世界最高峰のピアノ・マン、ビリー・ジョエル。哀愁漂う口笛がたまらない代表曲“ストレンジャー”に象徴されるように、都会の孤独をかっこよく歌わせたらピカイチ。「誠実って、なんて哀しい言葉なんだ」と歌う“オネスティ”も有名ですね。ニューヨークの顔といえば今はジェイ・Zですが、70〜80年代はズバリこの方でした。最近だと、<サマーソニック>出演も決まったロバート・グラスパーも大ファンだとか。
Billy Joel –“The Stranger”
天才的メロディメーカーとして数々のヒット曲を産み、圧倒的なレコード売上記録を誇るビリーですが、どうやら全米中で再評価の機運が高まっているようです。今年はなんと、お膝元のマディソン・スクエア・ガーデンで12カ月連続となる公演企画も敢行中。3月には、こんな動画も話題になりました。米NBCの有名なトーク・バラエティ番組「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」に出演したときの模様で、本稿執筆時点での再生回数は850万回! まずはコチラをご覧ください。
Billy Joel and Jimmy Fallon Form 2-Man Doo-Wop Group Using iPad
司会のジミー・ファロンと見事な即興セッションを演じるビリー。たった2人でドゥーワップのコーラス隊になりきっています。録音/再生にはiPad miniの「Loopy HD」というアプリが使われているそうですが、いやはや粋ですねー。歌唱力の健在ぶりはもちろん、こんな楽しく今っぽいやり方でヴェテランの魅力を引き出しているのもお見事。アメリカの文化的豊かさを感じずにはいられません。
ところで、なぜ今ビリー・ジョエルなのでしょう。実は昨年から今年にかけては、転機となったセカンド・アルバム『ピアノ・マン』から40周年、初来日から35周年、生誕65周年と、アニバーサリーずくめ。絶世のピアノ・アイコンを祝福するため、日本でも5月21日(水)に関連作が4枚同時リリースされます。
まずは最新ベスト『ピアノ・マン:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ』でビリー・ワールドへ。お次はファン大興奮、冷戦真っ最中のソ連に乗り込んだ『マター・オブ・トラスト:ブリッジ・トゥ・ロシア』のデラックス・エディション。名演が3枚組の豪華仕様で甦ります。さらに、日本人アーティストによるトリビュート盤『We Love Piano Man』は、アンジェラ・アキを筆頭に、田島貴男や槇原敬之、土岐麻子と豪華すぎる顔ぶれが集結! そして、全米人気ドラマ『glee』とビリーの楽曲が融合した『ムーヴィン・アウト~glee sings ビリー・ジョエル』も見逃せません。こちらもお茶の間レベルでのビリー再評価に一役買ったようです。
Glee –“Just The Way You Are”
今夏にはビリーが主役のラジオ番組も現地でスタートするなど、盛り上がりは最高潮。そこでWOWOWでは、5月11日(日)放送の「洋楽主義」でビリー・ジョエルを特集します。MVやライヴ映像、インタビューなどを織り交ぜながらアーティストの核心へ迫るこの番組、ビリー(再)入門にもバッチリですので是非チェックを。
(text by Toshiya Oguma)
Billy Joel –“Honesty”
Program Information
洋楽主義 ビリー・ジョエル
2014.05.11(日)11:00 –
放送チャンネル:WOWOWライブ
★“Piano Man”、“New York State Of Mind”と名曲揃い! こちらの放送もあわせて必見!!
ビリー・ジョエル ライブ・イン・コネチカット 1976
2014.05.11(日)12:00 –
放送チャンネル:WOWOWライブ