シリーズ累計60作品を超える大人気コンテンツ『日本統一』のスピンオフ作品が、初の映画化決定。その主役は本家の氷室蓮司(本宮泰風)、田村悠人(山口祥行)、川谷雄一(小沢仁志)ら……ではなく、なんとシリーズ屈指の人気を誇る個性派集団「山崎一門」だ。
9月23日公開の『劇場版 山崎一門~日本統一~』では、傷害の容疑で逮捕された氷室の無実を証明するため、山崎一門のメンバーが奔走するストーリーがスクリーンで展開される。本家同様に監督は辻裕之、脚本は村田啓一郎、そして総合プロデュースは本宮泰風。出演は山崎一門に加えて、本宮・山口・小沢らが脇を固め、ゲストには『七人の秘書』の大高洋夫、元たこやきレインボーの清井咲希、『修羅の世界』の明樂哲典らが登場する。
【公式予告編】映画『劇場版 山崎一門~日本統一~』9月23日より順次公開!
また、もうひとつのビッグサプライズは映画の主題歌を山崎一門が自ら歌うことで、誕生した至極の男泣きバラードのタイトルは“男の貧乏くじ”。さらにそのプロデュースを務め、不器用な男心を吐き出す歌詞を書き下ろしたのがあの秋元康だというから驚きだ。
今回は、“男の貧乏くじ”の歌唱メンバーを務めた北代高士、舘昌美、中澤達也、本田広登、川﨑健太、小手山雅に、当日同席していた岸田タツヤを加えた山崎一門が登場。映画化の経緯や撮影エピソードから、主題歌に込めた想い、ミュージックビデオの裏話までたっぷり語り尽くすインタビューに。画面に映る姿とのギャップと、言葉の端々にほとばしる熱さに触れ、山崎一門が本家よりも先に映画化されるに値する存在だと確信した。
INTERVIEW:山崎一門
(北代高士 × 舘 昌美 × 中澤達也 × 本田広登
× 川﨑健太 × 小手山 雅 × 岸田タツヤ)
今までやってきたことの延長線上
ドッキリかと思った映画化と主題歌
──いやーすごい迫力ですね。岸田さんがいらっしゃるうちに(この日は途中退席)、映画全体のお話からお聞かせいただければと。まずは何と言っても本家の『日本統一』が映画化される前に、まさかのスピンオフ作品として山崎一門主演で初の映画化となったわけですが、その知らせを最初に聞いたときは率直にどう思いましたか?
北代高士(以下、北代) やっぱり最初に思ったのは、「本編が映画化されていないのにやっていいのか?」っていうところで。本来であれば主演のおふたり(本宮泰風&山口祥行)がまずやるべきものを、俺たち後輩に託してくれたので、その分の期待にも答えなきゃいけないし、とにかく一生懸命やるしかないっていうのはみんなで話しました。
舘昌美(以下、舘) 最初、僕らは怒られることがあって集められたと思ってて。実際そういう内容もあったんですけど、最後にさらっと「じゃあ山崎一門の劇場版やります」って言われて、「え、え!?」みたいな。本宮さんも「いいんじゃない」みたいな感じから始まったので、僕らはずっとドッキリやと思ってましたから。
北代 それこそ主題歌もそうですけど、「これはどこまでが本当なんだ……」っていうのは常にありながら、でもそれがもし実現したらうれしいねっていうことが実現していったので。感謝の気持ちは全員があると思います。
本田広登(以下、本田) 何せびっくりすることが多いんですよ、本当に。
北代 ただ俺らが頑張んなきゃって気合いを入れているときに、泰風さんとかは「なんかあったら俺がちゃんとケツ拭くから、お前らがやりたいことを思いっきりやれよ」とか声をかけてくれたんですよ。
──カッコいい……ただそれすらもドッキリのフリのように聞こえますね。
北代 そうですね、でも本当だったのでそういう言葉がどんと響きました。氷室の言葉であり、泰風さんの言葉はやっぱりすごく心に刺さるので。それもあってみんながついていくんだなっていうことを改めて感じました。
──映画化に加えて主題歌も、となるとより信じられない気持ちはあったかと思います。
北代 いやもう秋元康さんの名前が出たときは、「冗談ばっかり言って」と思ってましたよ。
舘 みんなで帰りながら言ってましたからね。会議で真面目に「みんな頑張ろうな」とか言いつつも、(エレベーターで)下に降りた瞬間、「……ほんまかな!?」みたいな。実際、撮り終えるまでずっと思ってましたよ。
──そんな先輩方の様子は、若手の川﨑さんや岸田さんの目にはどう映りましたか?
