カラフルでバラエティーに富んだミュージシャン達がごったがえす韓国のインディー・シーン。日本でも数年前より「チャン・ギハと顔たち」や、今年日本デビューを果たした「ヒョゴ」などこのシーンへの注目度は年々高まっており、次はだれが日本へ進出するのか? なんて気になっている人もいるのではないでしょうか。

そんな中、前者バンドに続くように今回日本デビュー果たすのが、この「スルタン・オブ・ザ・ディスコ(Sultan of the Disco)」(以下、スルタン)というファンクディスコバンド。イギリスの<グラストンベリー>をはじめ、日本でも<サマーソニック>やライブハウス公演もしていて、そのインパクトありすぎるビジュアルとパフォーマンスで、韓国インディー・シーンに敏感な人はすでにご存知の方も多いはず。

12月7日(水)にはこのスルタンの魅力が十分に詰まったベスト版とも言えるミニアルバム『オリエンタルディスコ特急』がリリースされます。ベスト盤とはいえ全6曲中4曲は新たに編曲をしたり、プロダクションを変えたりしてレコーディングし直したという韓国ファンも羨む内容。

さらに一番注目したいのが彼等の代表曲でもある“Oriental Disco Express”の日本語バージョンが収録され、その歌詞をなんと綾小路 翔が作詞しているという(!)。綾小路 翔と韓国音楽といえば、韓国の大御所グループ「DJ DOC」の“Run To You”を日本語カバーし大ヒットを飛ばしたあの“アゲ♂アゲ♂Every☆騎士(ナイト)”が記憶に蘇る。今回のスルタン日本デビュー作が、その綾小路翔氏による日本語歌詞ということで、個人的にはさらにテンションが上がってしまうところ。

【Teaser】 Sultan of the Disco – Oriental Disco Express

そんな華やかな日本デビューミニアルバムをリリースする彼らへ早速インタビュー。日本よりもちょっと肌寒いソウルはホンデにある彼らの事務所で、今回のミニアルバムに収録された各曲への思いや選曲理由などを聞いてきました。

Interview:スルタン・オブ・ザ・ディスコ

【インタビュー】韓国インディー・シーンの一匹狼?スルタン・オブ・ザ・ディスコが日本デビュー作について語る interview-sultanofthedisco_2-700x468

スルタン・オブ・ザ・ディスコ メンバー

【上段左から】J・J・ハッサン(Dance/Cho.)、ナジャム・ス(Vo./Syn./Dance)、【下段左から】キム・ガンジ(Dr.)、ジー(B.)、ホンギ(G.)

——今回ついに日本デビューが決まりましたね。おめでとうございます! 今の気持ちはいかがですか?

ナジャム ちょっとずつ実感がでてきました。最初この話がきたときは「なんだ?」「なにが起きたんだ?」って実感がわかなかったけど、日本デビュー用の衣装を用意したりレコーディングをしたりと準備をしていくうちに、日本デビューをするんだなと実感が湧き始めてきました。

——ほかの皆さんはいかがですか?

ホンギ とても嬉しいですね。

ジー 一生懸命やらなきゃなって思っています。

ガンジ 僕もとても嬉しいです。

ハッサン 日本で<サマーソニック>やライブハウスなど何回かライブをしてきましたが、今回日本盤も作って衣装も日本用に用意していくうちに「あー日本でデビューするんだな」って感覚が徐々に沸いてきました。

【インタビュー】韓国インディー・シーンの一匹狼?スルタン・オブ・ザ・ディスコが日本デビュー作について語る ganji_g_hongi-700x433
ガンジ(左)、ジー(中央)、ホンギ(右)

——12月7日(水)には日本盤ミニアルバム『オリエンタルディスコ特急』が発売されます。このアルバムの目玉となる日本語歌詞の“Oriental Disco Express”は、歌詞を綾小路 翔さんがされています。皆さんは綾小路 翔さんや氣志團の存在はご存知でしたか?

ナジャム もともと綾小路さんのことは知っていました。初期のスルタンの衣装コンセプトを決める際に、氣志團を参考にしていた部分もあったので。氣志團はリーゼントですが、ぼくたちはリーゼントの代わりにターバンを身につけたりして。雰囲気が似ている部分があると思います。

——今回の日本語の歌詞については日本のレコード会社から提案があったんですか?

ナジャム はいそうですね。その話を聞いた時はとっても嬉しくて。そこからさくさくと話が進んでいった感じです。

——私はこの曲を聴いて日本語の発音がとても自然だったので驚きました。「ざ」の発音など韓国人には難しい部分も違和感がなくて、かなり練習されたのではと思いました。

ナジャム おおー! ありがとうございます。その部分はディレクションをちゃんと受けましたね。韓国でレコーディングしたんですが、日本のスタッフが「発音はこうして」「雰囲気はこういう感じで」って細かくディレクションしてくれて、その結果とってもかっこいい曲ができました。

——レコーディングで一番大変だったところはやはりその発音の部分でしたか?

ナジャム 発音もそうですが、発音と曲の雰囲気を一緒に表現することが一番大変でした。発音だけに集中するとなんだか堅い雰囲気になっちゃうし、反対に自由に歌っちゃうと発音が変になって日本語っぽくなくなっちゃったりするし。そこは何回も、何回も良くなるまでやりました。今までやったレコーディングの中で圧倒的にきつかったですね(笑)。

——今回ミニアルバムの収録曲はメンバー自ら選曲されたそうですが、全6曲それぞれ、どうしてこの曲を選んだのか、そしてそれぞれの曲への思い入れなどもあれば教えていただけますか。

ナジャム まず1曲目の“Oriental Disco Express”ですが、この曲はスルタンの1stアルバム『ザ・ゴールデン・エイジ』に入っていて、当時のスルタンのスタイルがよく反映されている曲なんです。アジアの雰囲気やディスコの感じ、あとロックなどいろんなカルチャーが含まれているところがポイントで、誰が聞いてもどんなジャンルを聞いていた人でも自然に聞けると思っています。もちろん曲自体いいものだと思っているので、これを今回のミニアルバムの一曲目にしています。

[Live] (Sultan of the Disco) – (Oriental Disco Express)

ナジャム 2曲目の“Tang Tang Ball”は最近のスルタンを一番反映している曲です。この曲はアルバムに入っていない曲でシングルだけでリリースした曲なんです。ライブでは一番ハイライトになる曲なのにまだアルバムに入っていないのももったいなく感じていて、なのですぐ2曲目にこれを選びました。