Interview

向井太一

photo by kodai kobayashi

     

オルタナティヴR&Bと括るにはJ-POPとしての強度も持つ音楽性。素を見せるというより、ビジュアルセンスや美しい写真を見たい人の多さを物語る、インスタのフォロワー数が4万人超えという数字。一つのイメージに固定できない、向井太一というアーティストは実に今日的な存在だ。

そして今日的なまま、向井太一はニューアルバム『PURE』で、よりシンガーソングライターとして、時として身もふたもないぐらい正直な言葉を紡ぎ、人間らしい悔しさや弱さもさらけ出す。そしてその傷つきやすい感性のままで、前に進もうとする。

これまでも制作を共にしてきたLUCKY TAPESの高橋海やmabanuaを始め、今回は☆Taku Takahashiや蔦谷好位置をCoプロデューサーに、さらにはKREVAが客演で参加し、ブラックミュージックをベースにした音楽性の中でもさらに細部の表現に最適なクリエーターが結集した印象だ。

一見儚げでクールな印象のある彼の内側で燃える強い意志。ニューアルバムのサブテキストとして、今の彼の言葉を届ける。

Interview:向井太一

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——1stアルバムの『BLUE』から今回の『PURE』に至るまでの期間に向井さんの音楽に一番影響を与えたもの言うと?

音楽っていうよりは、社会的なニュースだったり、あとは自分がそれに対して感じたことだったり。それを受けてファンの人たちがDMや手紙として想いを伝えてくれたりとかして、結構、前より考え込む時間が多くて。で、ま……あることというのは言いたくないんですけど、あることがあって、それに対してファンの人ですごく落ち込んでる人がいて、その時にいろんなアーティストがそのことに対してメッセージを発信していて。でも僕はそのとき何も言えなかったんです。社会的なことに対して発言するのがちょっと怖くて。

でも何も言えなかったことへのもどかしさみたいのをずっと感じていて。そういうのを音楽として表さないとミュージシャンをやってる意味がないなと思ったんです。だから今回は全曲そうなんですけど、より実際に自分が感じたことだったり、伝えたいメッセージをまっさらな気持ちで曲に表していこうっていうので、こういう作品になったんですね。だから実際に受けた言葉や見たもの、感じたことが作品に一番の影響を与えましたね。

——それはいきなりSNSで社会的なことを発信するということではなくて。

そうですね。昔は一つの情報だけで言葉にするのは怖くて。でも僕は誰かに対して何かを言ってあげられないのはやっぱ発信する側として嫌だなと思って、今回はそういう気持ちとか、そういうことを感じてる人に伝わればいいなと思って、書いた曲とかもあります。

——その感じは作品に表れていて純粋とか素直だけでなくて、社会問題系から恋愛系までかなりぶっちゃけてますね。すごく勇気を感じました。

もともと僕自身は近しい人には直接感情を伝える方で、友達にも「お前と友達でほんとによかったよ」って、本気で言っちゃうタイプなんです(笑)。だからやっちゃえば後悔はしないなって感じはあったので、やってよかったですね。歌詞の書き方もちょっと変わってきて、今までだったら絶対使わないような言葉だけど、自分の気持ちを表すとこういう言葉になるよねっていうのを素直に使ったり、そういう変化もすごくあると思います。

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——これは時代も関連した見方ですけど、向井さんの登場したタイミングは、いわゆるブラックミュージックをルーツにしてるシンガーソングライターの部分と、東京インディー的な部分と形容のされ方が分かれていて、本人の意図とは別にカテゴライズがあったんじゃないかなと思って。でも2018年になるとそれぞれのアーティストがそれぞれの存在感を打ち出しやすくなったように思うんです。

うん、確かに。それぞれの色がすごい分かりやすくなって、特に僕と同時期に出てきたバンドとかシンガーソングライターは、なんとなく役割分担が分かりやすくなってる感じはありますよね。

——この1年、ワンマンツアーやイベント、いろんなフェスもありましたけど、ライブからのフィードバックはいかがですか?

