bedがライブレコーディング・アルバム『Archives:May 27th, 2023』を8月30日にリリースした。
望まなくとも変化してしまうであろう曲たちの現状地点──bedがライブレコーディング・アルバムを発表
2022年に活動をスタートした4人組オルタナティブロックバンドのbed。その圧倒的なライブパフォーマンス力が話題を呼び、活動開始から1年半足らずで、渋谷・WWW Xやclubasiaといった300~600人キャパシティのベニューを満員に。そんな彼らは、今回初めてのリリースするアルバム尺の音源を、「1stアルバム」ではなく「ライブレコーディングアルバム」、ないしは「アーカイブアルバム」と呼ぶ。内容はタイトル通り、今年の5月に行ったライブレコーディング音源を集めた作品だ。
これまでにリリースしたシングルのライブレコーディングバージョン4曲と、ライブではおなじみだが音源としては初公開となる“2003”、“ISEI”、“Eventually”の7曲が収録されている。なお、本作のリリースとともにサブスクリプションサービスでは上記シングルから“mother ship”以外の3曲がテイクダウンされた。
リードトラック「2003」のMVが公開|クリエイティブクルーのLossがディレクション~撮影を担当
またリードトラック“2003”のMVが公開。曲名は原型が生まれたセッションの際、「2003年のコールドプレイ」と形容したことが由来となっている。これまでのbedのMVやアートワーク、写真、ライブ映像などのすべてを手掛けてきたクリエイティブクルーのLossがディレクション~撮影を担当した。
ツアーを打つ、フェスに出る、メディアに出る、そのためにアルバムを出す。
そんなやり方はbedには必要ない。
そのために妥協をして、作品を出したことで後悔までしているバンドを幾つも見てきた。
bedの1stアルバムは、まだ少し先でいい。
またミュージシャンとしての”充足感”を、リリースした際のSNS上のリアクションや、各プラットフォームの再生回数等に求めてしまう呪縛(かつてのバンドではそれを求めたこともあるからこそこう言わせてもらう)からも、bedが始まったことで完全に解放された。
何かに急かされ、自分たちを急かした作品を残していくことはもうない。
強くそう思えるのは、ステージの上で本物の、生命力のあるリアクションを感じているから。
拠点は東京の限られたエリアの限られたベニューのみ。それでもそこには、bedのようなバンドがこの国で存在していく上での全てが既にあると感じられる。他では得られない、当事者にとっても不思議な力が今のbedの現場にはある。
この”アーカイブアルバム”は活動して1年少しのbedが、自分たちのために残した記録。今後も演奏し続けることで、望まなくとも変化してしまうであろう曲たちの現状地点のようなものだ。
bed