カラフルなアフリカンプリントを用いたハンドメイドの布バッグを販売する、ウガンダ発のファッション小物ブランド『リッチー・エブリデイ(RICCI EVERYDAY)』。2019年5月、東京・代官山にオープンしたばかりの実店舗『RICCI EVERYDAY The Hill』で、アフリカの魅力を発信している創業者の仲本千津さんにブランドをはじめたきっかけや今後のビジョンについて話を聞いた。
創業者の仲本千津氏は、ウガンダ駐在時にアフリカンプリントと出会い、その魅力を伝えるべく、同ブランドを立ち上げた。“世界中の女性が自らのポテンシャルに気づき、意志と誇りをもって生きる世界を実現すること”をブランドのビジョンとし、ウガンダの工房では、都市部に暮らすシングルマザーを中心とした現地スタッフが、ハンドメイドで、バッグやトラベルグッズを製作している。
大胆な模様と原色の鮮やかな色合いの『RICCI EVERYDAY』のバッグは、ひと目をひく。ブランドの創業者で、COO(最高執行責任者)の仲本千津氏は、「このバッグを持っていると色んな人に、褒められるんです」と笑顔をのぞかせた。「電車で、突然、声をかけられることもあるんですよ」。
『RICCI EVERYDAY』は、アフリカ・ウガンダ発の日本企業だ。バッグをはじめとする同社のアイテムは、すべて、ウガンダの首都・カンパラの工房で製作している。ウガンダがどんな国かわからないという人も多いと思うので、仲本氏の言葉を借りて紹介しておこう。
「首都カンパラは標高1,200メートルほどに位置し、赤道直下でありながら高原気候。とても過ごしやすいんです。人ものんびりしていて付き合いやすいですし、ほかのアフリカの国と比べれば、治安もそう悪くありません」
現在、仲本氏は日本で生活しているが、「日本の夏と冬は、過ごしやすいウガンダに行くようにしています(笑)」
ウガンダで、アフリカンプリントに出会う
大学院でアフリカ研究を専攻した仲本氏は、2014年、アフリカの国々で農業支援を行うNGO団体の仕事で、ウガンダに駐在することになる。空き時間には地元のマーケットなどに足を運び、異文化体験を楽しんでいた彼女は、そこでアフリカンプリントに出会った。
「カラフルで見たことのないような柄が数えきれないくらい並んでいるんです。たくさんの生地から、お気に入りの柄を探すのが楽しくて、わくわくしました」
そういって、仲本氏はスマフォで撮ったマーケットの写真を見せてくれた。
「これはビジネスになるのではないかと考えました」
しかし、仲本氏に裁縫のスキルはなかった。そんな折、友人の紹介で、4人の子どもを持つ、ウガンダ人のシングルマザー、ナカウチ・グレース氏に出会う。
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Text:長谷川あや
Photos:安井宏充(weekend.)