イスラム組織ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃によって始まった軍事衝突は、10月7日の開始から二ヶ月が経過した。11月24日からの戦闘休止は7日間で終わり、イスラエル軍は12月1日になるとパレスチナのガザ地区への軍事作戦を再開した。12月5日時点で、双方の累計死者数は当局発表でガザのパレスチナ人が16248人以上、イスラエル人が1200人以上とされる(※)。
※出所:国連人道問題調整事務所(OCHA)
悲惨極まる状況に対して、支援団体だけでなく、世界各地のアスリートやアーティストらが寄付や発信といったアクションを見せているなか、日本の音楽シーンから有志のアーティストたちによるパレスチナ支援のための作品がリリースされた。
E.O.U、HAPPY、Mars89、SUGAI KEN、食品まつり a.k.a Foodman、チプルソら参加
全ての収益を「Medical Aid for Palestinians」に寄付することを目的としたこのコンピレーション作品『A Better Tomorrow for Palestine』には、E.O.U、HAPPY、Mars89、SUGAI KEN、食品まつり a.k.a Foodman、チプルソら、日本のアンダーグラウンドなクラブ、エクスペリメンタル、ヒップホップ界隈の人気アーティストが参加。楽曲を提供している。
プロジェクトを主宰したのは、Leo & Hinata(IG: @leop_leop/@coldpizzaishotterthan_u)が2023年11月に発足した「naru records」(IG: @narurecords)。彼らはレーベルの運営を通して、「パレスチナの問題だけでなく、様々な社会問題に音楽を通してアプローチしていきたい」と伝えている。
リリースの目的は、日本国内での寄付の呼びかけや、パレスチナで起きている虐殺に関して考えるきっかけを作ること。日本人もしくは日本を拠点とするアーティストに声をかけ、「希望 -Hope-」「平和 -Peace-」「団結 -Unity-」「愛 -Love-」といったテーマのもと、ジャンルや曲の新旧は問わず、楽器を提供してもらったのだという。
カバーデザインを担当したのは、フォトジャーナリストのPierre Mohamed-Petitと、羊文学やGEZANとのコラボレーションでも知られるイラストレーターのharune h.。
2023年12月6日よりリリース開始。Bandcamp上でのオンライン販売となる。ぜひチェックしてほしい。
naru recordsからのメッセージ
10月7日以降パレスチナで起きている大量虐殺を目の当たりにし、多くの人たちが沈黙し無関心なことや、状況を変えることのできない自分たちに、憤りを感じています。どこまで私たちは人間らしさを失ってしまったのか?私たちはみんな地球人だということを忘れてしまったのか?
このアルバムは、日本人もしくは日本を拠点に活動するアーティストの協力を得て作成されました。寄付金を集めるだけでなく、停戦を要求し、少しでも多くの人々がパレスチナの状況について考え、話し、アクションを取るきっかけになることを願っています。まだまだ、日本国内からパレスチナのために、そして平和のためにできることがあると信じています。
ここ日本では、立ち上がることをためらってしまう人たちが多くいるかもしれません。「遠く離れているから」「政治はよくわからないから」と謙遜してしまうこともあると思います。けれど、子供や市民を無差別に殺したり、特定の民族を抹消しようとすることは、決して決して許されることではありません。このままガザはなくなり、悲しい歴史として少しずつ忘れ去られていく・・・なんて未来になってしまわないよう、今すぐ立ち上がる必要があると考えています。
人類や未来への希望を失わないよう、音楽の力で団結しませんか?