SuG流パンク=美しさ=ドキドキしたいだけ。
ドキドキしたいから挑戦する

––––ちょっと順番が逆になってしまいましたが……。タイトル曲の“CRY OUT”は、これまでシングルで出してきた重さとポップさの2極を上手くリンクさせた楽曲ですね。あと、重いものを重いまま感じさせない。非常に勝負っぽいシングルのように響きました。いわば、「これが今の俺たちだ!!」的な。

武瑠 まさに今作のポイントはそこで。「タイトルも“SuG”にしようか」と、言っていたぐらい。もう、「今回が新生SuGです」って言い切っちゃてもいいとさえ思ってましたから。「まずこの曲から聴いて下さい」って楽曲です、まさに。

Chiyu ホント、今後の新たな代表曲になっていくと思いますよ。その自信もあるし。

yuji さっきも言ったけど、「こういった曲で復活したいな……。」と思って作った曲だったんで、ようやくみんなに披露できるのも嬉しいですね。

––––ライヴ感がありつつ、作品的な構築感もある曲ですよね。気になったのは、ウワモノとの融合だったんです。バンドらしさがしっかり出ていたんで、正直シークエンス等が必要だったのか? との疑問があって。

武瑠 うちらの場合は打ち込みは必需ですから。あえて入れたところもあります。それを前提の上で、かつてと決定的に違うのは、ごちゃごちゃした部分とシンプルな部分をばっつり分けたところですね。がっつりとしたバンド感を基本に、印象的なところで打ち込みを入れて3Dに聴こえるようにしてみました。あくまでもバンドサウンドが主体の時は、一切ウワモノは鳴らさないという徹底具合でしたね。

【インタビュー】SuGがニューシングルを通して放つ、パンクとは、美しさとは music141106_sug_main

“CRY OUT”ジャケット

––––それはメリハリやドラマ性作りの為?

武瑠 それもあるけど、レコーディングより先に、けっこう自分ら映像を考えたりするんですね。そういった絵が思い浮かんだんです。だから、これまでみたいにずっと同期(シークエンス)が入っているわけじゃないんだけど、常に音の印象は厚い、みたいな。

––––激しい曲ですけど、美しさもありますもんね。それらが上手くメリハリによって引き出されてるというか。今回、資料には「パンク」というのがメインに置かれていますが、逆に私はこの曲に「美しさ」を非常に感じました。

武瑠 それを感じてもらえたのは嬉しいですね。それがテーマの一つでもあったし、僕の中では、「パンク=美しい」ですから。物を壊したり、衝動的なものをそのまま出すのが人間の美しさだと僕は思っていて。自分の思うSuG流のパンクは、こういった刹那や前向きな剥き出しの初期衝動というイメージから強く、その辺りを出したかったんです。イギ―ポップ(パンクの始祖と言われる、70年代アメリカのロッカー)にしても、筋肉ムキムキで、汗だくだくで、ボロボロなんだけど、やっぱり美しいし。片や銀杏BOYZのミネタさんのような衝動をそのままブチまけちゃうタイプの美しさ、あとやっぱり「パンク=美しさ」に直結するのは、“リンダリンダ”みたいな、汚いと表されるものでも、そこに生があって美しい、みたいなイメージからなんでしょうね。実際、高校生の頃は“リンダリンダ”をコピーしてましたから。それが自分の中で色濃く残っているんでしょうね。

THE BLUE HEARTS – “リンダ リンダ”

––––いわゆる、写真には写らない美しさ……みたいな。

武瑠 まさにそこです。歌うことで、なおのこと、その辺りがストレートに入ってきましたから。それはSuGの服の感覚のとおり、色々とデフォルメしたアクセサリー等をつけたり、デザインしたりしてますけど、芯は結局ドキドキしたいだけ、ドキドキしたいから挑戦する、みたいな。それが自分の「美しさ」の定義なんです。

活動休止期間に得たり、
改めて気づいたことを実践してみた、今回のシングル

––––“CRY OUT”はメロディも強いし、男性もシンガロング出来る曲ですね。

Chiyu デモの段階からほぼ完成状態でしたよ。それこそ、「そのままでいいじゃん」って言ったぐらい。なので元々楽曲が持っていたシンプルなカッコ良さをそのまま貫いてみようというのはありました。その分、バンドの土台を支えるベースを意識したし。音の出し方もピッキングの角度を変えたり、持ち方を深くしたり、それによって、芯が出るように意識しました。低音も出して、アタックもしっかりしていて、キチンとバンドのボトムを支える、それがベーシストの役割だなって改めて思いましたから、活休以降。それらも一旦活動休止をして、他のバンドに参加して得たものの1つでしたね。

yuji サビはシンプルだけど、力強い、そんなギターを意識しましたね。サビの部分はコード進行も音も、これまで以上に少ないんだけど、逆にここでガツンとしたところを表したいというのもあって。メロディもキャッチ―だし。実はこの曲、ライヴ感が出ているわりには、細かい所で細かいことを色々とやってるんです。例えば、Cメロのところではあえて聴こえるか聴こえないかぐらいにクリーンな音も入れていて。それによってノイジーさだけでなく、うっすらとした美しさも感じてもらいたかったし。

––––M-2.の“Nevermind”は、いかがですか? あっと言う間に終わっちゃう、激しくてスピーディな曲ですが。

武瑠 これこそライヴでがっつりやる為の曲ですね。間もなくスタンディングツアーがあるんで、それらに向けた曲を1曲入れてみました。歌もライヴをイメージして歌いました。

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