川﨑健太(以下、川﨑) 先輩たち? この中の?
舘 いや先輩と思ってないもん。
川﨑 フフ……でも自分も同じぐらいびっくりしてたので一緒っすよね。同じ感情でしたよ。
岸田タツヤ(以下、岸田) それで言うと僕は一番新しく入ってきて、次の撮影がいつかも、まずみなさんの話から知るんですね。それで今回も映画をやるらしい、主題歌をやるらしいっていう情報は流れてきて、みなさんは知ってると思ってたので、実はそうだったと知って僕はびっくりしました。ただ先ほども仰ってましたが、主演のおふたりが先に映画をやるべきっていうのはもうおっしゃる通りで、ビジネス的にもいろいろあると思いますが、それを超えた作品への愛とか、山崎一門のメンバーを育てていくっていう想いとかを今回はすごく感じましたね。
川﨑 ……これがお手本ですか。
(一同) ハハハハハ!
北代 お前の発言はなかったことにしとくか。
舘 最後に「そう思います」って言っておけば大丈夫やから。
──フフ……映画の撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
北代 本編をずっと撮っているスタッフさんがそのまま入ってくださったので。劇場版でより頑張ろうという気持ちはありつつ、いつもと変わらないアットホームな雰囲気っていうのは現場にありました。そういう意味では、今までやってきたことの延長線上で一生懸命やるっていう感じでしたね。あとはそれぞれのキャラクターの個性は出しつつも、やっぱり俺らは後ろに何千何万の部下たちがいる組長とかの役だから、その部分の貫禄みたいなものは潰さずにやることは意識しました。俺らこんな感じなんですけど、みんなで公民館を借りて稽古したりするんですよ。
──真面目! そういうエピソードはファンにとって意外でしょうね。
舘 もう一座みたいなもん。山崎一座。
川﨑 もはや劇団っぽいですよね。
舘 あと山崎一門の外伝があった上での劇場版ですし、それぞれが自分の中でキャラクターを模索してきたものを、いっぺんに出せるような脚本を書いてくれていたんですね。なので劇場版では山崎一門のひとりずつがいい具合に立ってると思いますし、それを観たときはこれまでスピンオフで頑張ってきてよかったなと思いました。それこそ最初に山崎一門でスピンオフをやるって言われたときの方が、けっこうプレッシャーはありましたね。
岸田 それで言うと僕なんかは2年前ぐらいに加わらせていただいて、みなさんのいろいろな変化を目の当たりにしてきたんですが、例えば(川﨑)健太はもっと華奢だったけど、今は筋トレとかして変わったんですよ。
川﨑 そうですね。泰風さんに教えてもらったりして。最初のころは華奢でヤクザっぽくないって言われてたんですよ。 それを含めて泰風さんには「俺がパスを出すから、あと考えるのは自分だぞ」ってことを言ってもらっていて。
本田 健太は真面目なんですよ。健太の演じている山村はアニオタキャラだからっていうので、プライベートでアニメを観まくってたら好きになって、今では本当にアニオタへ近づいていってる。
川﨑 毎クール、いろいろなアニメをチェックしてます。
舘 アニメのセリフをぶち込みたくて相談されるんですけど、僕は全然アニメ知らんから「うーん、どうなんかな」みたいな感じで。でもええと思う! みんながいろいろなことを考えて役を作っているので。
小手山雅(以下、小手山) たぶんほかの現場とかに比べたらアドリブとか監督に聞きに行くとかが多いし、監督もそれをけっこう受け入れてくれるので。それこそ本田さんのゴリラキャラだったら、小道具でバナナ買ってきて食べてみようとか。今回の劇場版で石沢(本田)と虎(小手山)は一緒に動くことが多かったし、もうちょっと関係性を出したかったので、ふたりでいろいろ考えて監督に相談したら「好きにやって!」と言ってもらえました。
舘 監督は一切NOって言わないからね。
北代 Vシネのひと癖もふた癖もある方たちをまとめることに関して、辻さんって本当にすごいなと思います。 Vシネってイレギュラーなことが起きるんですけど、それでも常にそのときのベストを選んでうまくまとめてくれる。 今回の例えばラストシーンとかも、監督や泰風さん、先輩方がアイデアを出して、結果的に「あ、こういう締め方にするんだ」って。やっぱりVシネ界の巨匠はさすがだなって、今回の劇場版で改めて思いました。
小手山 猛獣使いやね。
舘 猛獣?
