NY生まれのブランド、Manhattan Portageによる都市型音楽プロジェクト<City Connection>。’19年にUNITの3フロアを全面開放したキックオフイベントからはじまり、またコロナ禍においてもDOMMUNEにて仮想ライヴ空間を生み出し、人数制限を設けて開催したLIQUIDROOMからは生配信もおこなうなど、素晴らしい音楽を届け続けてきた本企画だが、今回は渋谷・SOUND MUSEUM VISIONにて、7月10日(日)に開催される。
今回の出演は計15組。東京という都市と繋がりを持つ彼らが、今年の9月にクローズを迎えるSOUND MUSEUM VISIONから都市の生活を彩る。来るべき極上のダンスフロアをより楽しむために、本記事では彼らの直近の動向も含めラインナップを紹介する。
City Connection ’22 – Teaser Movie
2022.07.10(日)
City Connection powered by Manhattan Portage
AAAMYYY
2017年に活動を始めたAAAMYYYは、周辺のアーティストと積極的に関わりながら、自身のサイケデリックな世界をジリジリと敷衍させていった。彼女はTempalayのメンバーであり、木村カエラやDAOKOに楽曲を提供する優れたソングライターでもあり、東京のアンダーグラウンドとマスを繋ぐ稀有なトラックメイカーでもあるのだ。
今回の<City Connection>はソロでの出演となる。昨年発表した2ndアルバム『Annihilation』には石若駿やTENDERが参加するなど、非常に高い注目度を誇っている彼女。(sic)boyを迎えたシングル“雨 feat. (sic)boy”も記憶に新しい。多方面に活躍するAAAMYYYのエッセンスを余すところなく感じてほしい。
AAAMYYY – 雨 feat. (sic)boy [Official Music Video]
DJ DISK
岡山出身のDJ・プロデューサー。Daichi YamamotoやMIYACHIの楽曲プロデュース、Fendiやadidasなどへのサウンド提供など、彼の作り出すドープかつ洗練された都会的なトラックには数多くのクリエイターが共鳴している。kZmやCYBER RUIらが出演した『Red Bull RASEN』のビートをプロデュースしたことで認知した方も多いだろう。
彼のスタイルは新旧織り交ぜたミックススタイル。<City Connection>では、一体どのようなフロアを作り上げてくれるのだろうか。10年以上もクラブシーンで活躍するDJ DISKと共に踊り明かそう。
JUBEE/Space Boy/CYBER RUI/kZm/prod. by DJ DISK|Red Bull RASEN
どんぐりず
群馬県桐生市でその活動を開始し、来年には活動10周年を迎えるどんぐりず。耳に残り続けながらもクールな面を見せる森のライミングと、曲調とサウンド・デザインをカメレオンのように変化させるプロデューサーのチョモによるトラックは中毒性抜群だ。去年発売されたEP『4EP1』収録の“NO WAY”がアルゼンチンやチリのバイラル・チャートで1位になるなど、スペイン語圏を中心にその名はワールドワイドなものになっている。
そんな彼らは、今や音楽フェスに引っ張りだこだ。<FFKT>や<森、道、市場>、<FUJI&SUN>などに出演、その後も<FUJI ROCK FESTIVAL>や<りんご音楽祭>などの大型フェスティバルに名を連ねるなど、間違いなく今夏を盛り上げる主人公だ。彼らの熱狂の渦に身を委ねよう。
どんぐりず(DONGURIZU)- Woo
JUN INAGAWA
LAを拠点に活動する漫画家・グラフィックアーティスト。ヒップホップとオタク・カルチャーを接続する稀有なアーティストとして、若干23歳にして銀杏BOYZやNEIGHBORHOODとコラボを果たす。今年の初めにはビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)のツアー衣装を制作したことでも大きな話題になった。
JUN INAGAWAの才気は、もはやグラフィックのみには止まらない。彼はオカモトレイジ率いる奇才集団「YAGI」でもDJとして活動し、幅広いイベントに出演している。6月11日には渋谷 Contactで彼のバースデイ・バッシュが開かれ、石野卓球やLicaxxxらと共に渋谷の夜を狂乱の渦へと誘った。今回はどのような世界を見せてくれるのだろうか、今から楽しみだ。
DJ:Jun Inagawa|POST-FAKE
Kick a Show
新潟県佐渡島出身、現在は東京を拠点に活動するR&Bシンガー・Kick a Show。TOKYO HEALTH CLUBやeillとのコラボを経て、Mondo Grossoのアルバム『何度でも生まれ変わる』(2017)にもゲスト・ボーカルとして参加した。彼のフレッシュさと大人の余裕が同居する唯一無二の歌声は、数多のコアなオーディエンスやプロデューサーを魅了し続けている。
