今年9月に待望の1stフルアルバム『CURVE』をリリースしたZINは、現在本作を携えてリリースツアーを敢行中だ。全編フルバンドセットで贈る本ツアーは、福岡、名古屋、大阪をめぐり、東京WWWXでクライマックスを迎える。ツアーを締めくくるWWWXでの公演には、アルバム収録曲である“綻び”のトラックを手がけたビートメイカー・FKDも参加する予定だ。

この度Qeticではアルバム『CURVE』のリリースを記念して、ZINとFKD、二人の対談を実施。昨年のZINのワンマンライブ<RUN>開催から『CURVE』制作までの経緯や、1stフルアルバムである本作にZINが込めた想い、そして彼をサポートするバンドメンバーやFKDとの信頼関係が生むZIN独特の世界観に至るまでを訊いた。

INTERVIEW:ZIN × FKD

1stフルアルバム『CURVE』に寄り添い合う想い ── ZIN × FKDインタビュー interview230919_zin_fkd_3

二人の信頼関係が生むZINの世界観

──お互いに初めて顔を合わせたのは、いつ頃でしょうか?

FKD 2019年の12月です。ちょうどサーバー(NAGAN SERVER)さんが東京に来てWWWで自身のイベントを開催するという時期でしたね。ちょうど僕がサーバーさんと曲を作っていたタイミングで、そのイベントに遊びに行こうと思ったらZINくんのクレジットが載っていて。

ZIN 僕もそのイベントに出演していたんですよ。

──お互い初対面の際はどんな印象だったんですか?

FKD ライブを見て衝撃を受けました。あの日に“The Longer”を聴いて結構食らったんですよね。で、会ってみたらめちゃくちゃ気さくで。

ZIN ビートメーカーの人ってSNSで顔を出している人が少ないし、見えても顔を伏せていることが多いんですよね。だから顔もあんまりわかってなかったんですけど、FKDの場合は声をかけてくれた瞬間に打ち解けましたね。僕も社交的だけど人見知りなので、相手もちゃんと興味を持ってくれて心を開いてくれていないと、なかなかとっつきにくい印象があると思うんです。でもFKDは本当に話しやすかったし、すんなり仲良くなりました。

──どういうところで波長が合うなと思ったんですか?

ZIN 会う前からお互いの音楽がかっこいいと思っていたから音楽の波長は言わずもがな、それ以外の興味関心がすごく合っているなと思いましたね。2人ともお酒が好きだし、食の趣味や好きなブランド、好きな映画についても自然と話せました。

FKD あとお互いにやりたいことを話し合うことも多いですね。音楽だけじゃなく、カルチャー全般で共通言語が多かったので幅広く話せて。今もそうですけど、当時は特に僕も音楽を軸に色々と活動を広げたいと思っていた時期だったので。

──音源制作やライブの演出など、FKDさんはZINさんのアーティスト活動にさまざま関わられていますが、それもその流れで始まっていったんですか?

ZIN はい、特にライブの演出についてはよく相談しますね。彼はVIBEPAKというクルーを主宰していたり、舞台やミュージカルも見たりしているし、割と客観的に全体を見られる人という印象があり。

FKD もともとミュージカルだったり、演劇だったり、舞台を見に行くことが多いという話も共通していたんです。僕が貢献できそうな部分に関してはサラッと相談をしてくれるので、実現できそうなことをお互いにキャッチボールしているうちに、気づいたら「もうやっちゃおう!」みたいな(笑)。だから最初から依頼されたというよりも、「こないだ話してたあの感じやりたくない?」って話しながら進める方が多いかもしれないです。

ZIN 僕は現実的なことをそれほど考えずに、とりあえずやりたいことをやってみるというタイプで、対照的にFKDは割と現実的な意見をくれるのですごく助かっていますね。

──最初に「やってみよう!」と話していたことが実現したのは?

