1999年、名古屋生まれのグラフィックデザイナー・naka renya。その作品を見てみると、無表情のまま大きな目を輝かせたキャラクターに引き込まれる。nakaはこれまでにさまざまなミュージシャンのアートワークを手掛けてきた。

そんなnakaが11月4日(土)から始まる水曜日のカンパネラのライブツアー<LET’S PARTY 4>のアートワークを担当。このライブツアーは、10月18日(水)にリリースされる水曜日のカンパネラの新曲“聖徳太子”のリリースパーティーだ。nakaの作品のルーツや、今回のアートワークにこめた思いを伺った。

INTERVIEW:naka renya

──まず、グラフィックデザインに興味を持ったきっかけを教えてください。

小さい頃からずっと絵を描くのが好きでした。でも、子どもの頃は本気で絵を仕事にしようとは思っていなくて、なんとなく絵が好きだなと思っているだけで。

その後、高校に入るタイミングで同級生とバンドを始めたんですけど、CDのジャケット、 ライブのポスター、フライヤーなどをデザインしなきゃいけなくなったんです。そこで、絵が好きだったので「僕がやるよ」って言って始めたのがきっかけです。やってみると、「デザインって面白いかも」「結構自分に向いてるかも」と思うようになりました。

───今も音楽に関連するお仕事をよくされているのは、そういったルーツがあるからなんですね。

そうですね。CDジャケットやフライヤー制作の仕事にすんなり取り掛かれたのは、バンドをやっていた時の感覚をすぐ共有できたからかもしれないですね。でも、高校生の時はもっと邦ロックっぽいバンドをやっていたので、今の絵柄とは全く違うデザインをしていました。

──今のような作風になったのにはどんな背景があるのですか。

今みたいな作風になったのは、2年前くらいかな。バンドは高校生から大学2年生ぐらいまでやってやめました。やめたきっかけは、僕がバンドサウンドよりも、クラブミュージックの方が好きになったからです。それで、作風も変わってきました。

クラブミュージックが好きになった頃から、東京のクラブミュージックのシーンにいる若い子たちとSNSで連絡を取っていました。東京にいっぱい友達ができて、もっとクラブの世界に飛び込みたいと思って、大学を卒業したタイミングで上京しました。僕のビジュアルデザインのイメージも、東京のシーンの方が合っているなと感じています。

──nakaさんの作品にはいつも可愛らしいキャラクターが登場しますよね。

昔からキャラクターが好きなんですよね。幼少期はポケモンが大好きで真似して描いていました。そのうち、色々な要素を組み合わせて、存在していないポケモンや新しいキャラクターを描くようになりました。

その延長上で、中学生の頃、授業中に自作のキャラクターを教科書に落書きしていたんです。そうしたら隣の席の女の子がめちゃくちゃ褒めてくれて、今でもよく覚えています。彼女は美術部で、学校で1番絵が上手い子だったので嬉しかったですね。デザインをするようになってから、当時のことを思い出して、またキャラクターを描くようになりました。

──nakaさんの描くキャラクターの性格や、キャラクターの暮らす世界には何か設定があるんですか?

性格というか、感情はあえてあまりわからないようにしています。嬉しそうにも見えるし、悲しそうにも見える、何を考えてるか分からないようにするように意識しています。でも、感情はないけれどロボットっぽい冷たさはなくて、温かみを感じるデザインにすることも心がけています。僕の中では、彼らはずっと寄り添ってくれる妖精の友達みたいな存在です。

僕のキャラクターが住む世界は「インターネット天国」です。自分の好きなものをごちゃごちゃとたくさん詰め込んだ絵を作りたいと思った時に、それって天国みたいだなと思ったんですよね。それで、僕の好きなゲームやインターネットのようなイメージと、天国っぽいお花や羽などのモチーフが混ざった世界になっています。

──鮮やかな色使いも特徴的ですよね。

色は特にゲームやインターネットに影響を受けています。現実世界にある色というよりは、画面で見て映える色が好きなので、それらの色を意識的に使っています。それに、今は多くの人がスマートフォンで何かを見るので、その時になるべくかっこよく見える色を使いたいなとも考えていました。