彼のスタイルは「R&B×昭和歌謡」。モダンな匂いを残しつつ現代的なUS R&Bのフレーバーを散りばめたトラックがディスコグラフィに並ぶ。Original Loveの“接吻”や中森明菜の“スローモーション”のカバーも素晴らしい。彼が渋谷の夏夜をどう切り取るか注目だ。
Kick a Show – 接吻(Official Visualizer)
kZm
〈YENTOWN〉の一員として、もはや現行の日本語ヒップホップの顔役的な存在にまで上り詰めたkZm。2020年に発表した傑作2ndソロアルバム『DISTORTION』には野田洋次郎(RADWINPS)や小袋成彬、Tohjiなどの豪華アーティストが参加し、自身が東京のヒップホップシーンの爆心地であることを証明した。
オルタナティブ・ロックをルーツの一つに持つkZmのサウンドは、人を選ばない親しみやすさがある。先月の<POP YOURS 2022>でのパフォーマンスも忘れがたい。数々の大舞台を経験し、脂が乗り切っている彼のステージを見逃すな。
kZm – Aquarius Heaven(Live at POP YOURS 2022)
Licaxxx
東京を拠点に活動するDJ・ビートメイカー。自身のカラーを持ちながらも、オーディエンスとの関係性を計り続けるプレイスタイルは、新世代のDJスタイルとして脚光を浴びている。近年では『Tokyo Community Radio』パーソナリティや後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)による「APPLE VINEGAR -Music Award-」選考委員など、マルチに才能を発揮している。
東京のクラブシーンから常にラブコールを受け、Licaxxxはこれまで数多のフロアをメイクしてきた。渋谷の夜を知り尽くした彼女が、一体どのような選曲をしてくれるのだろうか。当日のフロアを想像しながら待ち望んでほしい。
MÖSHI
NYを拠点とするミュージシャン・ファッションデザイナー。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ芸術大学を卒業したのちに、UNIQLOからスポンサーシップを受け、現在はNYのパーソンズ美術大学へ通う。<FUJI ROCK FESTIVAL 2020>の 「ROOKIE A GO-GO」に出演するなど、国内外で高い評価を得ている。
様々なジャンルが混濁したイルなトラックと、深く内省を誘うバリトンボイスから繰り出される切ないリリックがMÖSHIの特徴だ。ヴィジュアルとサウンドの双方から語りかけてくる彼の世界観に思いっきり浸ってみてはどうだろうか。
MÖSHI – 1 Meter(Official Music Video)
おかもとえみ
神泉系バンド・フレンズのメインボーカルであり、特撮愛に貫かれた5人組・科楽特奏隊の一員でもある、おかもとえみ。卓越した人物描写が特徴的なリリックは注目を浴び、2019年に発表された1stソロ・アルバム『gappy』は各方面から絶賛。PARKGOLFやEVISBEATS、Kan Sanoらのトラック提供や堀込泰行(KIRINJI)の楽曲提供など、バラエティに富んだ秀作として評価されている。
物憂げなハウスをベースにしたビートの上で切ない堕落を歌う意欲作“fall”など、秀作を発表し続けている彼女。今回はソロでの出演で渋谷の彩る。ジャンルを飛び越えたトラックの上で、伸びやかに響く彼女の歌声を堪能してほしい。
fall/おかもとえみ(Official Audio)
Rave Racers
Creative Drug StoreのメンバーでもあるJUBEEが立ち上げたダンスミュージックプロジェクト。レイヴミュージックを軸に、ファッション、アート、映像等 で共鳴したPunkspider、CYBERHACKSYSTEM、Lil Nostalgia 93、S2、DJ Steiner Brothersなどのメンバーを中心に活動している。
彼らは90〜00年代のカルチャーをリファレンスにしつつ、フロアとサイバー空間を行き来するような異質のサウンドを展開する。どこか懐かしく、それでいて東京のアンダーグラウンドの最先端を這うようなトランス感覚をぜひ味わっていただきたい。
S2|Digital Live – JUBEE&Rave Racers|#1
Sam is Ohm
プロデューサー・DJとして活躍するSam is Ohm。lyrical schoolやKEN THE 390への楽曲提供、2019年には倖田來未のリミックスを手掛けるなど、その才覚を遺憾無く発揮。Buddy、ROVIN、 Kick a Showの3人と結成したコレクティブ・ユニット「B-Loved」でも精力的にリリースを続けている。
今回の<City Connection>ではDJブースに登場。彼のメロウなプレイによって、VISIONのフロアがローテンションに加熱されていく光景が今から楽しみだ。存分に腰を揺らせる準備をしていただきたい。
B-Loved(Buddy, ROVIN, Kick a Show, Sam is Ohm)|FURIN【Official Lyric Video】
SIRUP