いや〜、すごかったです。フェスだと、今年も<サマーソニック>に去年に続き出させていただいたんですけど、出番がすごく早くて、しかも去年よりぐっと会場が広くなったんですけど、すごいたくさんの方に集まっていただいて。なんか不思議な感覚でしたね。「こんな早い時間から向井太一見に来るんだ」っていう(笑)。でももちろん嬉しかったです。着々と自分が種を蒔いてきたものが、芽が出てきてるなと感じられた1年なので、自分のやってきたことが自信にもなりましたし、なんか答え合わせしてる感じになります。自分が探り探りやってることが。

——ケラーニ(Kehlani)の単独公演のお客さんの前でやるライブはどうでした?

面白いのが、海外の人はものすごくノリが良くて、日本人の人はちょっと「おまえ誰だよ」みたいな(笑)。でも逆にそれが面白くて、どうやって振り向かせようかなとか考えて。最初が大阪で、2公演目が東京だったんですけど、東京でセットリストを変えたりしましたね。

——イベントも色々で、自分が知るところでいうとPAELLASやodolの企画イベントにも出演されていて、面白いなと思ってて。彼らも今年、カラーが明確になってきたアーティストですし。

確かに。PAELLASとかはそうですね。MATTONくんとも話してて、割と奥底にあるものは共通するものがあるというか、ジャンル的なのもそうですし、世代も近いのですごく嬉しかったです。odolはミゾベ(リョウ)くんが同郷なんで、そういう意味でも呼んでくれて嬉しかったですね。特に福岡で、その時のイベントはKing GnuとLILI LIMIT(4アーティストで)やっていて。東京で知り合った人たちがこうやって地元の福岡でやってるっていうのは、なんか「プロになったんだな」っていう気がしました(笑)。

——今回のアルバムでは、もちろんCoプロデューサーも大事でしょうけど、向井さんの中では一番何をやりたい、やらなきゃっていう部分が強かったんでしょう?

第一に最初に言ったようなメッセージを伝えたいっていうのと、前回までは割と同世代とか新しいプロデューサーを意識的にピックアップしてたんですけど、今回はほんとに僕が学生の頃から聴いてた方々ばかり新しく起用していて、とにかくエモーショナルな時間を過ごしましたね。学生の頃の自分に言ってやりたい、このクレジットを(笑)。っていうぐらい、ほんとに素晴らしい方々とやらせていただいて。まず、自分がこのステージに立ったのがすごい嬉しかったですね。

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——以前のインタビューで最近日本の90年代のR&Bを聴いてらっしゃるというのを読んだんですけど、その中の一つがm-floの☆Taku Takahashiさんだったり?

☆Takuさんもそうですし、Shingo.SさんもずっとR&Bをやられてますし、まさに! ですね(笑)。m-flo初期のLISAさんの時もですし、「Lovesシリーズ」も好きだったし、復活してからも聴いてるんで、ほんとに嬉しかったですね。聴き返すとむちゃくちゃ難しい歌だなと思って。これがヒットするってすごい(笑)。久しぶりに聴くとこんな難しいフロウだったっけ? とか思うぐらいなんですけど、でもすごい名曲だっていう。しかも☆Takuさんはいろんなハコで個人的にもDJとかやられてますし、m-floとして活動する上でも常に新しいものとか面白いものを発信し続けるっていうのは、なかなかJ-ポップシーンだと難しいと思うんですけど、ああいうことをやられてる方々が上にいると、すごく音楽するのが楽しみになるなと思います。

——“Break up”は☆Taku Takahashi節が満載ですよね。

まさに。でもあの2ステップの感じを古く感じさせないっていうのがさすがだなと思ったのと、あと、程よいポップ感というか、J-POPでありつつ、やっぱりいい意味でのエグみというか、新しいことをされてるというのはさすがずっとやられてる方だなと思いましたね。

——人選の希望は最初からあったんですか?

基本的に僕がお願いしたりとか。蔦谷(好位置)さんは「いつか一緒にやりたいね」って言ってくださってて、今回やっとご一緒できるようになったんです。大体の制作はデモを作ってからアレンジをお願いしたりするんですけど、「この人のアレンジ、絶対合うよな」と思ってお願いしてみたりとか。「ちょっとダメ元で聞いてもらっていいですか?」みたいな感じで(笑)、お願いしてます。

——Taku☆さんや蔦谷さんとやろうと思えること自体が、メジャー云々じゃなくて向井さんの気持ちの強さだと思うんですね。でもそれはシンプルに好きだからやりたいという?