──今回、水曜日カンパネラのリリースパーティライブ<LET’S PARTY 4>のアートワークを手がけた経緯を教えてください。

水曜日カンパネラチームのスタッフの方からDMが来たのがきっかけです。もともと関わりがあったわけではなく、何の前触れもなく連絡が来たので、びっくりしました。打ち合わせの時に、「どこで知ってくれたんですか?」と聞いてみたら、少し前に出したキーホルダーをきっかけに知ってくれていたみたいです。

僕自身はもちろん水曜日のカンパネラのことは知っていて、詩羽ちゃんの雰囲気も僕の絵とすごく合いそうだなと思っていたので、連絡をもらった時は嬉しかったですね。

──<LET’S PARTY 4>のキービジュアルを作るにあたって、軸となったアイデアは何ですか。

真ん中にいる詩羽ちゃんをイメージしたキャラクターです。僕のキャラクターって、いわゆる「人」じゃないから、髪の毛もないし、口もないし、鼻もない。自分の絵でどう詩羽ちゃんを表現するかが、1番の課題でもありました。

詩羽ちゃんのメイクや髪型を色々な写真で見て、自分のキャラクターに落とし込みました。色合いも、僕の中にある詩羽ちゃんのイメージで、ビビットなピンクを使ってみました。

水曜日のカンパネラチームに送った時も「すごくかわいい」と言っていただけたのでよかったです。チームの皆さんと一緒に試行錯誤しながら作ることのできたデザインなので、楽しかったです。

──キャラクターの後ろにあるモチーフや文字もかわいいですね。

<LET’S PARTY 4>というイベント名を聞いて、ビジュアルからも「行きたいな」「どんなパーティーなんだろう」というわくわくを感じて欲しいなと思いました。パーティーに行く前のわくわくや高揚感って、子ども心に似ている感じがしたので、少し子どもっぽさのあるデザインを意識しています。

後ろに時計を描いたのですが、「時間を忘れてパーティーを楽しんでほしい」という気持ちを込めています。時間や周りを気にすることなく、詩羽ちゃんのパフォーマンスや水曜日のカンパネラの世界を楽しんでほしいです。羽は詩羽ちゃんのサインでも使われているし、天国っぽさもあるので僕の絵でもよく使うモチーフです。

文字の部分は1番時間がかかったところかもしれないです。僕はタイポグラフィを専門的に学んでいない上、漢字のデザインは特に難しいなと感じていました。色々試したのですが、今回はドットを重ねてゲームっぽさを意識しつつ、パッと見てわかるデザインにしてみました。

──キービジュアルの他に、グッズも制作されたとお聞きしました。どんなグッズを作られましたか?

作ったのは、ステッカー、パーカー、Tシャツ、キーホルダー、タオルです。キービジュアルで作った世界観をグッズに落とし込むにはどうしたらいいのか、チームと話し合って進めていきました。基本的にはキービジュアルで使ったキャラクターなどを使用しつつ、新たにキャラクターの顔がアップになったものやロゴなどを描き直しました。<LET’S PARTY 4>の会場や水曜日のカンパネラのオフィシャルサイトで販売される予定です。

──今回、アートワークを作るにあたって、nakaさんは水曜日のカンパネラの世界観をどう捉えましたか?

水曜日のカンパネラの楽曲って毎回すごく面白いですよね。歴史上の人物が登場するのに、めちゃくちゃポップで愛嬌があって、中身は現代的で。そんなギャップが面白くて聞いている人も多いと思います。

その上で、今回は水曜日のカンパネラのポップさや愛嬌を担っている詩羽ちゃんのビジュアルを意識してリサーチしました。詩羽ちゃんも僕のキャラクターたちがいる世界の住人だとしてもおかしくないようなビジュアルをしているなと思ってたんです。見た目はその人の感性によって出てくるものだと思うので、表面的なものだけではなくて、詩羽ちゃんの人間性を汲み取った上でデザインできたらなと考えていました。

