<True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル) – 超ダイバーシティ芸術祭 ->。この<True Colors Festival>は、音楽やミュージカル、ファッションなどのパフォーミングアーツを通して、色とりどりの個性が出会う場であり、その出会いにより多くの気づきを生み出す日本財団主催のプロジェクトです。“True Colors=ありのまま”、“多様性”を軸に「観て・学んで・参加できる」多彩なプログラム/イベントが展開されていきます。

True Colors Beatsのイベントディレクター、 サンティアゴ・バスケスに聞く100名と作り上げる音楽ワークショップとは interview191000-truecolors2020-10

そして今回、<True Colors Festival>第2弾のイベント<True Colors BEATS 〜Uncountable Beats Festival〜>(以下、BEATS)が開催! 2019年10月22日(火・祝)、代々木公園野外ステージ・イベント広場にて実施される<BEATS>は、誰もが参加できるフリーライブイベントです。ライブには、アルゼンチンより女性シンガーソングライターであるフアナ・モリーナが来日! また大友良英、角銅真実、勝井祐二、YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)など、豪華アーティストが多数出演します。

この<BEATS>のイベントディレクターを務めるのは、南米・アルゼンチンを代表する打楽器奏者・作曲家であるサンティアゴ・バスケス(SANTIAGO VAZQUEZ)。彼は自ら作り上げたオリジナルのワークショップを世界各地で繰り広げていることでも知られる人物です。

True Colors Beatsのイベントディレクター、 サンチャゴ・バスケスとは?

10月19日・20日の2日間に渡り、イベント開催前に行われるサンティアゴによるワークショップには、<BEATS>ゲストアーティストも参加します。2日間のワークショップの成果は<BEATS>本番、代々木公園野外ステージにてお披露目されるといったプログラムです。ワークショップに参加するだけでなく、プロのアーティストと一緒にステージで演奏までできる、またとない機会 。一般の参加者はワークショップ前日まで募集しています。楽器ができなくても、大人でも子どもでも、誰でも気軽に参加してみては?

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アルゼンチン・ブレノスアイレスでのワークショップの様子

今回、Qeticでは<BEATS>のイベント&ワークショップをより楽しんでいただくために、アルゼンチンにいるサンティアゴさんにインタビューを実施しました。<BEATS>に向けたワークショップについてや、アルゼンチンでの“多様性”とは? などお話を聞いてみました。

INTERVIEW:サンティアゴ・バスケス

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Photo : 佐竹邦彦

──イベントディレクターとして参加される<BEATS>。サンティアゴさんにとってこのイベントはどんな魅力があると思いますか?

私にとって<BEATS>への参加はごく自然な成り行きでした。<True Colors Festival>は、多様な音楽性を受け入れる土壌が整っているイベントだという風に考えています。それだけでなく、文化や言語、身体、性別、年齢など、いろいろな背景をもった人たちが集まり、それぞれが自らを表現するフェスティバルだとお伺いしました。つまり一種の社会活動でもあるということですよね。私が参加する<BEATS>も、あらゆる個性が受け入れられる場で、参加する個々人が音を奏でて、その音が共鳴しあうことで何が生まれるのか、そういう発見のあるイベントになると思います。私も今からすごく楽しみです。

──サンティアゴさんはアルゼンチンをはじめ世界各国でワークショップを開催されていますよね。この<BEATS>に向けて、どんなワークショップを考えていますか?


今回は100名ほどの有志の方々とともにワークショップを実施する予定です。<BEATS>を開催するうえで私が目指しているのは、まさにイベントのコンセプトにもある“ありのまま”という部分。私がつくっているワークショップにはルールがあるのですが、そのルールのなかでならば、何をしても構わない。そうした自由の中から、参加している方々それぞれが“自分を表現するかたち”を発見できることを期待しています。これは<BEATS>のコンセプトでもある“ありのまま”という表現にも繋がってくるのではないでしょうか。

ワークショップには、プロのミュージシャンなども参加します。楽器がうまい人にはソロの役割、グループのなかで力を発揮できる人はそのなかでの役割……という風に、ルールを軸に参加者全員に役割が与えられ、その役割をそれぞれが自然な流れで、自分なりにこなしていけるようになるのです。最後にはそれがひとつの楽曲となりパフォーマンスとなる。夢中になっていくなかで「こんな自分もいるんだ!」、「こんな風にできるんだ!」という自己発見に至る瞬間も楽しめると思っています。今回の<BEATS>のワークショップでも、そういったそれぞれの“ありのままの自分を表す”という機会を見つけてもらえるはずです。

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アルゼンチン・ブエノスアイレスでのワークショップの様子

──ワークショップには独自のルールがあるのですね。具体的にどういったものでしょうか? ヒミツのルールでなければぜひ教えていただきたいです!

