7月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間にわたり開催された<FUJI ROCK FESTIVAL’25>(以下、フジロック)。Qeticでは、<フジロック>現地にて、出演したアーティストのインタビューを実施。今回は、26日のFIELD OF HEAVENに出演したアフリカン・ヘッド・チャージAFRICAN HEAD CHARGE)のインタビューをライブフォトとともにお届けする。

2023年に12年ぶりの新作『A Trip To Bolgatanga』を発表し、フジロックには2011年ぶりの登場となったアフリカン・ヘッド・チャージ。40年以上にわたり唯一無二の音を紡いできたフロントマン、ボンジョ・アイヤビンギ・ノアに創作の源泉、フジロックへの思い、そして人生を導く座右の銘を聞いた。

──40年を超える活動になりますが、最も創造力が刺激されている瞬間とはどんなときですか?

私は常にクリエイティブであると感じている。11歳で学校を辞めてからというもの、ほとんど学校には通わず、ずっとドラムに打ち込んできた。だから、創造力というのは、私の中で常に流れているものなんだ。また、裕福な家庭ではなかったので、子どもの頃はおもちゃも買ってもらえず、自分で工夫して作っていたよ。そうした経験も、創造力を育んでくれたと思うね。

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──新作ではインプロヴィゼーションの比重がより高まっている印象を受けましたが、その“流れ”をどう設計し、導いているのでしょうか?

もちろんリハーサルもやるが、それ以上にドラムは「言語」であり、「コミュニケーションの手段」なんだよ。アフリカでは、ドラムを叩くこと自体が会話なんだ。ドラム同士で対話するように演奏をするし、昔からドラムには「何かを伝える」意味が込められてきた。たとえば「あっちは危険だ」とか「あっちは安全だ」とか、そういったメッセージを伝えるための手段だった。私自身も、リズムだけでなく、”会話”としてのドラムを大切にしている。アフリカにはたくさんの言語があるように、それぞれの言語に対応するようなドラムの“話し方”もまた異なるんだよ。なので、特にその”会話”の要素を演奏に取り入れているね。

──2011年以来のフジロック出演。こうした自然の中でのライブは、アフリカン・ヘッド・チャージにとってどんな意味を持ちますか?

フジロックに出演できると決まったときは本当にうれしかったよ。フジロックだけでなく、日本が大好きなので来られること自体がとても嬉しい。というのも、日本人は、互いを尊重し合う文化があり、本当に素晴らしく感じているからね。

INTERVIEW@FUJI ROCK FESTIVAL '25 AFRICAN HEAD CHARGE MG_2044

──あなたの座右の銘(一番好きな言葉)は?その理由も教えてください。

すべての人が幸せに暮らし、良い人生を送れるようにすること。それが一番大切なことだと思っている。たとえば、自分が何かを持っていて、他の人がそれを欲しがっているときに、いきなり奪うのではなく、まずは話し合うことが重要だ。そうすれば、分け合ったり、物々交換をする方法が見つかるかもしれない。暴力や力で奪うのではなく、きちんと向き合う姿勢こそが大切だと思っている。

以前、西アフリカにある「ブルキナファソ」という国を訪れたことがあるんだ。当時は軍事政権下でクーデターが起きていて、貧困も深刻だった。まだ小さな子どもたちが、食べ残しを袋に入れて家に持ち帰る姿を目の当たりにして、とても悲惨な状況だった。その後、政府の体制が変わり状況は大きく改善されて、国の資源が人々のために使われるようになり、医療が無料になるなど、人々が安心して暮らせるようになったんだ。もちろん、地方ではいまだに水不足や衛生面の問題もあるが、それでも軍事政権時代に比べて、国が「人のために資源を使う」ようになったことで、国民の暮らしは豊かになり、希望が生まれた。

人々が幸せに暮らせるようにすること。そのために、話し合い、分かち合う。そんな考え方を大切にしている。

2025.07.26(SAT)AFRICAN HEAD CHARGE
@FIELD OF HEAVEN

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Photo by Kazuma Kobayashi
InterviewPhoto by Itaru Sawada

INFORMATION

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A Trip To Bolgatanga

African Head Charge
RELEASE: 2023.07.07
LABELS: On-U Sound

国内盤CDトラックリスト
1. A Bad Attitude
2. Accra Electronica
3. Push Me Pull You
4. I Chant Too
5. Asalatua
6. Passing Clouds
7. I’m A Winner
8. A Trip To Bolgatanga
9. Never Regret A Day
10. Microdosing
11. Flim 18 (Bonus Track)

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FUJI ROCK FESTIVAL’25

7月25日(金)26日(土)27日(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場

FUJI ROCK FESTIVAL’25