──最後に、今後の目標を教えてください。

いっぱいあるのですが、目の前の目標で言うと、長編アニメーションを作りたいなと思っています。自分のキャラクターが動いているのを見たいという気持ちもあります。

長期的な目標としては、クラブシーンにいる同世代とクラブシーンの外側の人たちをもっと繋げたいです。最初にお話しした通り、僕はクラブカルチャーが好きで、VJやDJをしたり、ポップアップをしたり、よくクラブに通っています。そんな中で、絵を描いている子にたくさん出会うのですが、みんなまだ全然知られていないんですよね。逆にクラブの外で描いている人たちも、クラブの面白さを知らない。そういう人たちをもっとつなげて、みんなで盛り上げていけたらいいなと思っています。

取材・文/白鳥菜都

INFORMATION

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naka renya

1999年愛知県生まれ、グラフィックデザイン/キャラクターデザインを中心にDJやVJとしても活動している。ポップでユーフォリックでありながら不穏な危うさも同時に併せ持つ世界観と、ビデオゲームを想起させるキャラクターデザインは、ユースクラブシーンと空気感と同調しながら拡張してきた。これまでにtoiret status、e5、cyber milkちゃん、DAFTY RORN&CVN 、loli主語、水曜日のカンパネラなどの作品やイベントのアートワークを手掛け、2022年からは「AVYSS Meeting ART EXHIBITION」(Territory Gallery/東京)「orbital period」(OF/岡山) 「パーフェクトスター☆パーフェクトスタイル」(新宿眼科画廊/東京)などのグループ展に参加。また、大阪のヴィンテージ&セレクトショップMINERALより発売したキーホルダー「naka renya×fasnee・.^.・ PVC Key Chain」は100個が即日完売している。
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水曜日のカンパネラ

2013年からコムアイを主演歌唱とするユニットとして始動。メンバーはコムアイ(主演)、ケンモチヒデフミ(音楽)、Dir.F(その他)の3人だが、表に出るのは主演のコムアイのみとなっていた。2021年9月6日、コムアイが脱退、二代目として主演/歌唱担当に詩羽(うたは)が加入となり新体制での活動をスタートさせる。2022年2月にリリースした「エジソン」のMVが解禁後、SNSを中心に話題となり再生回数は5000万回を記録。ストリーミングの累積再生回数は1億回を突破した。
今年、4月26日には2nd EP「RABBIT STAR ★」をデジタルリリースし、5月3日には「RABBIT STAR ★」のCDをリリース。7月5日にはコカ・コーラ Coke STUDIOキャンペーンソング「マーメイド」をリリース。また、来年3月16日には水曜日のカンパネラとしては2度目、詩羽としては初の日本武道館での単独公演が決定している。
また、7月には映画『アイスクリームフィーバー』や日本テレビ系7月期ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』にも出演が決まり、音楽活動以外にも女優、モデルと活動の幅を広げている。

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デジタルシングル「聖徳太子」

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水曜日のカンパネラ
リリース情報:2023年10月18日(水)

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水曜日のカンパネラ RELEASE PARTY〜LET’S PARTY4〜

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●開催日
2023.11.04(土)福岡・DRUM LOGOS
2023.11.08(水)愛知・名古屋DIAMOND HALL
2023.11.15(水)東京・渋谷Spotify O-EAST
2023.11.17(金)大阪・GORILLA HALL OSAKA
2023.11.28(火)台北・Legacy Taipei

●チケット情報:
・前売 一般 ¥4,500(税込/整理番号付)ドリンク代別
・前売 KIDS ¥2,200(税込/整理番号付)ドリンク代別 3歳以上6歳未満 当日身分証ご提示お願いします
※大人1名につき、2歳以下お子様1名入場無料/3歳以上チケット必要。

●一般発売
・ぴあ https://w.pia.jp/t/wed-camp/
・e+ https://eplus.jp/wed-camp/
・ローソン https://l-tike.com/wed-camp/