ワークショップの内容はすべて公開しているので、特に秘密はないんですが……(笑)。私のワークショップを簡単に説明すると、参加者全員でアンサンブルをおこない、即興で作曲していくもの。このワークショップでのルールは、私が作った“ハンドサイン”を覚えていただき、そのルールに従って演奏するということです。あとは自由に! サインを受け取った人がそれをどんな楽器、声、スタイルで演奏しても構いません。

──なるほど、“ハンドサイン”ですか! サインを覚えたら自由にやって良いとは一体どういうことですか?


これまでに私は、簡単なものから複雑なものまで全部で140個くらいのハンドサインを編み出してきました。今回のワークショップでは、そのうちの40〜50個のサインを使うことになると思います。指の形=サインは、例えば「リズムを繰りかえす」「フォルテシモ(ここは強く)」といったものから「ソロでアドリブ演奏」「あなたの楽器(グループ)はお休み」などがあります。アンサンブルの間で、その瞬間にあったサインをそれぞれに提示していきます。

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2018年に開催されたアンサンブルズ東京でのワークショップの様子

──中心でサインを出す=サンティアゴさんは指揮者のような役割ですね。サインをだす秘訣、ワークショップを成功させる大事なポイントとはどこにありますか?


そう、まさに指揮者ですね。指揮者としてサインを出しますが、参加者にただむやみにサインを出すことはしていません。ワークショップを実施する上で私がすごく大事にしていることは参加者を“知る”ことです。“知る”というのは、会話をして知るのではなく、参加者にまず自由な方法で音を奏でてもらい、そこからそれぞれの音楽的なバックグラウンドを知っていくわけです。私はそれらの音にただ耳を傾け、この人は演奏がうまいからソロパートを。この人たちはグループになって演奏してもらおう……など、先ほどお伝えしたように参加者それぞれに役割をつけていくのです。

──参加者それぞれの音を知ったうえで役割をつけていく、そこからのサインなわけですね。

そうですね。役割をつける前にもハンドサインの基礎となる4つのサインを覚えてもらいます。そこから自由に演奏してもらう……という流れですね。基礎のサインでアンサンブルをしてもらい、あるタイミングからさらにサインを増やしていって、そのサインのなかで参加者はそれを自由に表現していくのです。

【True Colors Beats出演】サンチャゴ・バスケスによるアルゼンチンでのワークショップ

──とてもおもしろそうですね。サンティアゴさんにとってもワークショップは創造の場であり、発見の場でありますか?

私にとって毎回のワークショップが発見の場です。指揮をするだけでなく、その場で同時に作曲もおこなっている感覚なのです。サインは譜面のようなもので、それがひとつひとつ繋がっていく。ワークショップのはじめは、演奏者ひとりひとりがそれぞれの音を認識しあうのですが、その意味を分かっていない。でも探っているうちに、突然その音の意味が分かる瞬間がやってくるのです。音の意味が分かると、さらに追求して、自分なりの解釈をしようと探っていくんです。演奏者が音として出したアイデアを今度は私が受けとり翻訳=サインにしていく……。みなさんの音を受けて、また私がサインを出していく、この流れが、即興で楽譜を書いていく感覚と一緒なのです。私ひとりの作曲ということではなく、みんなのアイデアが形づくられていく過程を「手伝う」と言ったほうが適切でしょうか。奏でられた音を私なりに解釈し、サインで応答して、コミュニケーションしながら全員でひとつの曲を作り上げていくのです。

──ワークショップには楽器や演奏が未経験な人が参加しても大丈夫でしょうか?

もちろんです。まったく音楽にふれたことがない人でも、音痴であっても、どんな方でも大歓迎です!ひとつのチーム型スポーツに参加する、というような気軽な気持ちで参加してもらいたいですね。全員おなじルールのもとで演奏するわけですし、上手な方は未経験の方をサポートしますし、未経験の方も簡単なパートのなかで充分楽しむことができます。得手不得手は問題ではありません。チームプレーであること、参加者の誰もが重要な役割であることが大切なポイントですね。

──サンティアゴさんの創作活動のなかで「ワークショップ」とはどういう場所ですか?

幸せを感じる場所ですね。音楽表現としても非常に大切な場ですが、それ以上に、さまざまなバックグラウンドをもつ人たちを理解するための重要な機会でもあります。ワークショップのなかで、参加者は「あ、今うまく自分を表現できた!」「うまくできなかった……」とそれぞれが実感しながら、徐々に自分を解放し、メンバーの一員であることを認識していきます。彼らの背中を押してあげるのが私の役割ですし、この活動を続けていくことが私の幸せでもあるんです。私はこのワークショップをやるために生まれてきたんじゃないかと思うほどですよ。

──改めて<True Colors Festival>について。“ダイバーシティ(多様性)”という言葉がありますが、日本ではまだ、この言葉自体を意識しはじめた段階にあると思います。アルゼンチンでは“ダイバーシティ”に関してどのように受け止められているのでしょうか?

