古来より、人々の暮らしと文化を支える“川”。身近にある自然でありながら、日々の暮らしとの密接な関わりについて、あまり知らないという人も多いのではないでしょうか。そうした川をはじめとした流域の仕組みを伝え、経済活動と豊かな水と緑の保全の両立を行っているのが、“「SAITAMAリバーサポータズプロジェクト(通称:リバサポ)」”です。

今回、「リバサポ」のコーディネーター・株式会社スキーマの橋本健太郎さん(以降、ハシケンさん)が川の研究を深掘りするために、女性ソロアーティスト・xiangyuさんとともに埼玉県立川の博物館を訪問!

以前から川に興味があり、ぜひ勉強してみたいと思っていたというxiangyuさん。2021年5月にリリースしたドトール愛の詰まった楽曲“ミラノサンドA”は全国のドトール店内で9月から7時〜13時までの間、店内BGMとして放送。自身が主演を務める映画『ほとぼりメルトサウンズ』と主題歌“LIFE!”も公開されるなど、精力的に活動するアーティストです。

今回、Qetic編集部も川の博物館視察に同行! 館内を巡り、学芸員にお話を聞いてきました。その時の模様をフォトレポートでお届けします。

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川の博物館

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埼玉県立川の博物館、通称“かわはく”は荒川を中心とした埼玉の川、水と人々の暮らしとの関わりをテーマとした施設。3大シンボルの「大水車」「荒川大模型173」「大陶版画『行く春』」は全て日本一の大きさ! 通年で様々な展示・イベントも実施していて、大人も子どもも川の文化・自然を楽しみながら学べる参加体験型の博物館です。

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この日広報担当の若目田葉子さんに、丁寧に解説していただきながら博物館内を案内してもらったxiangyuさんとハシケンさん。施設には模型、スクリーン、放水実演などコンテンツも充実。実際に触れて、乗って、動かして、川での生活をよりリアルに感じながら1つ1つじっくりと楽しんでいました。

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さらに、当日は研究交流部長の大久根さんにお話をお聞きすることができました。地図や資料を見せていただきながら、熱心にお話を聞くxiangyuさんとハシケンさん。持参した愛書『日本の石ころ標本箱』も大活躍!

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今回写真で紹介させていただいた以外にも、かわはくには様々な展示・施設が目白押し。6月19日(日)までの『こんなところに、珪藻!』展示や、体験教室、実験、ゼミナールなど期間・単日限定イベントも多く開催されています。人々の暮らしや抱える環境問題についてなど、身近な存在である川をより深く、楽しく知ることができます。ぜひ、実際に足を運び目で見て、感じて楽しんでみてくださいね。

ハシケンさんが「リバサポ」を通して考える“川と文化”

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今回同行いただいた「リバサポ」橋本さん。「リバサポ」ではどのような活動を行なっているのでしょうか?

──「リバサポ」とは?活動内容について簡単に教えてください。

埼玉の豊かな川を育む自発的な活動が、県民・団体・企業の連携のもとで持続して行われるように、県が支援していく新規プロジェクトです。川との共生や川の魅力創出に向けた活動を活性化し、SDGsの実現を目指すのが、本プロジェクトの役割です。

──橋本さんが「リバサポ」に入った理由は?

川への想いは誰しもが持っていて、改めてそこに向き合うことで、新しい可能性が生まれると思ったからです。たとえば、荒川に思い出がある方々がいたとして、上流と下流域ではそれぞれ過ごしたものが別物です。そこをつなげることで今までにないコミュニティが生まれると思います。むしろ昔はそれがあって文明の進化とともになくなってしまったのかもしれませんが、今この時代、川に目を向けることで大きな可能性があると信じています。

──今後の活動予定や、注目しておいてほしいことなど教えてください。

リバサポでは、川辺を通じて様々な事業者さんをマッチングしていきます。川辺の情報はもちろん、いままでにない取り組みを紹介していくのでぜひWEBサイトやSNSを見ていただけたらうれしいです。川辺に真剣に向き合うことってなかなかないと思いますが、だからこそ、ご自身の目線で何かできるかを一度考えてみると新たな可能性は生まれると思っています。身近な川辺に足を運んでみて、感じるものを素直に発見していただけたらうれしいです。

「この川はどこまで続いているか?」
xiangyuさんが考える、川の魅力

──“かわはく”に訪れた感想をお聞かせください。

特に驚いたのは、もの凄く大きく精巧な荒川の模型です。川の全容が見えるので、自分では足を踏み入れられない場所や、平面の地図からは分からない部分が分かって面白かったです。あとは館内にある川を利用した木の運搬装置も分かりやすかったので印象に残っていますね。川の周辺って洪水などの災害の危険性があるから避けて生活する傾向があると思っていましたが、以前は暮らしに密接だったことがよく分かりました。

──xiangyuさんが考える川の面白さ、勉強したくなる魅力とは?

この川にはどんな生き物が住んでいるか? とか、この川はどこまで続いているか? から川への興味が広がっていった気がします。川のことを色々学んでいくうちに、そこからどんな人々の暮らしがあって、土地はどういった変化をしてきたかが分かる所が面白いなと感じています。川が暗渠化したり流れが人工的に変化する時はやっぱりその土地の変化と連動しているし、川を知ることで自分達の生活スタイルや暮らす都市について新たな発見があるなと感じています。

──川の研究の次のステップとして、どんなことを構想していますか?

川辺で石拾いをしたり、源流を探しに行ったりと自分の足を動かして川の周辺をウロウロしていたら、川によって落ちているゴミの雰囲気がだいぶ違うことに気付きました。同じエリア内の川であってもなんとなく違うので、これはその川の周辺の施設やそこで生活する人の差なのかも、と考えるようになりました。拾ったゴミからその土地の輪郭が見えてくるのに面白さを感じて、今はひたすら自分の足を動かし、川の周りでゴミを拾い集めたりしています。そうやってフィールドワークして分かったことを、作品としてアウトプットしたいと思い、今進めています。

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Photo by Kohichi Ogasahara
Text by Rina Tanaka
※取材は2021年9月、新型コロナウイルス感染予防対策を行った上で実施いたしました。

INFORMATION

埼玉県立川の博物館

休館日:
月曜日(祝日・振替休日・県民の日・夏休み期間は開館)
年末年始(12/29~1/3)

営業時間:
通常期 9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで

埼玉県立川の博物館(かわはく)

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xiangyu

2018年9月から活動開始。 読み方はシャンユー。 名前は本名が由来となっている。南アフリカの新世代ハウスミュージック、GQOM(ゴム)のエスニックなビートと等身大のリリックをベースにした楽曲で関東を中心に勢力的にライブ活動を行なっている。
また、音楽だけでなくアート活動や社会貢献活動など社会に対して様々なカタチでアプローチし続けている。

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