ALIVE presents REBOOT
feat. Charlotte de Witte, Tommy Four Seven
2019.09.06@SOUND MUSEUM VISION TOKYO
たった1人で何十万もの観衆を踊らせ続ける女性がいる。<Tomorrowland><AWAKENINGS><Time Warp>などの世界的フェスに出演し、各所から引っ張りだこのDJ・Charlotte de Witteだ。伝説的な夜となった渋谷・Contactでのプレイから早1年、ついに待望の再来日が、SOUND MUSEUM VISION TOKYOで開催されたテクノ・パーティ<ALIVE presents REBOOT>で実現した。
最初から最後まで全力疾走する硬派なテクノ・セットの一夜
記念すべき一夜に花を添えるのは、錚々たるREBOOTのメンバーたち。開始からわずか1時間、先陣を切るDJ・TAKAMIの手によって、すでにテクノ・ミュージックに浸るのに十分なフロアが目の前に。多くの人が笑顔で身体を揺らす前で、彼も時折腕を突き上げて、パーティの開始を全員と祝福している。
0時を超えた辺り、バーカウンターや通路に人が溢れ始め、フロアの中心部には深く音楽に浸るテクノ・フリークスが集まっている。その眼前に、本日2人目のDJ・MAYURIが登場。彼女は踊らない瞬間など必要ないというようにベース音をゴリゴリと鳴らし、容赦なくフロアのギアを上げていく。
メインのGAIASTAGEから少し離れて、奥のDEEPSPACEを盛り上げるのは本日のもう1人のゲストTommy Four Seven。この日誰よりも攻撃的なサウンドを鳴らし続けたのは、間違いなく彼だろう。重低音がこれでもかとのしかかり、激しく照明が点滅するフロアで無心に踊るオーディエンスの眼光も鋭い。こちらのフロアも前から後ろまでパンパンに埋め尽くされ、ビリビリとした熱気に包まれていた。
深夜も2時を回ろうかという頃、メインフロアを回す3人目のDJ・Q’HEYがプレイしている間も、スピーカーから発せられる音は重さとボリュームを増していく。一歩一歩がズシンと響き、皮膚、鼻腔、歯…身体中が振動する。オーディエンスからはすでに拍手が沸き起こり、もう最高潮と納得できるほどの熱狂にフロアが包まれていく。
時刻はすでに午前3時を指しているにも関わらず、フロアは全く疲れを見せない。むしろ今からが本番と言わんばかりに一斉に歓声が上がり始める。ついに世界を相手にプレイするDJ・Charlotteが姿を現したからだ。
フロアの温度は急上昇し、彼女がプレイし始めてわずか10分程でガラスが曇り、床が滑り、壁には水滴が滴る。さらにどこまで上がるんだという爆音で、呼吸をして立っているのもやっとの迫力だ。貪欲なオーディエンスに対して、美しい姿からは想像できない激しいサウンドを繋いでいくCharlotte。フロアをドライブする彼女の面持ちも次第に真剣になり、会場全体が研ぎ澄まされていく。
意を決し人の波をかき分け中心部へ向かってみれば、ぶつかる人の肌は濡れ、髪の毛から雫が飛び散ってくるほど。もはや暴力的と言えるほどに鳴らされるハードテクノ・サウンドの中を走り続け、フロアの意識は最深部へと向かっていく。フロアの空気に引っ張られて、音楽と身体がシンクロするのに数秒もあれば十分だ。
朝の5時にも差しかかろうという頃ですらパーティの勢いは衰えず、Charlotteが怒涛のアッパートラックを連続投下し、クライマックスへと導いていく。
長距離マラソンのような過酷でストイックな時間を、DJもオーディエンスも全力で駆け抜け、時間はあっという間に過ぎていく。まさに世界の実力者のボルテージは、パーティが終わる最後の瞬間まで留まるところを知らない。会場を後にする人の姿も、どこかやり切ったというような達成感に包まれていた。
常に沸点を超え続け、どっぷり音楽に身を委ねる空間を生み出したこの日の<ALIVE presents REBOOT>は、ゲストDJ・Charlotteと共に伝説的な一夜を築き上げただろう。間違いなくこの日、東京のクラブシーンは再び更新された。
Photo by Hideyuki Uchino
EVENT INFORMATION
ALIVE presents REBOOT
feat. Charlotte de Witte, Tommy Four Seven
2019.09.06(金)
OPEN 22:00/CLOSE 05:00
SOUND MUSEUM VISION
LINEUP
-GAIA-
DJs:Charlotte de Witte、Q’HEY、MAYURI、TAKAMI
VJs:HATEGRAPHICS、Camel
-DEEP SPACE-
DJs:Tommy Four Seven、DJ SAIMURA as Minima Liebenz、TOMO HACHIGA〔HYDRANT〕
etc