ZIN 彼自身ビートのストックをたくさん抱えているから、最初にビートを3〜40個送ってくれて。全然形になってないけど、「あれも書きたい、これも書きたい!」みたいな(笑)。

FKD ストックももちろんありましたけど、ZINくんをイメージして作った曲が何曲かあって、その中の一つが“Busy”だったと思います。

ZIN 会って2〜3日後には送ってくれたから、テンポのよさにすごくテンションが上がりましたね。

FKD feat ZIN / Busy (Official Video)

──前回のワンマンライブ<RUN>でFKDさんは開場してから開演するまでのBGM演出も担当されていましたね。どのような経緯でFKDさんに相談されたんでしょうか?

ZIN 確かシルク・ドゥ・ソレイユの話をしてたんだよね?

FKD そう。僕がラスベガスでシルク・ドゥ・ソレイユのショーを見に行った時に、<カー(KÀ)>という火を操る演目を見た時の話をZINくんに伝えていたんです。かなり昔の記憶なので、その頃から演目もバージョンアップされているかもしれないですが、会場に入ると、その瞬間からスタッフさんや客誘導の方も全員演者、みたいな世界観で。まだ開演していないのに壁中に人が這っていたり、座席に座ってみたら耳元のスピーカーから音楽流れていたり、とにかく没入感がすごかったんです。その印象が僕の中で鮮烈に残っていて、ZINくんのライブでもそういう没入感を演出したいなと。

<RUN>に関してはビジュアル撮影に同行していたのもあり、僕自身ある程度世界観をイメージできていたので、ZINくんにそうした演出の方向性を伝えたところ、すぐ共鳴してくれました。入った瞬間から感じられる没入感をちゃんと作り込んだ上で、お客さんに見てもらえたらと思ったんです。

ZIN – Midnight Run (from ZIN Live show “RUN” at SHIBUYA WWW 2022/10/26)

ZIN 開場から開演までの時間って普通DJが入っていたり、ただBGMが流れていたりしますよね。その時間が、お客さんが持て余す時間になってしまっているなと個人的に思うことも多かったんです。水族館のように、会場が開いて足を踏み込んだ瞬間から感動があると面白いよねとFKDとも話していました。開場の時間から異空間に入り込んだような没入感をみんなに感じてほしいと思っていたので、会場の照明もかなり落として暗めにして。終演後にSNSで検索したら、ちゃんとお客さんに世界観が届いているなと思える声も多かったですね。

──どんな投稿だったんですか?

ZIN 「開演前からライブが始まっているような空間だった」とか、「映画館に来たような気分だった」とか。僕のライブだけじゃなくて、会場に入った瞬間からその世界観を楽しんでくれた方が多かったみたいです。

──今までのお話で、お二人とも舞台演出がすごくお好きなんだなと思ったんですが、そうした話をされる機会も多いんですか?

ZIN 話しますね。一時期「サカナクションのステージ演出がすごい」と二人で盛り上がってました。

FKD コロナ禍でサカナクションに改めてハマったタイミングがあり。彼らがミュージックビデオの世界観でライブ配信する、というコロナ禍だからこそできる企画を実践していたんですね。一曲一曲MVのディレクターがちゃんとコンセプトを作って、ライティングからプロップ、VJ的なものまでそれぞれ違う演出をしていて。リアルのライブ会場では体感できないであろう配信ライブならではの工夫や、当時配信で懸念されていたサウンド面でのアプローチまで、とても満足度が高いライブでした。

サカナクション / ワンダーランド from 「SAKANAQUARIUM 光 ONLINE」

FKD そういう手数のある演出を見て色々話したり、他のアーティストの気になるMVを見ながら、視覚的な演出についてポジティブな面もネガティブな面も共有し合ったりしていたんです。ライブを見た時も「あの人たちのあの感じが良かった」だったり、逆に「こうしちゃダメだよね」だったり、意見を交換し合っていました。

ZIN 彼も色々な演出を見ているし、細部まで説明しきらなくてもすぐに理解してくれるから、視覚的な演出については舞台演出に限らず二人で色々話しますね。お互い細かいところまで全部見ちゃうんです。

──<RUN>でのライブを拝見して、演出ももちろん素晴らしいなと思ったんですが、何よりアレンジが多彩だなと感じました。ZINさんの中でも、ライブアレンジは意識的に取り組まれていることの一つなのでしょうか?

