––––The Floristには音楽的なキーワードとして「シューゲイザー」がありますが、そもそもはどんなことがやりたくて始まったバンドなのか、その目的を聞かせてもらえますか。

今村 何をやろうというわけではないけれど、今シューゲイザーみたいな音楽がピックアップされているじゃないですか。マイブラ(マイ・ブラッディ・バレンタイン)とかは実際に好きですし、僕らの中でシューゲイザーを決定づけたのは、そういう音を椎名くんが出せるということが大きいですね。

––––でも、The Floristを形成しているのはシューゲイザーだけではないですよね。それこそ、みなさんがやってきたバンドのエッセンスは含まれているんじゃないですか。例えば、STARBOARDとThe Floristには、「メロディアス」というポイントは共通していると思っていて。

今村 いいメロディーと歌を作りたいなとは思いますけれど、そこは割とバンドの流れに任せている感じですね。出来上がってくるものに自分が乗るというか。最初の頃は僕が持ち込むデモがかなりありましたけど、シューゲイザーはみんなで一斉に合わせて出来ていくところもあるし、スタジオで誰かが「こういう曲をやりたい」という話が出たら、そこからみんなで組み立てていきます。

【インタビュー】エモからシューゲイザーへ。STARBOARD今村寛之によるロックバンドThe Florist、待望の1stアルバムをリリース! interview140425_the-florist_0271-1

––––ヴォーカルパートの作り方はどうですか。

今村 曲に引っ張られた歌い方をしていますね。STARBOARDを聴いてくれていた人は、以前と歌い方が違うと感じるかもしれないです。レコーディングは研究というか、意図的に細く歌った素材を4つ重ねることで、透明感が増したり、歌以外もそうですけど、力一杯やればいいってものではないじゃないですか。以前はもっと勢いを出さなきゃと思っていた部分もあったけれど、今は上手く流れに乗せることを意識していますね。

次ページ:The Floristにとってのシューゲイザーの魅力とは