写真家・川島小鳥が台湾で撮影した写真集『明星』への出演をきっかけに、日本で広告やCMなどのモデルとして活動をスタートさせた、ヤオ・アイニン(姚愛寗)さん。愛称はピピ。
第27回東京国際映画祭で公開され話題を呼んだ『共犯』でスクリーンデビューした後、映画『恋愛奇譚集』は初主演。日本では、雑誌で小松菜奈と共演したり有村架純をはじめとする著名人のSNSに登場したりと、いま話題の彼女へ、女優になったきっかけや日本での活動について語っていただきました。
Interview:ヤオ・アイニン(ピピ)
彼女の幸運は質が違う?
読み聞きはできても自分から話しかけるのはまだ難しいという、ヤオ・アイニンさん(以下、ピピさん)のたどたどしい日本語は妙に力強く感じられます。
そんな彼女はとんでもない幸運の持ち主のよう。
そのひとつ、2015年に日本で公開された台湾映画の『共犯』で物語の鍵になる女子高生役を得たときのエピソードには驚きました。
「大勢を集めたオーディションが行われたみたいですが、友人の紹介で監督に会って、ほとんどその場で役が決まってしまいました。台湾ではモデルを始めたばかりで、演技なんて全然できなかったのに……」
『共犯』以前には、写真家の川島小鳥さんが木村伊兵衛写真賞を受賞した写真集『明星』の中に登場していましたが、その出会いも知り合いによるものだったそう。そして今年の2月に公開された日本映画の『恋愛奇譚集』では初主演を飾ることとなりました。幸運続きのピピさんですが「そんなラッキー、たまにあります」と語ります。
カメラマンになるのが夢だった
そうした日常の中でピピさんの目に留まったものがInstagramに、自身のニックネームであるピピを使ったハッシュタグ#pipiismを付けて投稿されています。
「基本的にInstagramはお仕事風景などが中心ですが、#pipiismでは私が普段持ち歩いているフィルムカメラで撮ったものをアップしています。この世界に入る前は、ものづくりをする仕事がしたくて、カメラマンやグラフィックデザイナーになるのが夢でした」
text & interview by 田村十七男
photo by 横山マサト