小手山 そこ粒立てんなや。
舘 猛獣って言ったのは小手さんだからね。
──フフフ……今回の劇場版に関しては、『日本統一』のファンはもちろん面白いでしょうが、初めて観る人はこの劇場版をきっかけに、これまでのシリーズを観たらもっと楽しめるだろうなと思いました。
北代 今言ってもらったみたいに、今までの統一を観てきた人はよりグッとくるところがあると思いますし、まだ統一を観たことのない人は、入り口としてこの映画を観て(みんながザワザワし出す)……真剣に喋っとんねんで。
舘 それ大事やで!
北代 フフ、でも本当にそれが一番大事なことで。Vシネをあまり観たことのない人も楽しめると思いますし、そこから統一の方に流れていってくれたら、俺らに任せてもらえたっていうことの意味にもなると思います。
舘 何も観たことなくても何も知らなくても、Vシネや日本統一や山崎一門が初めてでも、観て楽しいって思えるんじゃないかなってみんながやっぱり思ってるはず。そこから広がっていってくれたらってとこですね。
北代 ……俺は今それ言うたで。
(一同) アッハッハッハ!
舘 まあでも真面目な話、最初に観たときは青春映画みたいな感じだったんですよ。僕らもええ歳で、しかも任侠映画やけど、おじさん青春任侠映画みたいな。そんな感じの印象を受けましたね。
──ちなみに……大人数で取材を受けるとき、中澤さんはどっしり構えてる感じですか?
小手山 まあ今見てもらったら分かると思うんですけど、(中澤さんは)たまに眠くなる。
(一同) ハハハハ!
中澤達也(以下、中澤) 今日は大丈夫。
舘 ずっと聞いてはいるし、発言するポイントを考えてただけでしょ?
中澤 考えて、もない。 集中はしてます。
カラオケで主題歌オーディション
がむしゃらなレコーディング&MV
──ここからは主題歌“男の貧乏くじ”について、いろいろと話を聞かせてください。このインタビュー前に、ミュージックビデオとともに北海道で撮影した際の舞台裏を追った映像も拝見しました。
舘 これ触れていいのかわからないけど、氷室監督がミュージックビデオの絵コンテで最初に浮かんだのが、小手が埋まってるシーンみたいですよ。あれスタート。でもそれは小手が面白くなるから……(カットで)。
──検討します。主題歌に関してはメインボーカルを決める際に、氷室監督が何も知らない山崎一門のメンバーをカラオケに連れて行き、そこで全員の歌唱力をチェックしたというエピソードを聞きました。
小手山 それこそ、それもこの場所にスケジュール確認で呼ばれて。
本田 ミーティングが終わって移動するよって。それで「オーディションする」っていうから「え?」みたいな。
舘 急に「舘さんのどの調子は大丈夫?」とか言われて「は?」みたいな。そしたらカラオケボックス取ってあって。
小手山 かろうじて「主題歌を一門に歌わせたいんで」みたいなことは言ってた。
北代 それでひとり3曲ずつ歌って、この中から選ぶからと。舘さん何歌ったんでしたっけ?
舘 歌は正直そんな得意じゃないから、とりあえず松山千春を入れてものまねっぽく歌ったんだけど、パッて本宮さんの方を見たら……(腕を組んで険しい顔)。
(一同) ハハハハ!
