ボーズ・オブ・カナダ(以下BOC)が約8年ぶりに新作『トゥモローズ・ハーヴェスト』をリリースすると発表された。主にエレクトロニカ、テクノやアンビエントに興味のあるリスナーにとってはこれは「事件」だろう! TL(タイムライン)として時代やトレンドが分速、秒単位で移り変わる超特急な時代に、なんと8年もの歳月を経て彼らが戻ってくるのだから。
幾多のフォロワーを産むこととなった前々作『ジオガディ』が12年前、サイケ感溢れるオーガニックなエレクトロニカの名盤として君臨する前作『キャンプファイアー・ヘッドフェイズ』から8年。だから今の若いリスナーにとっては「ダレ?カナダの国境のアーティスト?」なんて人もいそうなので、我らQetic編集部では彼らの謎めいた足跡をまとめてご紹介イタシマス!!
そもそも「ボーズ・オブ・カナダ」ってダアレ?
ユニット名に”カナダ”が入っているからといって騙されてはいけません。実は、スコットランドのエディンバラ出身のマーカス・イオンとマイク・サンディソンの2人組ユニットです。ユニット名は、カナダ国立映画制作庁NationalFilm(NationalFilm Board of Canada)が制作した教育ドキュメンタリー作品のサウンドトラックを模倣した曲を作り始めたことに由来します。
実は二人は兄弟だった!?
意外とこの事実は近年までは隠していたらしく、ちょうど彼らが出立ての頃はオービタルなど兄弟によるユニットが複数活躍していた時期で、それらのアーティストを意識してか、ここ最近まで兄弟であることを隠していたそうです。
実は初期作品のリリースは〈Warp〉ではなかった!!
今でこそ〈Warp〉印のアーティストと見なされるBOCも、初期は自主(今でもクレジットされる〈Music70〉が自主レーベル名)でカセットテープを中心として音源をリリース。ごくごく身内に向けた活動が多かったのですが、この頃のレアな音源は『Old Tunes』と名付けられ今ではネットを介して流出。本当にBOCの初期音源なのか? と論争される中、映像の奇才クリス・カニンガムが、その中の「5.9.78」を日産のCMに使用し一部で話題となりました。
14 – Engine – Nissan commercial. Featuring music by Boards of Canada