エイドリアン・シャーウッド主宰 〈On-U Sound〉の看板バンド、アフリカン・ヘッド・チャージが、アフリカン・リズム×ダブ×フリー・ジャズを織り交ぜた衝撃の1stから、入手困難となっていた初期4作品を同時リイシュー決定! 全作品ベースを最大限に増幅しリマスター&DLコード付きだ。今回は順を追ってアルバムを紹介しよう。

アフリカン・ヘッド・チャージ、幻の4作品をリイシュー music160128_afc_4
1981 年にリリースされた衝撃的なデビュー・アルバム『My Life In A Hole In The Ground』。エイドリアン・シャーウッドが、自身プロデュースのトラックにボンジョ・ナイヤビンギ・ノアのハンド・パーカッションのパターンとブレイクスを乗せ、エフェクトやSun Ra流のホーン使いで音に厚みを加えている。その結果伝統的なアフリカン・リズム、ダブ、そしてフリージャズのユニークな融合が実現した。デヴィット・リンチの映画『ワイルド・アット・ハート』では陰鬱なエフェクトを施し使用され、DJにも人気の“Stebeni’s Theme”“Far Away Chant”をフィーチャー。

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1982 年に発表された2ndアルバム『Environmental Studies』では、1/4インチテープのループをマニピュレートし、様々なスピードでいじったものをマルチトラックに再録音、リバーヴとディレイを施し演奏に 活用、効果音やフィールド・レコーディングは言うまでもなく使われており、それはタイトルを見ても明白である。エイドリアン・シャーウッドの独創的なアイデアとパーカッショニストボンジョ・ナイヤビンギ・ノアが生み出す、これら初期の作品に見られるジャンル分け不能かつ不気味にコンテンポラリーなサウンドは、現在のエクスペリメンタル・ベースミュー ジック・レーベルの代表格である〈Hyperdub〉や〈Tectonic〉の前身であるといえるだろう。

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1983 年に発表された3rdアルバム『Drastic Season』。エイドリアン・シャーウッド曰く、「アクティヴ周波数やタイムノイズ、またはリズムにおける実験、そしてエンドレスなテープ・エディット」からなる作品とのこと。けだるいエコーの効いたトラディショナルなアフリカン・パーカッション・ミュージック、 フィールド・レコーディングやルーツ・レゲエが絶妙に交わりあっており、ある部分では、CANや後のTortoiseにも通じる。

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1986 年に発表された『Off The Beaten Track』は、未だに先進的かつダブとエレクトロニック・ミュージックの間をいく新しいサウンドを提案している。プログラムされたチャントや犬の鳴き声、ジプシーのヴァイオリン・ループなどユニークなサウンドが、滑らかなリズムの上に乗っている。サンプリング・テクノロジーと生楽器の融合 サウンドにおけるランドマーク的な作品。

どれも聞き逃せない良質な楽曲たち。ぜひ手に入れてみてほしい。

RELEASE INFORMATION

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edit by Qetic・Rina Kawarai