北代 けっこう序盤で怒られてましたね。
舘 「今日はそういうのじゃねぇから」って。
北代 リモコンでばっと消されて。実は俺もタンバリン持ってたんですよ。
舘 あれはかなりの逆鱗に触れたと思う。
北代 採点機能とかも入ってて、その時間がつらかった。歌い終わってもシーンとして誰も何も言わないし、さらにみんな「このカラオケってドッキリじゃないよね?」っていう状況だったので。
舘 そこからしばらくしてメインボーカルのふたりが決まりました、レコーディングしますと。さらにデモテープが送られてきて、ずっと「何これ!?」って感じでした。秋元さんにたどり着くまでめちゃくちゃ早かったよね。
「男の貧乏くじ」 /山崎一門 Music Video
──結果的に、“男の貧乏くじ”のメインボーカルに選ばれたのは北代さんと本田さんのおふたりですが、カラオケでの歌唱力チェックの段階で、みなさんの歌を聞いた上での自信はありましたか?
本田 何ていうか、自分が歌ってそれを世に出すっていう経験なんてなかなかないじゃないですか。まあカラオケにはよく行くので歌は好きだけど、そこでは「なかなかうまいね」って言われて煽てられてるぐらいのレベルだったので。レコーディングは自分で思うより気持ちが昂っちゃって、最初はあんまりうまく歌えなかったですね。
小手山 やっぱり緊張するもん。
舘 いや、一番生き生きしてたよ。
小手山 俺は楽しむことに精一杯だから。
北代 まあでも最終的にはみんなそうですよね。映画の主題歌だし、秋元さんに作っていただいたのもあるので、最初は緊張してすべての準備をむちゃくちゃ頑張ってやってました。でも最終的にレコーディングの日は、「俺らは歌手ではなく役者なんだから」って開き直って、とにかく全エネルギーを注いで一生懸命歌うことに集中してレコーディングしました。だから魂はこもってるし、そういう部分が聞く人に伝わればいいなって思います。
舘 メインボーカルに決まってからいろいろ……ね、やってたみたいですよ。
北代 ええと……歌手一本でやっている方でも、秋元さんにはなかなか書いてもらえないじゃないですか。だから時間もないけどできる限りのことをやんなきゃと思って、ボイトレの先生を紹介してもらって。
本田 あとふたりでカラオケも行きましたよ。
北代 本田さんとも行ったし、小手さんとも行ったし。
小手山 俺と健太も行ったな。 ずっとデモテープをエンドレスで流しながら。
舘 あれだけデモテープを聞いたのは初やった。
北代 またデモテープがめっちゃいいんですよ。その曲を聴いたときに、一気に実感が湧きましたね。
舘 業務連絡用とは別にグループラインがあるんですけど、デモテープが送られてきたあとにみんな「メチャクチャええ歌やん!!!」「マジでこれ俺ら歌うの!?」みたいになりましたね。
小手山 最初は歌詞が全部わからなかったんで、俺が全部自分で書き出したんですよ。
北代 そしたら俺らも「デモのあの感じで歌ったほうがいいのかな?」とか、「でもやっぱり一人ひとりの個性を活かして歌った方がいいんじゃないか」とか言い始めて……。
舘 全然っ素人のくせにな!
(一同) アハハハハー!
──ちなみに歌詞の中で特に好きなラインはありますか?
舘 僕ありますよ。 小手が歌ったところが一番好きですね。それもまた小手がうま〜いこと歌うんですよ。
小手山 俺もあそこは、自分でここが一番歌いたいと思ったところでしたね。
舘 女おらんやんけ!
小手山 いや、いるいないの問題じゃない。気持ちの問題だから。ここ(心)にはおんねん。
北代 自分はメインボーカルって言っていただいてますけど、みんなで歌うパートもけっこう多くて。そのみんなで一緒にデカい声でサビを歌ったときに、なんか鳥肌立つぐらい良かったですね。
舘 あれ良かった! めっちゃ歌えるやんってなったな!
北代 俺の話を取らんとってもらっていい?
小手山 仲良くしてよ!
舘 なんやお前外出ろや!
中澤 (急に)レコーディングの日、自分と舘さんはスタジオに入る前に3、40分、外で……フッフッフ。
舘 ああ。11時入りとかやったんすけど、10時半ぐらいにはおったんすよ。それで外をパッと見たら(中澤さんが)クルマの中で「誰かと喋ってんのかな?」と思ったら、中でひとり、めっちゃ歌ってたんすよ。
(一同) フハハハハハ!
北代 そういうとこなんですよ〜めっちゃずるいとこ!