ZIN そうですね。でも原曲を聴きたいという人もいると思うので、やりすぎないようにしています。R&Bシンガーってライブの時に歌い崩しがちですけど、そうすることで原曲の良い部分を失ってしまうこともあるので、何度もライブで披露している曲や過去の曲をアレンジするようにして、新しい曲はある程度原曲のままでやるように意識しています。

FKD ZINくんと一緒にライブをしたり、見たりしていると、ライブでの表現に対する考え方もしっかりあるんだなと気づくことが多いです。それこそZINくんとのライブで、僕とベースのKeityの三人セットで何度かライブしたことがあり。その三人でやるという行為自体もライブでしか見られないサプライズの部分ではあるんですが、それに伴って曲をアレンジしてみたり、リミックスしてみたりしてライブをするということにトライしたんですね。それ以来僕がバックDJで入ったセットの際に、三人で作ったリミックスの音源でライブするようになり。それもZINくんとのDJセットじゃないと体感できない出来事ですし、バンドセットのライブでも毎回違うエッセンスを入れていて、アレンジの中に別の曲を少しだけ混ぜるようなサプライズを仕掛けているんですね。そういうのを見ると、その瞬間、その時に見に来てくれた方に対して、どういうことを伝えられるのかをすごく考えているなと感じます。

ZIN もちろん僕が飽き性なのも関係していると思います(笑)。あとバンドでライブをする時に、流している音源に同期しながら生バンドの音を足すアーティストもいると思うんですが、僕はその手法があまり好きじゃなくて。もちろんポジティブな面があるのもわかっているんですが、バンドセットの時はなるべくバンドの生音だけでやりたい。そうするとどうしても足りない音や、本来の音源には入っていない楽器が必要になることもあります。だから必然的にアレンジしなきゃいけない。FKDが今言ってくれたように、ライブってその瞬間だけだし、配信がない限りアーカイブもないじゃないですか。その瞬間を体験してもらいたいという意味でもアレンジはいつも考えています。

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仲間たちとの想いが結実したアルバム『CURVE』

──今回リリースされたアルバムにも収録されている“綻び”についてお伺いします。この曲の制作はZINさんからFKDさんに依頼された形でスタートしたんでしょうか?

FKD 確か最初は別のデモを渡してましたよね?

ZIN そう。

FKD 最近のZINくんのイメージとして、こういうビートがハマるんじゃないかと思うデモがいくつかあって、たまに作って送っていたんです。その中の一つで「これめっちゃ良さそう」と話し合っていたビートがあったんですが、なかなか歌がハマらなかったというか(笑)。

ZIN ビートメーカーあるあるだと思うんですけど、FKDのビートって本当に歌がなくても聴けるんですよ。歌がハマる時ももちろんあるんですが、個人的にビートだけで聴きたいと思う時が結構あって。とはいえ最初に送ってくれたビートもすごく好きだったので、雰囲気はそのままに別のアプローチで作りたいという相談をしました。

FKD その後にZINくんがアカペラで書いた歌をボイスメモで送ってくれたんですよね。

ZIN うん。初めての経験でしたね。

──トラックよりも歌が先にあるという制作プロセス自体も初めて?

ZIN はい。R&Bやソウルのマナーとして、グルーヴや言葉のフローを大事にしたいという思いもあり、もらったトラックにメロディをつけて、最後に歌詞をつけるというプロセスを採用することが多いんですね。ただ“綻び”に関しては、自分の中で歌いたいトピックが明確にあったので、歌詞から先に書いてみようと。なので、ジャンルにとらわれずにリリックを書き上げて歌ったものをFKDに送りました。FKDもそれを嫌がらずに、逆に面白がって作ってくれて。

──FKDさんは色々なアーティストのプロデュースを担当される機会も多いと思いますが、歌が先にあるという制作スタイルは新鮮だった?

