John Davis presents
Body & SOUL Live in Tokyo 2012
2012.08.05(日)@晴海客船ターミナル

、カモメが飛んでるよ。エントランスで入場の手続きをしていると、後ろのほうから子供の声が聞こえてきた。絵に描いたような夏の青い空と白い雲。海からは清々しい風が吹き寄せてくる。まだ朝の涼しさが残る晴海客船ターミナルにはなんとものどかな空気が漂っていた。

8月5日(日)午前11時、開場したばかりなので、まだお客さんはほとんどいなかったが、レインボーブリッジを背景に設置されたDJブースには早くもダニー・クリヴィットジョー・クラウゼルフランソワ・ケヴォーキアンの3人がいて、ジャズやアンビエント調の曲をゆったりとプレイし、来場者たちを迎えている。なんとまあ贅沢なオープニングだろうと、その心地よいサウンドに身を委ねながら、会場を散策してみた。このところ毎回場所を変えて開催されている<Body & SOUL Live in Tokyo>だが、今回の「晴海客船ターミナル」は抜群に素晴らしいロケーションだ。レインボーブリッジや都心部が海越しに一望でき、夕刻には高層ビル群に太陽が沈み、鮮やかな夜景へと移り変わっていく贅沢な時間の経過を堪能することができる。こんな至福のロケーションで世界最高峰のハウス・パーティが繰り広げられるなんて……、ただただ開催者の尽力に感謝するばかりである(実際にこの場所での開催にあたりいろいろ調整が大変だったらしいです)。

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正午過ぎにはかなりの人が来場し、会場を埋め尽くしていた。子供を連れてきている人も多い。フランソワがこれまでのゆるやかな選曲から一転、ギアを1、2段上げるかのようにミニマルなテクノをプレイすると、会場が一気に沸いた。続くジョーはこれをトライバルなアフロ・ミュージックに繋ぎ、ダニーもとっておきのディスコ・チューンをもってこの流れに大きく賛同する。今日も3人の呼吸は完璧だ。およそ9時間にわたる時間の中でハウス、テクノ、ソウル、ファンク、ディスコ、ジャズ、アフロ・ミュージック、エレクトロ、ダブ……さまざまな名曲、クラシックがプレイされた。サンセットを望みながらのニューヨリカン・ソウル“It’s Alright, I Feel It! ”は今回のハイライトのひとつと言える盛り上がりだったし、ドナ・サマーの“I Feel Love”やホイットニー・ヒューストンの“Love Will Save the Day”といった今年他界した偉大なるディーヴァたちへのオマージュと言える選曲も印象的だった(どれももともとボディ&ソウルのアンセムと言える曲だけど)。3人のレジェンドがバック・トゥ・バックで作り出す魔法のような時間は、あっという間に過ぎていく。フロアは笑顔で溢れ、ハウス・ミュージックの懐の広さ、祝祭性をめいっぱい堪能した。

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バーや飲食店の数もちょうどよく、並ぶのにストレスを感じることなどなかったし、フロアの上部に張られたタープ状の帆が適度な日陰を作っていて、炎天下で体力を無駄に消耗することもなかった。また会場では風営法改正の署名もおこなわれていのだが、かなりの数の人たちが署名をおこなっていたとのことだ。こうして書いていると、敢えていいところばかりピックアップしているようだが、実際にいいところばっかりだったのだ。

最後に余談だが、ジョー・クラウゼルは2週連続で首相官邸前のデモに参加していたそうだ(もちろん、間にアメリカに帰っている)。さらには<Body & SOUL Live in Tokyo>の前日の土曜日には代官山のAIRでおこなわれていた<groundrhythm× Crue-L>のフロアで朝方まで普通に踊っていたらしい(笑)。根っからダンスが好きで、わざわざ日本のデモに参加してしまうくらい日本のことを考えてくれている。そんな人柄だからこそ、こんないいパーティを作ることができるんでしょうね。来年も大いに楽しみにしたい(個人的にはまた晴海客船ターミナルを希望)

(text by Naohiro Kato)

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