2023年5月12日、13日、プラダ(PRADA)が現代文化に焦点を当て、ユニークな体験を提供する巡回型プライベートクラブ<PRADA MODE TOKYO>を東京都庭園美術館にて開催した。過去8回にわたり、ドバイ、ロサンゼルス、マイアミ、上海、香港など、世界各地を巡回してきた<PRADA MODE>。今回東京都と国の重要文化財にも指定されている東京都庭園美術館との協力のもと、初めて日本で開催を迎えた。

EVENT REPORT:PRADA MODE

建築と文化を体験するユニークなイベントとしても知られる本イベントは、過去にも開催各地の建築の歴史や文化を象徴する場所で実施されてきた。パリではベルエポック全盛の時代に創業した伝説的レストラン「マキシム」で、香港では2018年にオープンし、話題を呼んだ歴史とアートの複合施設「大館」の營房大樓で実施。ダミアン・ハーストやシアスター・ゲイツといった名だたる芸術家たちが参加してきた。

庭園美術館を舞台にした今回、本館長を務め、建築家としても名高い妹島和世がキュレーションを担当。建築家や文筆家、音楽家に写真家、そして茶人やキュレーターが参加し、トークイベントやワークショップ、茶道体験、音楽ライブ、さらにアフターパーティーといった数々のアクティビティが開催された。

西洋庭園には、西沢立衛氏設計による木造の仮設スペースが設置。ドーム型のパビリオンをはじめ、新緑広がる庭園と調和するオーガニックな什器が配置された。晴天にめぐまれた1日目には、そこに訪れた人たちが仮設スペースを利用して会話や食事を楽しむ姿も見られ、さながらピクニックの様相を見せた。

また入り口のゲートハウスギャラリーでは、重要文化財である旧朝香宮邸や庭園との関係をイメージさせるアートが展示。ホンマタカシ、礒谷博史、名和晃平、三嶋りつ恵、市川靖史、ナイル・ケティングによるアートピースとともに、庭園美術館本館の旧朝香宮邸の歴史を紹介する映像も公開された。

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野村訓市とクレイグ・リチャーズ(Craig Richards)がキュレートした音楽プログラムには、渋谷慶一郎、石橋英子とジム・オルーク(Jim O’Rourke)、ジジ・マシン(Gigi Masin)、ハニャ・ラニ(Hania Rani)、トモコ・ソヴァージュ(Tomoko Sauvage)、ロメオ・ポワリエ(Romeo Poirier)、Open Reel Ensemble、U-zhaanら、国内外から音楽家・プロデューサー・DJが参加。彼らのパフォーマンスに見入る人もいれば、音楽の溶け込む空間で思い思いの時間を過ごす人もいる。各々が周囲の環境にとらわれず、その場に馴染んでいく様子が印象的だった。

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何より興味深かったのは、会場となった庭園美術館を通して、都市の営みを感じられるつくりとなっていたことだ。首都高が走り、飛行機が飛び交う目黒の都市の喧騒に囲まれながらも、場内を巡り、会話に花を咲かせ、庭園美術館に息づく自然、建築、そしてアートや音楽と一体となる。そこには、訪れた人々が都市と共生していく姿があったように思う。同時に東京に遍在するパブリックスペースの有意義な活用の仕方についても、想いを巡らせるきっかけになる場となっていたのではないだろうか。ラグジュアリーファッション界をリードするプラダがこうした日々の暮らしを実感できるイベントを開催することに、意義を見出した方も少なくないはずだ。この特別な2日間を過ごした人々が、東京での暮らしをより充実させるエッセンスを抽出し、それぞれの生活に取り入れられることを願うばかりだ。

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