2012年、ニューヨーク人気ラジオ局WNYCが主催するバンドコンテスト<The Battle of the Boroughs>で移民の街ブルックリンのローカルファンから絶大な支持を得てブルックリン代表になると、クイーンズ、ブロンクス、マンハッタン、スタテン島のニューヨークシティー5区、542バンドの中から、見事ニューヨーク王者に輝いた実力派バンド、ブラウン・ライス・ファミリー(Brown Rice Family)。
昨年行った来日公演では、初来日に関わらずチケットがソールドアウトとなった彼ら。会場に押し寄せた国内のオーディエンスたちを、世界各地のルーツミュージックをブレンドした、独自のジャムスタイルで沸かせていた。そんなブラウン・ライス・ファミリーが、今夏、戻ってくる!! しかも6月にはセカンドアルバム『Havana to Kingston』もリリースしたばかり(日本盤は発売未定)の絶好のタイミングだ。今回の公演では一足先に新曲を聴くことができるかも?!
ということで、今回はブルックリン発の実力派ワールド・ルーツ・サウンドを体感できるチャンス到来に備えるべく、ブラウン・ライス・ファミリーの歩みと前回の来日公演でのパフォーマンス、そして来日公演の見どころをおさらいしてみたいと思う。
ブラウン・ライス・ファミリーってどんなバンド?
▼Brown Rice Family : Souljah
ニューヨークはブルックリンを中心に活躍しているバンド、ブラウン・ライス・ファミリー。日本人のYuichiをリーダーとし、ジャマイカ、ハイチ、ナイジェリア、アメリカなど、音楽から文化まで全く異なるバックグラウンドを持つ世界各地から集まった9人の多国籍なメンバーで構成される、まさにインターナショナル・バンドだ。
Brown Rice Family =「玄米家族」、というオーガニックさを感じさせるバンド名は、ジャマイカのラスタ生活に欠かせないアイタルフード(=生きた食べ物)への共鳴からきている。レゲエ独特のゆるいリズムに乗せた歌詞は、ヘルシーなライフスタイル、世界の平和、グローバルな連帯化という、このインターナショナルなバンドだからこそ体現できる強いメッセージを発信し続けているのである。
一期一会なジャム遊びから生まれている個性が凝縮されたカラフルなサウンドは、レゲエ、スカ、ダンスホール、ラテン、ヒップホップなどの文化にルーツを持つメンバーだからこその音楽要素を織りなし、ジャンルの枠にはまらないボーダレスなサウンドを体現化。
多民族、異文化が交じり合うエリアであるニューヨーク・ブルックリンという土地の空気感を大切にしつつ、メンバーそれぞれが強烈な個性を放つステージパフォーマンスは、観る者すべてを虜に! だからこそ、冒頭で紹介したように、<The Battle of the Boroughs>にて見事ニューヨーク最高のバンドの栄光を得ることになったのだろう。
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