音楽だけじゃない、カルチャー・アイコン、デヴィッド・ボウイの魅力に迫る!
20世紀で最も影響力のあるアーティスト、デヴィッド・ボウイ。斬新なスタイルでファッション業界をインスパイアし続けていたり、音楽以外でもマルチな才能を発揮していたりと、ボウイの魅力は多方面へと渡る。このコーナーでは、音楽以外にどのような活動&影響を及ぼしてきたのか、その魅力に迫る!
イギリスで1970年代前半から中盤にかけて流行した「グラムロック」。どぎついメイクと派手な衣装を身にまとい、中性的な魅力を放つフロントマンが妖艶にパフォーマンスを行う――。ボウイは架空のロックスター「ジギー・スターダスト」を名乗り、一躍この「グラムロック」スターの象徴に! 豪華絢爛なこのブームは短く、ボウイもジギー・スターダストを演じることを1年程で辞めているが、赤毛のウルフカット+顔面に大きな稲妻のペイントなど、この時期のボウイの特徴的なスタイルは70年代をテーマにしたファッションショー等で繰り返しモチーフとして使われている。その後にも、シックなシャツやスーツ姿で「シン・ホワイト・デューク=痩せた青白き公爵」と名乗る時期もあるが、このスタイルもモード系ファッションに影響を与えているといえるだろう。新作『ザ・ネクスト・デイ』アーティスト写真では、黒い帽子+黒ジャケット+ジーンズというシンプルなスタイルながら、帽子の形が特徴的。新作発表後にライヴが行われるとしたら、この帽子姿で現れるのか、気になるところだ!
★デヴィッド・ボウイ×フィルム
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端正な容姿から映画界からもラブコールが多いボウイ。カルトSF映画『地球に落ちてきた男』(76年)での宇宙人役や大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83年)英軍将校ジャック・セリアズ役など各方面から称賛を浴びた重要な役柄や、『バスキア』(96年)でのアンディ・ウォーホール役やコメディ『ズーランダー』(00年)でのカメオ出演など幅広く俳優業を行っている。最新作のミュージック・ビデオ“ザ・スターズ”でもアカデミー女優ティルダ・スウィントと夫婦役を共演。このビデオをきっかけに俳優業も活発になるのか、期待が高まる! また、ボウイがSFに傾倒した時期に生誕した実の息子、ダンカン・ジョーンズは映画監督。近年公開された『月に囚われた男』(10年)、『ミッション:8ミニッツ』(11年)はどちらも鑑賞後に妙な余韻を味わえるSF作品であり、ボウイのDNAが一部感じられるかも? 息子の今後の作品にも要注目だ!
★デヴィッド・ボウイ×アート
架空のスターのコンセプトや緻密な設定、アルバム・ジャケットのセンスなど独特なセンスを発揮してきたボウイ。芸術面では、イギリスの全国共通認定試験(オーレベル)を獲得しており、音楽以外にも趣味で絵やスカルプチャー、写真など創作活動を意欲的に行っている。作品画像などは「BOWIEART.COM」でアップされており、ボウイの自画像や「Thin White Man」(シン・ホワイト・デュークの事だろうか?)と名付けられたブロンズ製のお面、南アフリカの画家Beezy Baileyとの共作などボウイファン必見の作品を見ることができる。また、新進気鋭の若手アーティストのサポートや、チャリティ用に特別デザインしたお皿の発表など、アートを通じた様々な活動も行っている。このようにアートに対しても熱を入れているボウイは、以前イギリスの現代美術家ダミアン・ハーストへ直接インタビューも行っているほど。逆に美術家の視点からボウイのアートに対する思いなどを聞くようなインタビューや対談など実現したら興味深いものになりそうだ。
(text by Yuka Yamane)
Release Information
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