北九州を拠点に様々なアパレルショップや飲食店、レコード屋などのショップへイラストレーションの提供、パーティのフライヤーやロゴデザイン等を手がけてきたウチダシュウヘイによる東京初の個展<DREAMS>が半蔵門・ANAGRAにて開催される。
本展ではウチダシュウヘイが日常の景色や夢で見た景色、自身の幼少期の写真等をもとにイメージを膨らませ、再構築して描いたペインティング作品を約30点ほど展示・販売。また地元北九州で親交の深いDJでありクラブ DJ BAR HIVEのオーナーDJ BGによる初のMIX CD(ウチダシュウヘイがジャケットを担当)、さらに北九州で人気のGramo Cofeeも出展し、コーヒーと合わせてコラボマグカップも数量限定で販売となる。
ここでは、個展<DREAMS>に向けてウチダシュウヘイのインタビューをお届けする。
Interview:ウチダシュウヘイ
——自己紹介をお願いします。
初めまして、ウチダシュウヘイと申します。北九州小倉出身で26年間住んでいましたが
最近東京に引っ越してきました。
北九州では地元の仲のよい友人、先輩のお店のポスターやパーティーのフライヤーなどに絵を描いたりしていました。
——作風について教えてください。
普段の生活で目にするモノや風景が見方によって別のモノに見えたり、これとこれを組み合わせたらいい感じだなとか、ここにこの色を置いたら気持ちいいなとか、そういうところから空想をして絵を描いています。あと僕は寝つきが悪くてほぼ毎日夢をみるのですが、幼少期に見た景色なのかわからないですが何度もでてくる風景や面白いシーンが見れた時は気になって絵に取り入れたりもします。
自分が見てみたい景色やモノを描いています。
描いてるうちに最初にイメージしたものと違うところに行き着くこともあって、それも面白いところですね。人からキーワードを与えられてそれに対して大喜利のように描くのも好きです。イメージを膨らませて描くのが好きです。
——なぜ、絵を描くようになったのですか?
小さい頃から絵を描く事が好きでした。ポケモンやゲゲゲの鬼太郎などのキャラクターから空想の生き物、風景写真の模写など、色んなものを描いていました。
小中学校にあがるにつれてだんだん他の物に興味はうつっていったんですが、絵は好きだったし割と褒められたりもしていたので、漠然と絵に関わる方向に進みたいと思い短大の美大に進学しました。入試試験で描いた脳みその絵を先生にボロクソ言われて自信を失って向いてないと思いデザイン科に移ってグラフィックデザインをやっていましたが、地元の周りの友人や先輩からは「絵いいね!」とか言ってくださる方が結構いて、それでちょこちょこお店のポスターやフライヤーに絵を描いてくれとか頼んでくださるようにもなりました。
——ご自身のスタイルに影響を与えたと思う人はいますか?
影響は色んなものや人や事柄に受けてると思います。例えば、スーパーマーケットでレジに並んでる時に 目の前のおばさんから美味しそうなガーリックの匂いがした時とか。そういうところからも影響はあるかなと思います。
高校の時の美術の先生にポップアート特集の本をもらって、ポップアートとかシュールレアリスムに興味を持ちました。
——好きなものを3つ教えてください。
つまむ系のものが好きですね。
DJミキサー
するめ
乳首
この3つですね。
——「日常の景色や夢で見た景色、自身の幼少期の写真等をもとにイメージを膨らませ、再構築して描いたペインティング作品」とありますが、内田さんはどのような幼少期を過ごしていましたか?
僕自身はあんまり覚えてないんですが母親や叔母が言うには 2歳か3歳の時には自分から絵を描いていたそうです。物静かであまり身体は強くなかったみたいですが、デパートなんかにいくといつも勝手に旅行会社にいって外国のパンフレットとかを持てる分だけ持って帰って家でそのパンフレットの風景を模写したり、一日中壺のカタログとかを眺めてたりしてみたいです。1人で楽しむスタイルだったみたいです。
地元が北九州のベッドタウンなんですが、小中学校の時には家の近くに干潟があって特に何もするわけでもなくそこにもよく行ってましたね。
面白い話があって、今年とあるお店の年賀状にイラストを描いたのですが、テーマが山だったので、山の山脈を亥という字にみえるような絵にしたのですが、それを親にみせたら、
幼少期に家族と鹿児島旅行にいった時に 桜島の山脈には心という漢字が書いていると僕が言っていてそれを今でも覚えてると言われたんです。僕は当然覚えてなかったのですが
その話を聞いて幼少期からあまり感覚が変わってないんだなと思いました。
——どんな音楽を聴いていますか?