完全にそうですね。あとは蔦谷さんもそうですけど、一緒に作り続けて、「これいいよね!」みたいなのが生まれた瞬間が嬉しくて、「これやってよかった」と思ってくださる仕事を僕もやりたいと思いますし、そういうのが生まれるような方達とやりたいなぁって思ってるんで。ちょっと質問の意図とは違いますけど(笑)、とにかく楽しいです、これをやることは。

——その蔦谷さんをCoプロデューサーに迎えた“Answer”にフィーチャーされているのがKREVAさんで。これはどういう順番で決まっていったんですか?

最初、蔦谷さんと作ってて、「これラップ欲しいよね」って話になって、僕も好きだったんですけど、親がめちゃめちゃ好きで、KREVAさんを。で、蔦谷さんはもともとKREVAさん繋がりがあったんで、「KREVAさんとかできないですよね……?」みたいな感じでお聞きしたら、その場で電話してくださって快くOKしてくださって。打ち合わせの時も、すごく僕の伝えたいことだったり、曲の世界観を理解してくださって。KREVAさんてヒップホップっていういわゆるマイノリティの音楽をメジャーシーンに持ってきたというか、クオリティを下げずにポップスにしたことがすごいことだなと思って。ラップで武道館をやり、フェスのヘッドライナーもやりっていう方って、ほんとにいないと思うので、そういうのは自分がしたいことに通じることだなと思いました。

——ああ、なるほど。

昔からずっと自分のビジュアルイメージと音楽性にギャップがあって、音楽性もちょっとクセがあってみたいなことをずっと言われてきたんで、どこかしら自分がほんとにこれをやることが正しいのか? とか、J-ポップとしてやってく上でこの音楽性はどうなんだ? とか、葛藤する部分はあって。でもそれを乗り越えて、しっかりと広めてるKREVAさんはすごくリスペクトしますし、今回ご一緒できて嬉しかったです。まさにこの“Answer”って曲の世界観にぴったりのリリックをいただきました。

——すごく硬い韻踏んでますよね(笑)。

いやー、すごい(笑)。なんか「強っ!」って感じなんですよね。

——ちゃんとVSな感じで来る人なんだなと改めて思って。

いや、ほんとに。僕はでもKREVAさんの上品さも好きです。完全にサグな感じでこないというか、ちゃんと愛のある感じとか、他の楽曲もそうですけど完全にDISしかないラッパーって苦手で、そうじゃなくてちゃんと人間味というか、愛のある感じはほんとに改めて大好きだなと思いました。KREVAさんとか、もっと前で言うと宇多田ヒカルさんとか、ブラックミュージックをJ-POPにするって、ものすごい力だと思うんですけど、それが自分がやりたいことだなって改めて思いました。

——ちょうど向井さんがそれを素直にやりたいと思うタイミングと、それを受け入れる時代的な土壌もシンクロしてきたのかな?と思います。

確かにやりやすくなってきたと思います。僕らが学生の頃とか10年前ぐらいは、どっちかというとJ-POPはダサくて、もっとジャンルがはっきりしてた頃はインディーの音楽がイケてるっていう変なプライドがあって、分かれてた時期だったんです。でもそれがだんだん崩れてきて、面白いことがやりやすくなったな、と。そういう前からいらっしゃる方が、新しいものを生み続けてるっていうのもあると思うんですけど。

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——例えば宇多田ヒカルさんの新作はずっと聴いてきてるから聴いてる人ももちろんいるけど、音楽的に新しいし、歌もすごいフロウじゃないですか?

