僕にとって難しいのは大抵髪の毛なんだ。
セバドーのルー・バーロウに苦戦したのは覚えてるよ(笑)

――<Hostess Club Weekender>についてもお聞きします。そもそも、どのような経緯でこのイベントのアートワークを手がけることになったのでしょうか?

はは、これには始めに遡る繋がりがあるんだ! ロンドンでライヴを企画していたっていう友達が東京に引っ越して〈ホステス〉で働きはじめて、僕にこのフェスティバルのポスターのイラストを描いてみないかって聞いてくれたんだ。彼女には感謝しなきゃいけないことが山ほどあるよ!

――<HCW>のイラスト、およびデザインを約3年にわたって続けてきていますが、アーティストとして何かしらの“発見”はありましたか?

〈ホステス〉との仕事を続けることで、僕のキャラクターを書く能力は間違いなく向上したと思うよ。キャラクターの特徴を見つけてすぐにそれと分かるようにしつつも、僕のミニマルなスタイルを維持する方法をより学んだね。キャラクターによっては簡単だったり、他のより難しかったりするけど、いつも少しずつ上手くなっていると思いたいな。

――あなたが手がけた<HCW>の新作Tシャツ()が、もうすぐお目見えとなりますね。<HCW>と一緒に仕事をする中で、何かしらの「ゴール」は見つかりましたか? また近い将来、新しいプロダクトを制作する予定は?

【本邦初取材】Hostess Club Weekenderや高島屋のアートワークでもお馴染み、スティーヴン・チータム氏の素顔に迫る! interview150119_cheetam_t-1

去年、僕のキャラクターをビニール・フィギュアにするって話が出たんだ。僕の夢だよ! それからその話は出ていないけど、実現するといいな。

チータムさんの最新イラストがプリントされたオフィシャルTシャツは、2日通し券+Tシャツセット16,500円、各1日券+Tシャツセット10,500円にて発売中(既にチケットを購入した方には、Tシャツのみの販売もアリ)♪ いずれも1月22日(木)までの期間限定なので、お早めに!

――以前、「エビス様」を描くのに苦労したと聞きました。では、もっともイラストを描くのが難しかった出演者(ミュージシャン)は誰ですか?

ああ、そうだね、エビス様が難しかったのは覚えているよ。僕のキャラクターのスタイルに落とし込みながらも、「らしく」見せるのが難しかった。僕にとって難しいのは大抵髪の毛なんだ。セバドーのルー・バーロウに苦戦したのは覚えてるよ(笑)。難しかったって記憶が頭に残っている。カールやウェーブのある髪はいつも難しいんだ。

【本邦初取材】Hostess Club Weekenderや高島屋のアートワークでもお馴染み、スティーヴン・チータム氏の素顔に迫る! interview150119_cheetam_3

セバドーのルー・バーロウ(アー写中央)

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セバドーが出演した第6回目<HCW>のポスター

――<HCW>は会場が恵比寿→お台場→新木場と変化しているのですが、お台場開催時のフライヤーではガンダムのシルエットも描かれてましたね。自分が実際に見たこと/行ったことのない場所をイラストにする際、どうやってアイディアを固めていくのですか?

ガンダムは提案されて描いたんだ。僕がインスピレーションを得るための資料として、メールであのガンダム像や周辺の画像が送られてきたのを覚えているよ。いちばん最近の虹が背景になっているポスターは、これがちょうど第10回目になるから、どこかスペシャルなものにするべきだってことでああなったんだけど、虹のアイデアは僕のものじゃないんだ。すべてのアイデアを僕の手柄にすることはできないね、〈ホステス〉のチームは多いに助けてくれているよ。

――チータムさん個人のフェイバリットなミュージシャン/バンドは? 2014年もっとも愛聴したアルバムもぜひ教えてください。

僕の音楽の趣味はまあまあ広いし、色々な違ったジャンルが好きだから、1つだけ選ぶのは勿論のこと、幾つかに絞り込むのも難しいよ。とは言いながらも、僕は15歳くらいの頃からモグワイの大ファンなんだ。『カム・オン・ダイ・ヤング』(99年)を初めて聴いた時のことを覚えているよ、あれが僕の音楽の趣味をすっかり変えてしまった。あと、サン・キル・ムーンの『Benji』(14年)はよく聴いているよ! 素晴らしいアルバムだし、僕はマーク・コズレックの関わっているものほとんどの大ファンなんだ。

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