FKD 新鮮でしたし、挑戦したいとも思えました。僕自身、元々サンプリングを軸にビートを作り続けてきたこともあり、音楽の理論は全く知らなかったんです。コロナ禍に色々と学び直そうと思い、音楽的な構造を勉強して、ここ最近やっとそれを理解しながら作れるようになったので、学んできたことをここで開放してみようと。ZINくんが送ってくれたボイスメモはちゃんと展開がある音楽だったので、それに対してアプローチするのがすごく面白そうだなと思いました。

僕は自分のライブの中で曲をリミックスして演奏したりもしていますし、他のミュージシャンのリミックス作品を作ったりもしているので、そういう意味では歌が先にあって、リミックスするような作業は経験がないわけではありませんでした。ただ今回のようにしっかりメロディラインがあり、かつ原曲がない状態の歌をアレンジするというのは初めての試みだったので、すごく勉強になりましたね。すぐにトラックのイメージが湧いたのを覚えています。

──その「挑戦した」部分というのは?

FKD 元々はHIPHOP、R&B、ブラックミュージックを軸にしていた自負があったんですが、コロナ禍を機にダンスミュージックだったり、映画音響だったり、色々聴く機会が増えて音楽の振り幅が広がったんですね。サウンドデザインの領域でも活躍されているHimuro Yoshiteruさんや、音楽クリエイターの若狭真司さんといったアーティストの方々が制作されているサウンドデザインやサウンドスケープ的な表現に対してすごく興味が湧いた時期で。そうした直感的に情景が浮かぶような立体感のある感覚を楽曲に落とし込むのが最近のテーマにもなっていて、今自分が制作しているソロアルバムにも盛り込んでいるんです。そんな新しい要素を歌と絡めて表現するきっかけという意味で、今回ZINくんと制作できた“綻び”は大きな挑戦でした。

──音数としてはすごくシンプルでミニマルですが、情景が浮かんでくるビートだなと思っていました。そこにZINさんの歌が入ってくることで、よりストーリー性を持って聴けたので、今のお話を聞いてすごく腑に落ちました。

ZIN “Busy”の時も思いましたが、音数を少なくしてシンプルにするのはとても勇気がいることだと思うんです。なのにFKDのビートは存在感がある。だから本当にすごいなといつも思わされます。

FKD 最初は曲の盛り上げたい部分にしっかり音を積むんですよ。でも“綻び”の場合、歌のメロディ自体はある種わかりやすいラインなので、コードが表に出てくると「聴いたことあるな」と思うような曲になっちゃう。自分が思い描く楽曲の世界観としても、それは違うなと。歌のメロディがしっかりしていたからこそ、音数を少なくしたり、音を散らばす作業をしたりして、歌がないと成立しないというぐらいまで引き算をしていきました。結果的にすごく情景が浮かぶような空気感のある楽曲になりましたね。

──“綻び”の制作の中で、難しさを感じた場面はありましたか?

ZIN 実は歌のレコーディングをやり直したんですよ。これも初めての出来事で。当初は歌を重ねない方がいいかなと思いコーラスも入れず、歌い方のニュアンスとしてもうまく歌おうとはせずにミュージカルっぽく聞こえるように喋り口調にしていました。最初はFKDも良いと言ってくれていたし、僕もこれでいこうと思っていたんですけど、何度か聴いているうちに、FKDが「これでいいのかな?」って言ってくれて。僕もどこか違和感を感じていたので、結局録り直すことになり。僕が感じている違和感をFKDも感じていたんだなと思ったので、再録の時はFKDにもスタジオに来てもらいました。

FKD ZINくんのアルバムに入る曲ですし、やっぱりZINくんが伸び伸びできる世界観でやりたいという思いはありました。本人の意向を尊重したいし、そもそも「再録しよう」とは提案しないタイプなんですよ。むしろその歌に自分で音を足して雰囲気を変えようとか、そういうアイデアに振ろうとする方で。でも色々と二人で模索しているうちに、ZINくんから「録り直そうかな」って提案してくれたんですよね。そうなったら僕も話せますし、もっとブラッシュアップできるようなアイデアも伝えられました。

ZIN それも本当にありがたい。プロデューサーさんがいるレコーディングの現場も多いと思うんですが、僕の場合そういう方がいないのでレコーディングの時はいつも一人で録りに行くんです。今回も当初は自分の判断で録っていたので、人の意見って大事だなと改めて実感しました。

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──アルバムの後半に“綻び”で感じられるような新しい要素が多く盛り込まれているなと思いました。そういう意味ではこれまでのEPのようなパッケージ作品とは一味違う作品だと思うのですが、収録する曲の構成を変えようという意識はあったんですか?