R&B/ソウルからヒップホップまで、歌とラップの間を漂いながらオーディエンスの心を掴んで離さないシンガー、SIRUP。「THE FIRST TAKE」への出演やHonda・ヴェゼルCMソング“Do Well”の提供など、その知名度は全国区へと進出している。11月には自身初となる武道館公演も控え、完全に波に乗っている状態だ。
シンガポールのR&Bバンドであるbrb.とのコラボソング“friends”も、これから到来する夏へのムードを盛り立ててくれるご機嫌なポップスだ。今年の夏のキックオフを、ぜひ渋谷でSIRUPと共に。
brb.&SIRUP – friends(Official Music Video)
TOSHIKI HAYASHI(%C)
東京を拠点に活動するビートメイカー・プロデューサー。彼なりのブーンバップを前面に押し出したスタイルは多くの共感を集め、Awesome City Clubやiriなど名だたるアーティストに楽曲提供を行う。またchelmicoにはDJで参加するなど親交が深く、鈴木真海子“Contact”のTOSHIKI HAYASHI(%C)によるリミックスはYouTubeで250万回再生を突破した。
<City Connection>ではDJとして渋谷の夜を彩る。スムースな楽曲をプロデュースする彼が作り出すフロアには、どのような光景が広がっているのだろうか。その身をたっぷり委ねながらグルーヴィーなムードに浸ろう。
TOSHIKI HAYASHI(%C)/Dream Theater Music feat. LIBRO -Official MV-
矢部ユウナ
静岡県出身のYouTuber・モデル・DJ。高校在学中にティーン向け雑誌「Zipper」のオーディションでグランプリを獲得し、ファッションへの道へ進み始める。東京に拠点を移してからはDJとして、またティーンに訴求力のあるYouTuberとしてその地位を確立させた、今注目のクリエイターだ。
彼女のプレイは穏やかで、否応なくフロアをチルに染め上げていくようだ。彼女のYouTubeチャンネルでも、そのリラックスしたムードが画面越しに滲み出てくる。肩肘張らずに、一息つきながらマイペースに楽しんでほしい。
YONA YONA WEEKENDERS
「ツマミになるグッドミュージック」を奏でる4人組バンド。東京のインディーシーンで存在感を放ち続け、2020年にはシングル“君とdrive”がHONDAのCMソングに抜擢。2021年には1stフル・アルバム『YONA YONA WEEKENDERS』の発売とNHK総合『シブヤノオト』出演など、今やお茶の間にもその名を轟かせ始めている。
彼らの洒脱なサウンドの周りには、もちろん洒脱な大人が集まる。先月公開された“1989’s”のリリックビデオは、BEAMSの名物バイヤーであり人気レーベル〈SSZ〉のディレクターを務める加藤忠幸とメンバーが古着の山をディグる様子が収められている。そのグッドミュージックをツマミに、ぜひ当日は酔いしれてほしい。
YONA YONA WEEKENDERS “1989’s” selected with Tadayuki Kato(SSZ)Lyric Video
これまでに開催された<City Connection>同様、ヴィジュアルを手がけたのはイラストレーターの金安亮。都市とアーティストが交差するイメージが、愛くるしいタッチで表現されている。
<City Connection>がUNITでキックオフしてから3年。東京含む世界中の都市では外出が制限され、街は静寂を要請された。しかし、MUSIC BOXと冠したオンライン上でのDJミックスの発表やDOMMUNEでの開催、配信イベントとのハイブリット化など、同プロジェクトは試行錯誤を繰り返しながら、都市を華麗に彩り続けていたのだ。ある程度の留保付きとはいえ、東京のダンスフロアに喧騒が戻ってきた喜びを存分に味わいながら、都市に息づくアーティストたちの呼吸にそっとグラスを傾けてほしい。
EVENT INFORMATION
City Connection powered by Manhattan Portage
2022.07.10(日)
OPEN 14:00/CLOSE 21:00
渋谷 SOUND MUSEUM VISION
ADV ¥3,800/DOOR ¥4,300(※別途ドリンク代)
●ラインナップ●
AAAMYYY
DJ DISK
どんぐりず
JUN INAGAWA
Kick a Show
kZm
Licaxxx
MÖSHI
おかもとえみ
Rave Racers
Sam is Ohm
SIRUP
TOSHIKI HAYASHI(%C)
矢部ユウナ
YONA YONA WEEKENDERS
e+:https://eplus.jp/sf/detail/3633880001-P0030001
チケットぴあ:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2219247
ZAIKO:https://vision-tokyo.zaiko.io/item/348840
City Connection Instagram:https://www.instagram.com/cityconnect1983
City Connection Twitter:https://twitter.com/cityconnect1983