ミュージシャンたちのパフォーマンスも素晴らしかった。トップバッターは〈Maltine Records〉からのリリースやtofubeats“ディスコの神様”のリミックスも記憶に新しい目下大注目の気鋭ビートメイカー、Carpainter。UKガラージや2ステップを独自に解釈したモダンで都会的なビートでユルユルと会場を盛り上げていく。Carpainterからバトンを受け継いだのは、いまこの国で最も注目されているフィメールDJのひとりといっても過言ではない、Licaxxx。ディープハウス、アシッドハウス、ロウハウスなどを軸に、短い時間ながらも見事に起承転結をつけた流石のDJプレイを披露。「やばい、可愛すぎる!」と連呼していたのは、彼女をはじめて観たと思われる女性客だろうか。そんな視覚的にも聴覚的にも優しいLicaxxxをプレイをぶった切るように、出ました、野武士、Seiho。腰までありそうな長髪を振り乱し、散弾銃をぶちかますかの如く超攻撃的なエレクトロニック・サウンドをフロアに乱射する。フロアは一瞬にして沸点に到達。クライマックスに演奏された当世のアンセム“I Feel RAVE”はやはり特別な輝きを放ち、その圧巻としか言いようのない猛烈パフォーマンスは激しい嵐の如く吹き抜けていった。
続いてステージに登場したのはChip Tanakaこと田中宏和。ゲームの効果音などを随所に散りばめた独創的なサウンドは、ファミコンの世界に迷い込んだマウス・オン・マーズとでも形容するべきか。(田中は昔にレゲエ・バンドをやっていたなどのユニークな経歴もあるようで)その膨大な音楽知識と造詣の深さの片鱗を感じさせる、実に興味深いパフォーマンスだった。そしてラストを飾ったのは田中の音楽から絶大な影響を受けたと公言してはばからないDE DE MOUSE。アンセムを連発するフロア直下型のライヴ・パフォーマンスで、終盤には『スーパーマリオランド』のエンディング曲をかけ、自身の楽曲に繋げるという田中へのオマージュもあり(なんかちょっと泣けた)、フロアを大いに盛り上げた。フロアではイマクニ?氏を見かけたという目撃情報が飛び交っていたが、事の真相は定かではない(筆者も目撃したわけではない)。
このアプリの面白さのひとつは、楽曲によってキャラクターたちが千差万別な踊りを繰り広げること。アイドルの楽曲であろうが、演歌であろうが、テクノだろうがハウスだろうが、ジュークであろうが、BP200ぐらいの高速ビートであろうが、キュートなキャラクターたちがあなたに独自のダンスを披露してくれることだろう。キャラクターは今後もどんどん追加されるとのこと。彼らのダンスがあなたの音楽ライフをより楽しいものにしてくれるはずだ。
text by Naohiro Kato
photo by 横山マサト
Release Information
Title:aDanza(エーダンサー)
Category:エンターテインメント
価格: FREE(バージョンアップ後、一部有料アイテムが追加されます)
動作環境:iOS 6.0以降。iPhone 4S~、iPod touch(第5世代~)、iPad(第3世代~)。※Android OS未対応