アルゼンチンも日本と同様に、ダイバーシティを充分に消化し、文化として取り入れることが現在のところまだできていないと思っています。私の国では西洋の文化色はありますが、他国の領土だった経験もあります。なので、ダイバーシティという多様性や、自由について寛容になりきれないところがあるんです。もちろん、多様性が大切で求めるべき意識であると考えている人もいると思います。ただ残念ながら大半の人たちは、自分たちでも気づかないうちに 差別をしてしまっている、というのが現状です。いまアルゼンチンに必要なのは、国籍や性別、身体的特徴を問わず、誰しもに与えられるべき権利です。全人類がすでに気づいているんじゃないでしょうか。この“あたりまえ”を、もっと浸透させていかなければならないはずです。

ただ、気をつけなければならないのは「多様性が利用される」ことですね。先ほども申し上げた通り、たった200年前まで「自由」がなかったアルゼンチンは今でも貧富の差がはげしく、発展途上にある国です。多様性を理解しあう以前に「政治的な武器」として使われはじめている側面があります。そうなってしまえば、それは多様性の理解ではなく、洗脳と同じですから。これは間違った方向です。もっと人と人の間で意識をしあうことが大事だと思いますね。

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Photo : official

──そうですね、多様性というものを盾にするのは危険ですね。日本でも、人を思いやる気持ち」によって、多様性に対して意識が広がっていくと良いなと思います。

そうですね。私も何度か日本を訪れていますが、毎回感じるのは日本独特のホスピタリティです。どこに行ってもやさしく接してくれる方々ばかりでした。逆に、よくしてもらい過ぎて、戸惑うこともあったり(笑)。アルゼンチンでも外国人に対してとても丁寧に接する人たちは多いです。我々もすばらしいホスピタリティを醸成していると思いますが、どちらかというとラテン系といいますか、日本と比べもっとラフで開放的なスタイルです。日本人のホスピタリティの背景には、相手への敬意や尊重があるように感じますが、アルゼンチン人にとってホスピタリティとは期待に応えることができる、という“強い自負心”からくるものなんです。日本人もアルゼンチン人も、相手を知ることと、理解することが出来ればそのホスピタリティを含めて、ポジティブなものに変わっていくのではないでしょうか。

──この<BEATS>にもいろいろ人が参加する場になりますね。サンティアゴさんがおっしゃる「相手を知る、理解しあう」良い機会となりますね。

そうですね、そうなることを期待しています。本番の前のワークショップも2日間あるので、その時間でも多くの方とコミュニケーションが取れると思いますよ。ぜひたくさんの方々に参加して欲しい! 私たちがワークショップで作り上げたものを<BEATS>のステージでも発表するので、そこでまた多くの人に観てもらいたいですね。

──ありがとうございます。最後に<BEATS>に参加するみなさんやオーディエンスへメッセージをお願いします。

ワークショップに参加する方と出会うことはもちろん、イベントの詳細を聞けば聞くほど“音楽”の楽しみを存分に堪能できる場所なのだと、今からワクワクしています。ワークショップ、イベントと皆さんに会えるのを本当に心待ちにしています!

True Colors BEATS ~Uncountable Beats Festival~

2019.10.22(火・祝)

マーケット:12:00〜18:00

ライブ:14:00〜18:00

代々木公園野外ステージ・イベント広場

観覧無料、申し込み不要


LINE UP:
イベント・ディレクター サンティアゴ・バスケス
ゲスト・アーティスト(ワークショップ参加者とともにワークショップ、フェスティバルに参加)

ermhoi(エルムホイ)、xiangyu(シャンユー)、岩崎なおみ、大友良英、角銅真実、勝井祐二、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、高良久美子、芳垣安洋、フアナ・モリーナ、ミロ・モージャ
ゲストバンド:
YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)、Monaural mini plug(モノラルミニプラク)
ゲストDJ:岸野雄一

ゆずりあいエリアあり(車椅子をご利用の方、体の不自由な方、聴覚障害のある方、視覚障害のある方、補助犬を利用している方、小さなお子さまをお連れの方などのエリア)・インフォメーションでの手話通訳あり・筆談ボードあり・多目的トイレあり・有料駐車場あり・会場案内スタッフあり

マーケット
ちきゅうすくい、アーティストによる似顔絵コーナー(堀広道、しまおまほ、霊界似顔絵師境みなと、後藤友香、BZ Joint)、Gemarris Jewelry、ZAPOTECOほか
※雨天決行、荒天中止

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