舘 コンコンするのをやめてLINEで「達也もう来てる?」って送ったら、「いますよ。横にクルマ置いてます」と。「知ってる知ってる」と思いながらクルマに行って、急にふたりで「ちょっと練習する?」ってね。
小手山 自分のとこにも(中澤さんから)電話がかかってきて、「小手さん、あの曲って高いんですよね?」って。
舘 天才肌で雰囲気俳優なのにさ。
中澤 あれは本当に、さすがの自分でも雰囲気つかめなかったっす。もう最終的には、とにかく一生懸命歌うことに集中しようと。最初はホントに声が出なかった。たぶん自分だけボリュームが超小さいと思います。
──しっかり聞こえましたよ。北海道でのミュージックビデオの撮影風景はとにかくみなさんが楽しそうで、作品の中のキャラとのギャップがすごかったです。現場での氷室監督はどんな様子でしたか?
舘 楽しそうでしたし、けっこう(イメージが)出来上がってる感がありましたよ。
川﨑 撮影自体もめちゃくちゃ順調でしたよね。
北代 むちゃくちゃいろいろな素材を撮ってもらったんで。
──個人的に印象的だったのは、みなさんが一緒に歌うシーンは特にですが、めちゃくちゃ声が出てましたね。正直な話、ミュージックビデオは口パクでもいいわけじゃないですか。
北代 俺ら全然そういうのがわからなくて、一生懸命やることしか考えてなかった。たぶんアホなんでしょうね。あとそうやって何回も何回も全力で歌ったことで、もっとあの曲が好きになりました。
本田 俺なんてまだリリースされてないのに、まだ1週間に1回ぐらい歌いに行くからね。
舘 (カラオケで)流して?
本田 ビッグエコーだと流してくれるんですよ。ケータイから。
中澤 もうカラオケ入りましたよね? 誰か知り合いのスナックかなんかであるよって。
舘 いやないでしょ。
(一同) アハハハハ!
小手山 まだ世に出てないんだから。
舘 急に喋り出してそんなんびっくりするよ。
中澤 言われたんすよね。
舘 夢の中やと思うよ。
中澤 ですかね。
『日本統一』の“入口”となる作品
俺らはあの男たちを担ぎ続ける
──ミュージックビデオではおそろいの山崎一門Tシャツを着ていましたね。そういうのも素敵でした。
北代 背中に入っている番号は本宮さんのアイデアで、それぞれ意味があるんですが、それは内緒です。
川﨑 あれはデザインがアメリカのカレッジTシャツみたいでかわいいですよね。
北代 ああやってみんなでお揃いのTシャツを作って着るとかもそうですが、ホントこの歳になってですけど、改めて山崎一門を通して青春をさせてもらっているような感覚はありましたね。
小手山 まあそうだよね。青春に戻ってるよね。
【うぃず中澤】是非着て来ていただきたい山崎一門Tシャツ!
北代 俺は劇場版の完パケで最後にこの曲が流れてきたときに、よくわかんないけど鳥肌がばっと立ってきて。「なんか……俺、いい仲間と出会ったんだな」みたいな、そういうことを思っちゃいましたね。
舘 良かったな!
北代 あんたも(仲間に)入ってんねんで!
(一同) ハハハハハ!
北代 最初に主題歌なしの完パケを見て、そのあと入った状態の完パケを見直したときに、ゾワっときたんですよ。この曲を聴いたら何年後とかにもこのメンバーの顔が思い浮かんだり、いろいろなことを思い出したりする曲になったんだなと。なので俺らだけじゃなくてお客さんにも聞き込んでもらって、そういう曲になってほしいですね。
──自分もこの取材が決まってから、“男の貧乏くじ”を毎日聞いていたら曲が入ってきちゃって。今日この現場に向かっているときも、何か思うことがあるような顔で、肩で風を切りながら歩く感じになっていました。
北代 ああーいいですね!
小手山 ありがたい!
舘 ぜひそれで!
