次の“Take My Heart”ではキーボードの前から立ち上がり、スタンドマイクで身振り手振りを交えながら歌い上げる。そして、バーディーがバンドのメンバーを1人1人紹介をする。バーディーをサポートするメンバーには元アッシュのシャーロット・ハザレイなどが顔を連ねており実力・実績のあるメンバーが多い。そんなメンバーに支えられて、バーディーの声と素晴らしいコーラスが絶妙なハーモニーを奏でる“Lifted”を披露する。次に、2枚目のアルバム『ファイヤー・ウィズイン』の1曲目収録の“Wings”を演奏。ベースのサポートメンバーが観客に手拍子を促し会場が徐々に一体となってゆく。「バーディー、アイ・ラブ・ユー。」という声が飛ぶなど会場の雰囲気が盛り上がる。
Birdy – Wings (Official Video)
そして、最後の曲として『ビューティフル・ライズ』からの1stシングルで各国のヒットチャートでランクインを果たした“ Keeping Your Heads Up”を演奏する。今度は観客の間で自然発生的に手拍子が巻き起こり、身体を揺らし、会場の盛り上り最高潮に達する。
Birdy – Keeping Your Head Up [Official]
最後の曲が終わり、バーディーが退場しても歓声と拍手が鳴り止まない。すると、バーディーが再び登場し“Winter”を歌う。そして最後は、「どうもありがとう。これが最後の曲です。“Skinny Love”。」と言い、2011年にリリースされ世界的な注目を得るきっかけとなったアメリカのインディ・フォークバンド「ボン・イヴェール(Bon Iver)」の“Skinny Love”のカバーを演奏する。“Skinny Love”を待ちわびていた客席のあちらこちらから歓声があがり、最後の曲にして今日一番の盛り上りをみせる。バーディーの伸びやかで透き通った歌声が六本木の夜に響き渡り最高の締めくくりとなった。
バーディーがステージを後にする前に、バーディーとサポートのバンドメンバーが一列に並び観客のスタンディングオベーションに応えるという一幕もあった。
Birdy – Skinny Love [Official Music Video]
今回のライブをみて、この規模の会場でバーディーを観ることは、もう叶わないのではないかと感じさせる圧巻のパフォーマンスだった。実際に2016年10月に行われるロンドン公演の会場は3,655席の規模を誇り、ザ・ビートルズ、クイーン、ニール・ヤングなど錚々たるメンバーがライブを行った老舗劇場「イベンティム・アポロ」に決定している。このように、イギリスではスタンディングも含めると5,000人を超える規模の会場でライブを行えるくらいに人気を集めていることがわかる。
次回の来日では、圧倒的なパフォーマンスでより大きな規模の会場を包み込むバーディーを観ることができるのではないだろうか。次回の来日公演が近い将来実現することを願いたい!