Interview:ZEDZ(ゼッツ)

–––今回のcafe104.5での展示作品のコンセプトを教えてください。

cafe104.5が音楽発信の場ということで、視覚言語を用いて音を表現しようと試みました。グラフィティを長年やっていて文字やタイポグラフィーというものを常に追求してきました。文字には音声が伴いますよね。A(エー)、B(ビー)、C(シー)、その組み合わせで生まれるものが言葉であり音楽なので、それをビジュアル化するということは以前から挑戦したかったテーマでした。

–––あのフォルムや色はどこから生まれてくるものなのですか?

建築や20世紀のモダンアート、とりわけロシア構成主義のアートから大きなインスピレーションをうけています。パーツを組み合わせながらあらゆる要素をとりいれてリミックスしていき、あのフォルムに行き着きついたというかんじです。色に関しては『コントラストと調和』を意識しました。白い壁には白をベースとして赤とブルーのコントラストの強い色を中心に目新しいカラーコンビネーションを選択しました。赤+白+ブルーはオランダの国旗の色でもありますが、ナショナリズムを意図したわけではありません。煉瓦の壁にはライトブラウンとブラックいうナチュラルカラーを選び、調和を意識しました。

–––ゼッツさんの活動として特筆すべき点は、パブリックアートや3D作品に力を注いでいるという点だとおもいます。他のグラフィティのアーティストと異なる点を具体的に教えてください。また3Dを始めるきっかけを教えてください。

立体的なドローイングをしているうちに建築やスカルプチュアに対する関心がどんどん高まっていき、それをどうにか具現化したいと思うようになりました。グラフィティピースの周りや中を歩き回ったりよじ上ったりしたら、いったいどんなかんじなのだろうかと。自分の活動は、もうグラフィティの範疇で捉えられない領域へきてしまっていると思います。

【インタビュー】ヨーロッパを代表するアーティスト=ZEDZが考えるグラフィティの未来とは? interview140428_zedz_01-1

作品一例

–––今回の作品の制作にはどのくらい時間がかかりましたか?また具体的な作品のアイディア出し、及び設計時間はどれくらいかかりましたか?

朝から晩まで平均12時間ほど集中して作業を続け、10日間かけて制作しました。ありがたいことに作業を手伝ってくれた強力な助っ人がおりましたので。制作に取りかかる前段階のアイデアやデザインに費やした時間はおおよそ40時間ほど、設計図の制作には10時間ほどでしょうか。

–––cafe104.5に作品の設置が完了しいかがでしたか?

とても満足しています。ブラウンとブラックベースの作品には壁に設置した時にもう少し手を加えたくもなりましたが、思い描いていた通りの展示ができて嬉しいです。

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