ZIN 今まではR&B〜ネオソウルといった自分のルーツにこだわってきましたが、今回はジャンルよりもコンセプトにハマるものを重視していたので作り方は違いますね。とはいえ、一枚目のアルバムなのでルーツ的な部分も外せなかったし、アブストラクトな要素やアンビエントなテイストを入れたり、生バンドだけで演奏した曲も作ったりしました。

アルバムが一つのプレイリストになっているようなニュアンスにもしたいなと思っていたので、前半の曲と後半の曲の印象が違うのはそれを意識していたからだと思います。今はアルバムという聴き方をしなくなってきたじゃないですか。でも僕は好きなアルバムを聞かれた時に挙げられる一枚があるし、今の時代にもアルバムを通しで聴けるような、ジャンルが片寄りすぎない作品にしたかったんです。

FKD ZINくんは意図していないだろうけど、個人的にDJでかけたいなと思える楽曲もあり、それほど意識せずとも、ZINくんの根っこにある本当のルーツが反映されているんだなと思いました。

あとは一緒に作っているメンバーのみんなもZINくんへの理解度が高いなと。僕もメンバーのみんなを知っているので、綺麗に意思疎通できているチームでやれているんだなというのが客観的に感じられました。

──その点においては「CURVE」というコンセプトを感じられますよね。ZINさんは「誰かに寄り添うようなアルバム」をコンセプトに作りたいと以前話されていましたが、ZINさんが寄り添いたい人たちと一緒に作ったアルバムのような感じもしますし、それがリリックにも反映されていそうだなと感じていました。というのも、関係性を思い描かせるようなリリックが多いなと。

ZIN 僕が曲を書こうと思う時って、必ず人と関わって何かが起こった時なんですよね。自分のことを書いているつもりだけど、聴く人が誰かを思い浮かべているように感じられるのはそのせいかもしれないです。人から言われたことに共感して、自分のことのように考えて書いたり、シンプルに自分の恋愛を題材にしたり。本にある言葉に共感したとしても、それを書いた人がいるわけじゃないですか。一人で考えて曲にすることはほとんどないかも。この作品に関しては、特にここ1年の生活で起きた出来事をもとに書いています。

FKD 側から見ていて、<RUN>が起点になっているように思います。アルバムに参加している人たちも含めて、今関わっている人たちとの団結力が高まっていましたよね。みんなのモチベーションの高まりも含め、実現できたら面白そうと考えていたことをそれぞれが共有できた時期に作れたんじゃないですか?

ZIN 確かに。それはミュージシャンたちだけじゃなく、制作に参加してくれたビジュアルチームもそうです。やっぱりこれまで一緒に関係性を築き上げてきた人たちと1枚目を作りたいと思ったし、この作品だけじゃなくて今後もしっかり人間関係を築いてきた人たちと作らないと、自分の作品を愛してあげられないとも思うんです。フィーチャリングに唯一NF Zesshoが入っていますが、何かあるたびにDMでやりとりをしていましたし、人となりもなんとなく感じ取っていたからこそ、彼に依頼しました。彼には去年の<RUN>も見てもらって、僕もOll Korrectのイベントを見に行って。彼以外にもちゃんとつながりがある人たちと作ったので、自分だけの作品ではないなと実感しています。

ZIN – 憑依 feat.NF Zessho (Official Music Video)

──最後に、約1年間かけて制作した1stフルアルバムが完成してみて、改めてどう感じられているかを伺えますか?

ZIN このタイミングでできて本当に良かったですね。本当に冗談じゃなく、別に評価されなくてもいいですし、別に遺作になってもいいとも思っています。もう作りたくないとか、もう音楽に興味がないという意味じゃなく、それぐらいの気持ちで作れたかな。それに今の流行りっぽい要素をそこまで入れていないので、長く聴いてもらったら印象も変わるんじゃないかなとも思います。自分がアルバムで聴きたいサウンドや内容が今ちょうど出揃った感覚もあるので。一枚の作品を作るというのはすごく意義深いなと思います。

──自分の想いもそうだし、一緒に作ってきた人たちとの想いも結実した一枚になった?

