてます。
月ノウサギ 新しい道に導いてくれつつ、私たちが個性を加える余地も残してくれているというか。寄り添いながらみんなを導いて下さっているなぁ、って。
ユイ・ガ・ドクソン 優しい。
柏木 私も普段はプロデュースされる立場で、秋元(康)さんや渡辺さんにもプロデュースしていただきましたけど、アイドルにとって苦痛になってしまうのは、全部を決められてしまうことだと思うんです。たとえば、ダンスの振りは決めてくださったとしても、ちょっと自分なりに変える余地も残されていることって、すごく意味があるというか。今回私が衣装やダンスを決めてしまった部分はあるので、きっとみなさんの普段の活動と比べると制限が多かった部分もあるとは思うんですけど、その中でもきっとそれぞれの個性を出してくれるだろう、と信頼を置いていました。すべてを用意するのではなくて、「これだけは決まっているけれど、後は好きにやってくれたらありがたいです!」という感覚でやっていけたらいいな、と思っています。
──メンバーのみなさんと一緒につくっていくものにしたい、ということですね。
柏木 本当にそうです。曲を決めて歌詞書いて……という最初の準備はしましたけど、それ以降はやっぱりみんな同じ立場でやっていきたいなって。最初はこのグループがメンバーに「どう思われてるんだろう?」とずっと思っていて、歌詞に色んな思いを込めていたとしても、わざわざ話すのもおこがましいかな、と思ったりもしていました。でも、活動をしていく中でみなさんが楽しくやってくれているのを感じるので、ちょっとずつ安心しています。あとは、ファンのみなさんがどう感じてくれるかな、とドキドキしていますね。
──SPYでこれからやってみたいことはありますか?
柏木 まずはやっぱり、8人でライブをしてみたいです。人前に立ちたい。
月ノウサギ パフォーマンスしたい!
ハシヤスメ・アツコ ……持ち曲は2曲なんですけどね(笑)。何とか人前に立ちたい。
テラシマユウカ すごく贅沢な話になってしまいますけど、それこそ対バン形式でAKB48さんとWACKのグループと、SPYでライブが出来たらいいなぁと思ったりもしました。
全員 楽しそう……!
柏木 みんなそれぞれにグループがあるので、SPYがたまに集まって息抜きできるような場所になったらいいな、とも思います。それぞれの活動に重荷にはなりすぎないように気をつけつつ、でもたまに集まって、それぞれの活動とはちょっと違うことが出来る場所になったら最高だな、と思うので。
セントチヒロ・チッチ 企画ではじまったグループではありますけど、ぜひこの1回きりで終わるんじゃなくて、やりたいことを実現できていけたらいいですよね。頑張ります!
Text by 杉山仁
Photo by 中村寛史
INFORMATION
初回限定盤
通常盤
SPY
デビューシングル「あなたを狙い撃ち♡」
2022.6.1(水)発売
★初回限定盤(CD+Blu-ray)KICM 92114 ¥10,000(税込)
※初回限定仕様:三方背ケース、デジパック、48pフォトブック
★通常盤(CD Only)KICM 2114 ¥1,650(税込)
▼CD収録内容【初回限定盤・通常盤 共通】
新曲3曲+inst3曲 計6曲収録
M1.あなたを狙い撃ち♡
M2.大声ダイヤモンド<SPY ver.>
M3.EVERYONE is GOOD and BAD
M4.あなたを狙い撃ち♡(off vocal ver.)
M5.大声ダイヤモンド<SPY ver.>(off vocal ver.)
M6.EVERYONE is GOOD and BAD(off vocal ver.)
▼Blu-ray収録内容【初回限定盤】
①「あなたを狙い撃ち♡」Music Video
②「柏木由紀なりのWACK EXHiBiTiON and SELECT 7」@TDC HALL(2021.12.27)本編
▼封入特典【初回限定盤・通常盤 共通】
シリアルナンバー応募抽選券