幻覚作用をもたらすこともあるコカインなどの違法薬物の使用形跡が、1000年前の遺跡から発掘されたことが明らかになった。

1000年前には儀式などに薬物が用いられていたという調査結果も

アメリカ・ペンシルバニア州立大学の考古学会の発表によると、ボリビアの「Cueva del Chileno」と呼ばれる約1000年前の遺跡から、コカインやアマゾン北西部で伝統的に用いられている幻覚剤のアヤワスカなどの薬物が当時使われていたとされる残痕が発見されたという。

今回発掘されたという皮のカバンの中には、向精神性の植物を砕いて作った2つのかけらと幻覚作用のある植物を焚くためのチューブ、そしてキツネの鼻で作られたポーチが入っていたそう。またこのポーチを分析した結果、コカインの主要成分であるベンゾイルエクゴニンやジメチルトリプタミン、ブフォテニンやハルミンなどの自然界に存在する幻覚剤の成分が見つかったのだとか。

ペンシルバニア州立大学は「当時の南中部のアンデス地方の共同体で、精神的・宗教的な行事として、向精神性の物質が重要であることはすでに把握していました。しかし、これほど多くの化合物を同時に使用していたということは知りませんでした」と、この発見について解説している。

また「南アメリカのなかで発見された考古学上の取集物の中でも、精神作用のある物質が最も数多く収集できた」と説明している。

薬物の使用にこれほどの歴史があることを初めて知った、という方も多いだろう。もしかすると、日本でもそうした形跡が発見されることもあるかも……?

Eric Clapton ー Cocaine(Slowhand At 70 Live At The Royal Albert Hall)