最初は適当に“高橋幸宏とクールファイブ”って言っていたんです
––––METAFIVEというのはどういう意味合いでの命名だったんですか?
いやぁ、それもけっこうユルくてね。最初は適当に“高橋幸宏とクールファイブ”って言っていたんです。
––––そんなフワフワな(爆笑)!
いや、これはマジメな話(笑)。打合せの後、メンバー全員でメールのやりとりをしていたんだけど、そこではクールファイブって言っていたんです。やってるうちにクールファイブはないだろうということになり、「じゃぁ、高橋幸宏とピチカートファイブでは?」って、「それは違うバンドでしょう!」とかね(笑)。
––––あまりにユル過ぎる(笑)。
さすがにバンド名はちゃんと考えようってことになったときに変則的なバンドだから、メタモルフォーゼ・ファイヴはどうだろうって話をしたらテイ(トウワ)くんがMETAFIVEがいいかもって言い出して。テイくんは文字をグラフィックで見る人でもあるので「METAFIVEは字面がいいですね」と。今回はテイくんがメンバーをまとめる役をやってくれていたことも決め手の一つかな。
––––予めきっちり企画が決まって始まったバンドだと思っていました。
そうでもなかったです。「一夜限りのライヴのオファーでこのメンバーが集まったんだから大サービスして80年代のテクノ、僕の曲を出来るだけ当時のアレンジでやってみよう」って思っただけです。そういう意味では結果的には企画色が強いかもしれない。それで僕が“BALLET”(YMOのアルバム『BGM』/1981年に収録)を当時のアレンジのままやりたいって言ったんですね。でも「ベイシックトラックを一から作るの大変だよねぇ」と。そうしたらまりん(砂原良徳)くんが「完コピしたのがあります」って言うんです。「え? もう出来てるの?」、「はい。あります」と。
––––“BALLET”の全トラックがですか!?
ええ。彼が趣味で完全にコピーして作ってました(笑)。
––––そこにも奇跡が! 砂原さん、さすがは超YMOマニアですね(笑)。
それとMETAFIVEは一回だけのコンサートのために結成されたんで個の要素が強く出ていますね。In Phaseはロック・バンドらしさが強いです。レコーディングのときからスタジオに来た人は出来るだけ唄うように、コーラスに参加するようにって言ったりしてバンドのサウンドに仕上げて行きましたからね。
––––『TECHNO RECITAL』は過程の中で奇跡が折り重なったライヴ盤ですね。
確かに(笑)。In Phaseは始めから映像も音もきっちり録るって決めていたから、それぞれの過程が全然違います。
『TECHNO RECITAL』OFFICIAL BOOTLEG TRAILER