ZIN そうですね。想いを共有する人たちとアルバムを作って、それをもってみんなとツアーをしてみたいと心から思います。そういう経験は、一緒に作ってきた人たちと共有したいですね。

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Text:竹田賢治
Photo:Miki Yamasaki

EVENT INFORMATION

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ZIN 1st Full Album 「CURVE」リリースツアー

2023年9月15日(金)@福岡 ROOMS 大名
OPEN 19:30/START 20:00
ADV ¥4,500+1D/DOOR ¥5,000+1D
問い合わせ : スマッシュ 03-3444-6751
http://smash-jpn.com

2023年9月17日(日)@名古屋 TT” a Little Knowledge Store 星ヶ丘
イベント名:Chroma
OPEN 18:00/CLOSE 23:00
(※ZINのLIVEは21:00頃を予定)
ADV ¥4,000(1オーダー付)/DOOR ¥4,500(1オーダー付)
DJ:EiON / miyau-D / 里奈 / katafuta
DANCE: UC(daft / INDIAN CREW)/ uko+mio
予約URL:https://forms.gle/dBPjAGxsmrzP1eEY7
問い合わせ:haveagoodtime.k@gmail.com

2023年9月27日(水)@大阪 Music Club JANUS 心斎橋
OPEN 19:00/START 20:00
ADV ¥4,500+1D/DOOR ¥5,000+1D
問い合わせ : グリーンズ 06-6882-1224
http://greens-corp.co.jp/

2023年10月8日(日)@東京 WWWX 渋谷
OPEN 18:00/START 19:00
ADV ¥4,500+1D/DOOR ¥5,000+1D
問い合わせ : スマッシュ 03-3444-6751
http://smash-jpn.com

RELEASE INFORMATION

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CURVE

2023年9月6日(水)リリース
ZIN

01. Endpaper
Produced by TiMT
Written by ZIN
Mixed by TiMT

02. Midnight Run
Produced by TyaPaTii, ZIN
Written by ZIN
Drums by RaB (Soulflex)
Bass by Funky (Soulflex)
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

03. Complex
Produced by TyaPaTii
Written by ZIN
Bass by Funky (Soulflex)
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

04. Carved in Stone
Produced by TyaPaTii
Written by ZIN
Drums by RaB (Soulflex)
Bass by Funky (Soulflex)
Piano by Fuji
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

05. Ooh!
Produced by Mori Zentaro
Written by ZIN
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

06. Contagious
Produced by Breaking Atoms
Written by ZIN
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

07. Jaded
Produced by Mori Zentaro
Written by ZIN
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

08. Eden
Produced by 906 Nine-O-Six
Written by ZIN
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

09. 憑依 feat.NF Zessho
Produced by RaB
Co-produced by Keity
Written by ZIN, NF Zessho
Guitar by Takuma Asada
Bass by Keity
Keys by 井上惇志 (showmore)
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

10. A long way
Produced by TyaPaTii
Written by ZIN
Bass by Funky (Soulflex)
Piano by Fuji
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

11. If I lose
Produced by Takuma Asada
Written by ZIN
Drums by タイヘイ (Shunské G & The Peas)
Keys by 井上惇志 (showmore)
Bass by Keity
Guitar by Takuma Asada
Sax by KenT (Soulflex)
Trumpet by 山田丈造 (Shunské G & The Peas)
Mixed by Masato Hara

12. First Song (dead to me)
Produced by TiMT
Written by ZIN
Mixed by TiMT

13. 綻び
Producedby FKD
Written by ZIN
Cello by 伊藤修平
Mixed by Gouya Iwanari & Bousi Studio

All Mastered by Gouya Iwanari & Bousi Studio
Vocal Recorded by TiMT(M1,12), Atsu Otaki at EVOEL STUDIO(M2,3,4,5,6,7,8,10,13), Keisuke Mukai(M9), Masato Hara(M11)
Vocal Recorded by TiMT(M1,12), Evoel Studio(M2,3,4,5,6,7,8,10,13), Keisuke Mukai(M9), Masato Hara(M11)