歌えないですよね?(笑) すごいなと思います。あと、歌謡的な部分が『Fantôme』に比べて『初恋』の方が強いかなと思ってて、それも絶妙なバランスだなと。

——向井さんがやってることもオルタナティヴR&BとかインディーR&Bって形容されてる頃から聴いてる人も、無意識にポップスとして聴いてる人も両方いると思うんです。

そうですね。なんかそういう意味では僕のことをR&Bって言わなくなる時代まで来るといいなと思ってます。僕はJ-POPでい続けたいってずっと思っていて、一応、自分のジャンル的なベースではR&Bがもちろんあるんですけど、それを超えた、その時やりたいジャンルを自然に取り入れていきたいし、かつ僕は歌謡曲的な要素を含んでおきたいので、やっぱりJ-POPでいたいなぁっていう、そのバランスがすごく重要かなと思ってて。ポップスの部分と音楽的感度の高い人に引っかかるような両面。それはもうずっと言ってることなんですけど、ニューアルバムでもすごく意識して作りました。

——それは自ずと出ていると思います。さて、今回のストレートな物言いという部分で言うと、mabanuaさんがCoプロデュースの“Haters”の歌詞はタイトルまんまですね(笑)。

まんまですね(笑)。これすごくいろんな捉え方があるかなと思うんですけど、これをようやく言えるようになったなって感じです(笑)。もともと、僕、ネガティヴな気持ちも大きくて、それと同時にものすごいポジティヴでもあるみたいな。ネガティヴな力をポジティヴな力に変えるタイプで。ちょっと具体的なことを言うと、音楽的にすごくムカつくことを言われて、悔しい! と思う人がいて、その人をこう、思い出しながら書いたんですけど、その人が僕の音楽を聴きたくないと思ってても、自然に聴いてしまうぐらい言っちゃおう、と(笑)。攻撃をするわけじゃないんですけど、ちょっと悔しかったり、何くそって思う気持ちはすごい必要かなと思って。それも自分の純粋な気持ちだなと思って、今回入れました。

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——確かにネガティヴな気持ちがないと前に進まない部分もあるし。

もうなんであいつ売れてんのに、こっちはこんなに売れないんだと思ったりとか。あいつそんなに良くないだろ、みたいなのももちろんあるし(笑)。自分の音楽を一生懸命やってるからこそ、その悔しさも生まれたりするんですけど。

——mabanuaさんは向井さんの気持ちも受け止めた上でアレンジしてると思うんですけど、どういう会話がありましたか?

結構、サクサクやってくださって、「これめっちゃ面白いね」っていう話から。元々のビート感みたいなのはあったんで、それを元に。とりあえず僕からのお願いとしてはライブでちょっとお客さんと盛り上がれるような感じにしたいってことと、あとはこのビート感もありつつ、少し面白いギミックを入れて欲しいというものでしたね。

——ラブソング方面もストレートですごいなって言うのありますね。

生々しいですよね。

——“午後8時”は分かる人には向井さんのプライベートが分かっちゃいそうです(笑)。

報告書みたい(笑)。絶対、当事者はわかりますね。でもなんか僕、ずっと子供の頃からR&B聴いてたんで、R&BってLOVEをストレートに表すっていうのは、自然にあることで。“午後8時”みたいな曲を僕と同世代の近しい人で歌える人っていないんじゃないかな? と思う。僕はやっぱ、これを聴き続けてたぶん、そこはプライド持ってやっていきたいなって言うのはありますね。

——ソウル、R&Bでのラブソングって、ヒューマンドラマの映画の中にラブシーンがあるのと同じだと思うんですよ。

うんうん。

——“ポートマン”は男性が自分を「港」と表現するのが珍しいなと思って。

そうなんですよ。でも結構、この制作をしている時、周りにいた男性がみんな「港タイプ」というか港でありたいってタイプで。割とすぐ不安になるし、フラフラしそうになるんですけど、そこをどっしり構えられる男になりたいって願いも込めつつ、これはなんか日常にある幸せと、でもそれに対する不安みたいな、スレスレの感情みたいなものを歌っていて、幸せだけどどこか不安みたいなところですね。

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——その表現も強がりじゃなくて素直なのがいいですね。

僕自身、結構、女性的な恋愛観なんで。どちらかというと引っ張っるというよりは割とそのままナチュラルに自分の感情に溺れていくタイプの人間だと書きながら思いました。

——そういう意味でも、自分が思ってることを書かないといられないんじゃないか? っていう社会的なテーマがきっかけだったとは言え、それだけじゃなくて人として全方位出てるアルバムかなと思います。