──ありがとうございます。みなさんにとっては映画化という節目の曲であり、さらには山崎一門が歩み出すこれからに向けて、応援歌のような一曲にもなっているのかなと感じました。
北代 それこそ山崎一門のように同じ役をこれほど長い間やらせてもらえることはなかったですし、1年の間にこれほど何回も会うメンバーはいないですから。自然と愛着は湧いていますし、そういうこれまでの経験や築いてきた関係性が、今回の映画にもちゃんと乗っかっていたらいいなというのはすごく思いますね。
──今回の主題歌、そしてその裏側で繰り広げられたエピソードやみなさんのキャラクター。このインタビューでの発言もそうですが、作品中とのギャップがいい意味で正直ズルいなと思いました。CDについてくるDVDには、ミュージックビデオのメイキング映像が入っているので、ぜひ多くの方に観てもらいたいです。
北代 自分はまだ観てないので。うわ〜どこが使われてるんだろう。
──中澤さんもたくさん話して目立ってましたよ。自分、中澤さんの地元の話が好きです。
北代 え!? けっこう話してるの!?
舘 今日ちょっとしか喋ってないのに!?
──フフフ、目立ってましたよ。あとギャップで言うと山崎一門のTikTokがスタートしました。内容は川谷会長から氷室と田村へシノギのためにTikTokをやるように指令があり、それを受けて氷室・田村含め山崎一門のメンバーがTikTokに奮闘する姿をアップするというものですが、あれもなかなかのギャップが。
北代 SNSとかは、本田さんがすごい詳しいので。
本田 自分は前からずっとやったほうがいいのにと思っていたので。今や人気が出るSNSのツールというかコンテンツとしては、やっぱりTikTokがダントツじゃないですか。
中澤 これからまだまだきますからね。これからなんで。
本田 TikTokでバズる=売れるみたいな。
小手山 うちにはSNS番長がふたり(本田さんと中澤さん)いるんで。
中澤 女子には勝てないっす。
(一同) へへへへへ!
@nihontouitsu ヤ〇ザは何を聴く?#日本統一#劇場版山崎一門#主題歌#男の貧乏くじ#インタビュー#音楽 ♬ Otoko no Binbou Kuji 1sabi ver. – Yamazakiichimon
北代 俺はアナログ人間なのでSNSは全然やってなくて。いまだにアメブロだけはやってるんですけど。
小手山 本田さんとかは更新頻度もすごいですからね。
本田 でもやっぱそれと同時にフォロワーも伸びてますし、それだけ多くの人が新しく見てくれてるってことだから。
中澤 TikTokをきっかけに、『日本統一』や山崎一門を知って、ファンになってくれた人はめちゃめちゃ多いです。
本田 最初のころの投稿のコメント欄とかは「『日本統一』って何?」「あんた誰?」みたいな感じだったけど、投稿を続けていった結果、今では「『日本統一』観てます!」みたいな感じのコメントが増えてきてるので。
──なんか急におふたり(本田さんと中澤さん)の熱がすごいですね……。
北代 それに関してはただただ感心しますわ。
本田 今はTikTokを使ってる人は、そこからなんでも情報を仕入れてるので。
中澤 あと2、3ヵ月したらまたTikTokすごいですよ。アメリカからのあれが……。
北代 もうTikTokの宣伝みたいになってない?
──ハハハ! ただ今まで『日本統一』や山崎一門のことを知らなかった方に向けたPR効果は大きいですよね。
中澤 やっぱり自分たちは俳優という職業をやっていて、時代はYouTuberやTikTokerとかが……。
舘 中澤さん、今なんの回か知ってる?
北代 『劇場版 山崎一門~日本統一~』よ。
舘 スイッチ入ったらあかんで。
小手山 目覚ましちゃった。眠れる獅子が。
──すみません中澤さん、話戻ります。今回は映画の公開とともに主題歌やTikTokなどいろいろな企画が立ち上がって、盛り上がりが最高潮の中で公開を迎えます。改めて映画の見どころを教えてください。
川﨑 作品の話で言うと、アクションシーンはそれぞれの個性が出ていてすごい良かったと思います。
小手山 今回はじっくり時間を使ってアクションシーンを作れましたね。
北代 山崎一門らしいくだけたシーンがありつつも、「自分たちの愛する頭や兄貴のために命張っていくぜ」みたいな心意気みたいなものが伝わるシーンもガッツリあるので、そのあたりもぜひ見てもらいたいなと思います。
本田 俺は撮影のときの裏話で、絶対に忘れられないシーンがありますね。本番で殴っていいよって言ったのに、テストで殴った人がいて……(中澤さんを見る)。
舘 あーーありましたねー!
