ウェイクフィールド出身のジャーマン3兄弟からなるザ・クリブス。通算6作目となる新作アルバム『フォー・オール・マイ・シスターズ』が3月25日(水)にリリースされた。

米ボストンの人気バンド、カーズのリック・オケイセックをプロデューサーに、また、共同プロデューサー&エンジニアとしてサム・ベル(R.E.M、サーカ・ウェーヴス他)を迎えて制作された今作はは、再びジャーマン兄弟による3人編成に戻ったザ・クリブスの魅力が最大限に発揮されたロック・アルバムとなっており、今春の注目リリースの1枚だ。

また、アルバムと同時にDVD付きの2枚組デラックス・エディションもリリースされ、このボーナスDVDには2013年12月に英リーズ・O2アカデミーで二夜に渡って行われた<クリブスマス2>ライヴに、ボーナス・コンテンツを加えた全27曲が収録されている。こちらには一時期正式メンバーとして加入していて、現在はソロでも活躍しているジョニー・マー(元ザ・スミス)が参加していることも話題を呼んでいる。

そしてこの度、ザ・クリブスのヴォーカル&ベース、ゲイリー・ジャーマンからオフィシャル電話インタビューが到着した。アルバムとあわせてチェックしてみよう!

The Cribs – “For All My Sisters”

Interview:The Cribs[Gary Jarman(Vo/B)]

ーーこんにちは。お元気ですか? この電話はポートランドから?

元気だよ。そう。今はポートランドにいるんだ。

ーーあなたがポートランドで、ライアンは今ニューヨークに住んでいるんですよね?

そうそう。ライアンは今もニューヨークにいるよ。

ーーポートランド在住のあなたとNY在住のライアン、曲作りの中心を担っているおふたりは現在どのように意思疎通して曲を作っているんですか?

なるべく会って曲を作るようにしてる。会って演奏して、一緒に曲を書くんだ。それが普段のやり方。でも、ロスはイギリスにいるし、最近はやっぱりそれが難しくなってきていて……前は一緒の家に住んでたから楽だったけど、今は何千マイルも離れたところにいるから、状況が違ってきてるんだ。だから今は、それぞれに曲を書いてアイディアを溜めてから集まるようにしてる。その分、他の2人がどんなアイディアを持ってくるかがすごく楽しみだし、こっちのアイディアを見せるのも楽しみなんだ。でも、やっぱり集まった時はかなり集中しないといけない。それぞれが違うアイディアを沢山持ってくるし、それを限られた時間でまとめないといけないからね。すっごく忙しい。フラストレーションも大きいし…でもそんなにハードだとは思わない。移動するのは苦ではないし、前一緒に住んでいた時は24時間ずっと一緒だったから、それぞれの毎日を過ごしながらたまに集中して曲作りをするっていうのは寧ろ良い事だと思うんだ。一緒にいるときは受けている影響も同じだったけど、今ば3人がそれぞれに違うものから影響を受けているぶん、それがバンドを成長させてると思うから。

ーーポートランドに住んでいる利点とは?

こっちに引っ越してくる前は、すごく気持ちが沈んでて……でもここに越してきて、そこから抜け出せたんだ。クリエイティヴになるためにはポートランドはすごく良い場所だと思う。ここに存在しているミュージシャン達のコミュニティはすごくアーティスティックだし、スティーヴン・マルクマス&ザ・チックスとか、クワージなんかは親友でもあるし、すごくインスパイアされるんだ。そういうミュージシャン達に囲まれていると、活動意欲が湧くんだよね。

ーー英語のアクセントも変わりました(笑)?

最初に越してきた時は、俺が何言ってるのかわからない人も多かったみたいで(笑)、でも長く住んでるから、アメリカン・アクセントとまではいかないけど、使う言葉はアメリカ英語になってきた。アクセントも、もうヨークシャー・アクセントじゃなくて、普通のブリティッシュ・イングリッシュに変わってきてるし。

ーー『フォー・オール・マイ・シスターズ』聴かせていただきました。近年のあなたたちの作品中でもとりわけポップなアルバム、1曲毎に磨き上げたソングライティングのアルバムという印象を受けましたが?

その通りだと思う。でもポップ・アルバムというわけではないんだ。コマーシャルな超ポップまでとはいかなくても、ポップの要素は常にあったしね。今までは、そのポップの要素をわざと壊している部分も確かにあった。今回はそれに比べてポップの要素が強くなっているんだ。でも、ポップ感のあるレコードってだけで、ポップ・アルバムではないけどね。

【インタビュー】ザ・クリブスにとって一番重要なのは“正直なサウンドであること” interview150402_cribs_1

『イン・ザ・ベリー・オブ・ザ・ブレイズン・ブル』ジャケット

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