2013.07.04(TUE)@UNIT
ダンス・ミュージックの快楽性をストイックに追求したマスター・ピース『THR!!!ER(スリラー)』を引っさげて、チック・チック・チックが3年振りに来日を果たした! 本国アメリカでは勿論、世界各国での人気も鑑みると、到底考えられない規模の会場・代官山UNITでのプレミアムな公演ということもあり、4日の単独公演のチケットは即完。3年振りの来日をオーディエンスも待ち望んでいたようで、開演前からフロアはムンムンとした熱気に包まれていた。
激短ショーツを身に纏いステージに表れた、ニック・オファー(Vo)のしなやかな身のこなしに、観客からは悲鳴にも似た歓声があがる(因にこの日履いていた短パンの柄は、ローリング・ストーンズ、78年の名作『女たち』のアルバム・カヴァー。ライヴ2日間、というか、ずーっと履きっぱなしだったらしいです…驚愕!)。この日、チック・チック・チックが1曲目に選んだのはニューアルバムから“Get That Rhythm Right”。ファンキーなギター・フレーズと打ち込みのダンサブルなサウンドに会場は静かに揺れ始める。う~ん、なんかセクシーな雰囲気だなぁ。冷静さと狂気を呼び起こす熱をはらんだ、クラブ・ミュージック・テイストのこの一曲は、今回のアルバム全体のムードをよく表している。散漫にならない、作り込まれたサウンド。非常に上質で「アダルト」なダンス・ミュージックが体現されている。今回の90分のショーにおけるセット・リストは、そんなチック・チック・チックのニュー・モードを感じさせる新作からの楽曲を中心に構成されていた。
でも、アダルティなムードの楽曲でもしっかりと踊らせちゃうのがチック・チック・チック、「パーティ・モンスター」と呼ばれる所以。フェロモン全開で腰をブリブリと振りまくり、汗だくで会場を所狭しと駆け回るニックのステージ・パフォーマンスはもちろんのこと、バンド・メンバー6人の演奏するサウンドも、1つの塊のようになって押し寄せてくる。澄ました顔で腕組みなんて、とてもじゃないけどしてられない…身体を動かさずにはいられないのだ!!!
ライヴ中盤に差し掛かり、焦らしに焦らされてもう我慢限界になった会場にドロップされたのは、新作のリード・トラック“One Girl / One Boy”! 70年代ディスコ風のグルーヴィーでリッチなサウンドにノって踊りまくる会場。この曲と次に披露されたクラブ・チューン“Except Death”では、ダン・ゴーマン(G,Keys,Tp)の友人であるヴォーカリスト、Kaoriがゲストとして登場するというサプライズな演出も。その後もヴォルテージが最大限にまであがった会場に息つく暇も与えず終盤にかけて、“Jamie,My Intesntions Are Bass”や“Hearts of Hearts”など、過去のアルバムからのヒット・アンセムを次々と叩き付けていく、チック・チック・チック。最後の一曲まで最高にポジティヴでエネルギッシュなパワーを放ちながら、全速力で駆け抜けていった。
アンコールを含め90分、本当にあっというまのライヴだったが、踊り騒いでぐちゃぐちゃに汗だくになったオーディエンスは、みんななんだか幸せそう。カッコいいダンス・ミュージックで、踊りまくる夏の夜…なんて、本当に最高じゃないか! 進化し続ける、ハイパー・ライヴ・バンドチック・チック・チックの、最高の音楽で踊るこの幸せを、今度はなるべく早く、そして、もっと多くの人と分かち合いたいなんて思うのはわがままだろうか…。ダンスの練習して待ってるよ!
text by Jin Otabe
photo by Masanori Naruse
Setlist
GET THAT RHYTHM RIGHT
All My Heroes Are Weirdos
Californyeah
EVEN WHEN THE WATER’S COLD
ONE GIRL / ONE BOY
EXCEPT DEATH
Station
CAREFUL
SLYD
JAMIE,MY INTENTIONS ARE BASS
ME AND GIULIANI(DOWN BY THE SCHOOL YARD)
YADNUS
HEART OF HEARTS
encore
Must Be The Moon
INTENSIFY
★Qeticでは後日ニックのインタビューもお届け! そちらもお楽しみに!!
Release Information
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