ありがとうございます。そうですね。ドキュメンタリーみたいな(笑)。

——シンガーソングライターと称している人の表現が、誰の作品でもテンプレートだったら醍醐味がないですから。

ほんとですね。なんか誰かが言ってたんですけど、特にR&Bを歌う男性シンガーは自分のベッドシーンを見せてるのと一緒ってことを比喩的に言ってて、一番恥ずかしいとこを見せてるのと一緒って。確かにそうだなぁと。まさにそれをやりたいというか、表現したいなと思って作りました。

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——それにしてもこれだけいろんな背景を持ったCoプロデューサーとやってること自体が今年らしさを感じます。

そうですね。自分の感情の鮮度みたいのを大事にしてて、発信したいジャンルとかもそうですけど、リリースの回数が多いのもそういう理由もあって。自分の今したいことが半年後にはすごく古いんじゃないかとか、もうトレンドとして終わってるんじゃないかみたいなのもあったりとか。最近、サブスクリプションが普及したっていうのもあって、海外のアーティストもすぐシングル出したりとか、コロコロジャンルが変わったりするんですけど、自分が今、やりたい人とか、やりたいジャンルに対してすぐ行動したいんだなっていうのは、改めてこのアルバムのクレジットを見て思いました。

——そしてアルバムタイトルチューンの“Pure”ですけど、この曲で印象的なのは向井さんのボーカルがすごく強いっていうところで。女声コーラスでゴスペル的な面もフィーチャーされていて。

そうですね。前作でもそういう要素は使ったりしてたんですけど、今回、割と自分でも歌ったりしていて。

——ある種王道じゃないですか?

はい。リリックもめちゃくちゃストレートで。なんかやっと……今までも誰かを鼓舞する応援歌みたいなのはあったんですけど、自分が目をそらし続けていた部分にちゃんとメッセージを込めて、歌えたっていうのが自分の中であって、だからすごい大切な曲にしたいなって思う曲ですね。

僕は音楽をする上で、自分のことが好きになれたというか、昔はさっき言ってた、音楽的にもちょっと自信がなかったりとか、田舎の育ちだったんであんまり周りに友達がいなかったり、そういうのでどっちかというと閉鎖的な子供だったんですけど、音楽をやるうちにいろんな人が支えてくれたり、支持してくれたりとか、人が好きになったと同時に自分のことが好きになれて。で、そのことがもし今、自分のことで悩んだり、何か傷ついてる人たちが拠りどころになれるような曲になれればいいなと思って、この曲を作ったんです。

向井太一 / Pure (Official Music Video)

——そしてこのアルバムを携えて今までより長いツアーに出ますね。

そうですね。回る箇所も増えて今回は6箇所やります。ライブは曲が初めて完成する場所だと思ってるんです。誰かに伝えて持って帰ってもらって、初めてそこでより自分が曲に込めたメッセージを最大限まで広げていく場所かなと思っているので、早くツアーをやって曲たちを完成させていきたいなと思います。

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text by 石角友香

photo by kodai kobayashi

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PURE(初回限定盤)
2018.11.28(水)
¥3,000(+tax)

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PURE(通常盤)
2018.11.28(水)
¥2,315(+tax)

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“PURE TOUR 2018-2019”

EVENT INFORMATION

向井太一 “PURE TOUR 2018-2019”

2018.12.12(水)
OPEN 18:30/START 19:30
東京・マイナビBLITZ赤坂
特別指定(2F席):ADV ¥4,800/DOOR ¥5,500

2019.01.11(金)
OPEN 18:30/START 19:30
仙台・enn 2nd

2019.01.18(金)
OPEN 18:30/START 19:30
札幌・KRAPS HALL

 

2019.01.25(金)
OPEN 18:30/START 19:30
福岡・DRUM Be-1

2019.01.26(土)
OPEN 18:30/START 19:30
名古屋・伏見JAMMIIN

2019.02.01(金)
OPEN 18:00/START 19:00
大阪・BIGCAT

ADV ¥3,800/DOOR ¥4,500(1ドリンク別)

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