「ロック史上最高のカムバック」を果たしたデヴィッド・ボウイの新作『ザ・ネクスト・デイ』から、第三弾シングル“ザ・ネクスト・デイ”のビデオがYouTube上で公開された。この曲はボウイが「私はここにいる 死んではいない」という歌詞を唸るように叫ぶ、今回の復活を象徴するようなアルバムタイトルトラックである。
映像の監督は第二弾シングル“ザ・スターズ”のビデオも手掛けたフローリア・シジスモンディ。俳優陣には「オールスター」と言えるほど豪華なメンバーを揃えた。名優ゲイリー・オールドマンと<アカデミー>女優マリオン・コティヤールが出演しているのだ。ゲイリー・オールドマンとボウイは昔から友人同士で、ティン・マシーンのギタリストだったリーヴス・ガブレルスのアルバム『The Sacred Squall Of Now』(95年)に収録された曲“You’ve Been Around”でも共演している。近年は『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック等が有名。また、マリオン・コティヤールの鬼気迫る演技からは、数々の賞総ナメにした高い実力が感じられる。
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この楽曲について音楽プロデューサーのトニー・ヴィスコンティが「ボウイは英国中世史の本をたくさん読んでいたから、英国中世史を題材にした曲を1つ作った。それがタイトル曲“ザ・ネクスト・デイ”なんだ。ある暴君のことを歌っているけれど、あまりに無名で誰のことか分からなかった。でも歌詞を読めばかなり恐ろしい物語だよ。」と語るように、映像の方も、中世からの宗教上の言伝えや、それに反する混沌が散りばめられた独特な世界観となっている。撮影はNY市内にあるAmerican Legionの建物の近くで行われた。
ボウイは昔の修道士のような格好(『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービのよう)に扮し、力を漲らせてこの曲を歌う。最後には「ありがとうゲイリー、ありがとうマリオン、そして皆さん本当にありがとう。」と神々しく語り、ふと消えていなくなる。ボウイはこれだけの世界的成功を収めながらも、また新たな「ザ・ネクスト・デイ」(次の日)に旅立ったのかもしれない。