普段、家ではSoundCloudとかBoiler RoomとかでDJのMIX、ラジオを聞いていることが多いです。
小学校の時は当時のJ-POPとか聞いてたんですが
中学生の時に友達にRöyksoppというアーティストを教えてもらって
浮遊感のある音というか、聞いたことのない音楽で、そこから
エレクトロニックミュージックに興味を持ちました。
そこから徐々にHouseやTechno、Electro等の音楽を知ってクラブにも
行くようになったのですが、2010年に福岡でDJ Harveyを聞いて
今まで自分が好きだったElectroなどにRockやDisco、Funk等の黒い音楽を
違和感なくMIXしていて、何か新しく聞こえて。それでRe-edit等を通じてRockやDisco、Funkなどの生音の音楽.、
今まで聞いたことのなかったCOSMICと言われるような音楽にも自分が好きなような音楽があることを知って
興味を持ち始めて少しずつ聞くようになりました。
Röyksopp – Eple
DJ Harvey at Decadent Deluxe
cos/mes – chaosexotica
Africane Suite – Africane Suite
Plastics – Delicious
Mort Garson – Mother Earth’s Plantasia
——好きな映画は?
映画、、、なんですかね。。。
12月公開のスターウォーズはとても楽しみです。
映画というか映像作品ですが
「Bruce Bickford – PROMETHEUS’ GARDEN」
これは見た時 相当衝撃でした。
こんな人が今の世の中に存在していることがビックリです。初めて観たのは山口県に一人で遊びにいった時にYCAMDOMMUNEというのが期間限定でオープンしていてそこで見ました。たまたまそのタイミングで遊びにいった時に会場で流れていたのがこのBruce Bickfordのクレイアニメで、家に帰ってすぐ調べてDVDを買いました。
まずこれを一人で作っているという熱量がやばいです。ドキュメンタリーも見たのですが夥しい程の数の人形があって、本人も人間離れしていて本当に狂ってるなと思いました。
ただ内容は物凄く人間的というか、人形の形もいびつで不気味なんですが、途切れることなく様々なものに移り変わって行く人形を見ていると全てのものが繋がっていて、いつか死んでもまた何かに生まれ変われるんじゃないかと思って安心します。
Bruce Bickfordの絵も素晴らしいです。
Art Zone Shuffle:Bruce Bickford
——他に挑戦したいアイデア・テーマはありますか?
特に新しいテーマとかは別に
ないですが今回の展示のタイトルが「dreams」であることからも夢には興味がありますね。
毎日絵にしたいような夢を見るわけではないですが、嫌な夢も含めて朝起きて一日を過ごすのに物凄く影響を与えていると思います。
いつか夢日記てきな感じで夢イラスト集みたいなのを出してみたいです。
あとは立体にも興味があってアクリル絵の具はどんな支持体にも描けるのでもっと色んなモノに描いていきたいですね。
——お気に入りの画材はありますか?
お気に入りというかいつも使っているのはリキテックスのアクリル絵の具です。
使っている理由は パッケージがカッコいいからですね。名前の響きもいいですね。
アクリル絵の具は色を上から乗せられて乾燥も速いので、絵を描いている途中に、やっぱりこうしようとかも、割と出来るのでいいですね。逆にコントロールするのが難しくて今でも苦戦してて、空中に向かってシネ!とか言ってます。笑
——いま、最も興味を持っているモノ・コトは?
スイミングですね。水の中に入っていると落ち着きますね。アトピーですが。
——今、やりたいことはありますか?
今というか、ずっと前からチャレンジはしていて納得いってなくてまだ完成してはないんですが、地元の仲の良い友達と本を作ろうとしていて、それを完成させたいですね。あるテーマについて描いてある本で 僕はイラストを描いてます。地元の北九州では色んな素晴らしい人達がいて音楽を作っている人や服を作ったり売ったりする人、文章を書いている人、何をやっているかよくわからないけど面白い人など色んな人がいるのでその人達と何かを作ったりするのは楽しいですね。
——10年後、どうなっていたいですか?
10年後ですか、なかなか想像できないですが、とにかく元気に楽しく人に優しくマイペースに生きていければと思っています。
いつも予想外の事が起こるので それはそれでどうなるかわからないので毎日をしっかりと生きていければと思ってます。
——読んでいる方に一言お願いします。
インタビューを読んでくださりありがとうございます。
普段自分のことを話すことは滅多にないので言葉足らずな部分もあったかと思いますが面白い経験でした。
今インターネットで色んものが観れると思いますが 実際に見るものとインターネットで見るものは良くも悪くも違うと思うので
お時間のある方は是非現場に足を運んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。