小手山 テストのときめちゃめちゃ痛そうだったもんね。
中澤 本番も痛そうでしたよ(ニヤニヤ)。
本田 腫れて真っ赤になっちゃって。
北代 テストの段階で中澤さんが、みんながびっくりするぐらい思いっきりビンタしたんですよ。それはいい音のするビンタでネタみたいな感じだったんですけど、本番は「ボフッ」っていうただ痛いやつで。
本田 「さっきのやつやれや!」って。あれは俺、絶対に忘れない。
舘 あれわざとでしょ?
中澤 いや……力んじゃいました。
本田 カットがかかった瞬間、ゲラゲラ笑ってたじゃん。
川﨑 そのシーンを見つけてほしいですね。
北代 あとはゲストの話で言うと、たこやきレインボーを卒業した清井咲希ちゃんが出てくれたんですが、俺らはアイドルの子が来てくれるから怖がられないようにしようとか考えて接してたんですけど、めちゃくちゃ溶け込んでくれて。さらに最終日、お疲れさまでしたって手作りのクッキーをそれぞれの名前入りでくれたんですよ。すごくいい子でしたし、たこやきレインボーのファンにとっては、キラキラした彼女からは想像できないようなセリフを言ってたりするのも注目です。あと監督がうれしそうでしたね。監督はアイドルオタクなので。
川﨑 クランクアップのときに、こっそりサインもらって、一緒に写真を撮ってるのも見ましたからね。
北代 まじか! それだけはちゃんと書いておいてください。撮影のときに俺らの場合だと「はいオッケー」みたいな感じなのに、咲希ちゃんのときは「う〜んOK!」みたいな感じだったもんな。
舘 「もう一回だけ寄って笑顔もらえる?」とかね。「絶対使わんやろそれ!」みたいな。
──監督も楽しんでますね。あとクライマックスのシーンで流れる挿入歌の“Door to Door”(PERSIA)もハマってました。PERSIAさんが日本統一のファンということから決まったそうですが、そういったミュージシャンもそうですし、いろいろなジャンルに『日本統一』のファンはいると思うんですよね。
北代 それで言うと、Vシネの中でも見やすいのが『日本統一』で、さらにその中でも幅広い人が楽しめるのが今回の劇場版だと思います。『日本統一』の名前は知ってるけど一歩踏み出せなかった人の“入口”になる作品だと思いますので、勇気を持ってその一歩踏み出して観に来てほしいです。どんな人でも、俺らは受け入れる準備ができてますので。あとはもちろん『日本統一』のファンで、長いこと自分たちのことを応援してくださっているファンの方は、ある意味で組の一員じゃないですけど身内みたいなものなので必ず観に来てください。
──これ以上のコメントがある方がいらっしゃいましたら……舘さん大丈夫ですか?
舘 全然大丈夫っすよ。もうほぼほぼ(同じ)。もう一回、同じこと言いましょか? あとは僕らが映画に出られたのも、やっぱりずっと目をかけてくれている本宮さんたちのおかげだし、俺らはそれに対して恩を返さなきゃいけないなと。今回も僕らのことを考えてくれて全部仕切ってくれてましたし、「お前らはいらんこと考えずに一生懸命頑張れよ」っていう一言だけもらったので。その背中を見て俺らは突っ走ってるので、これからも担ぎ続けたいと思います。
(一同) オオオオオ……。
舘 もっといいのあったらあとでLINEしてもいいですか?
(一同) ハハハハハー!
Interview&Text by ラスカル(NaNo.works)
Photo by RYO SATO
INFORMATION
男の貧乏くじ
2022.09.21(水)
CD+DVD 各¥1,760
初回製造分封入特典:「山崎一門」特製ステッカー
【収録内容】
CD
1. 男の貧乏くじ/山崎一門*
2. Door to Door/PERSIA**
3. 男の貧乏くじ off vocal ver.
4. Door to Door off vocal ver.
『劇場版 山崎一門〜日本統一〜』*主題歌 **挿入歌
DVD
1. 男の貧乏くじ Music Video
2. 男の貧乏くじ MV メイキング