<DELAY 2015>
OGRE YOU ASSHOLE、Mark McGuire
2015.03.29(SUN)@UNIT
OGRE YOU ASSHOLEとマーク・マグワイア(元エメラルズ)が3月29日、東京・代官山UNITにてツーマン・ライヴをおこなった。
2014年にスタートしたOGRE YOU ASSHOLEの自主企画、<DELAY>の名を冠し開催された今回のイベントは、コンサートプロモーターDoobieと代官山UNITとの共同企画によるもの。小雨がちらつく中、この貴重な組み合わせを目撃しようと会場には多くのオーディエンスが駆けつけた。
開演時刻の18時を過ぎ、まずはマーク・マグワイアがフェンダーのストラト・ギターを抱えて登場。ミキサー&サンプラーが置かれたステージ中央のスタンド前に立ち、固唾を飲んで見守るファンに向かって小声で「こんばんは」と挨拶すると、おもむろにライヴをスタートさせた。
足元にはループマシンやボリューム・ペダル、ディレイなど10数個のエフェクターがズラリと並べられ、それを細かく足で踏みかえながら、ときにはしゃがみこんでツマミをグリグリと回しながら、様々な音色に加工されたギター・フレーズを幾重にもレイヤーさせていく。たった1本のギターから発せられているとは、にわかに信じがたい。そんな、繊細かつ壮麗なオーケストレーションがフロア全体に行きわたり、ふわふわとと宙を浮いているような、ぷかぷかと海に浮いているような気分にしばし陶酔。すると地響きのようなビートが突如として打ち鳴らされ、フロアは一気にヒートアップした。
バックスクリーンには、壮大な自然の光景や宇宙の映像、色とりどりの幾何学模様などがランダムにミックスされ、マークの奏でるサウンドスケープとシンクロしながらサイケデリックな空間を生み出していく。そうやって、時間をかけて織り込まれたタペストリーをビリビリと引き裂くがごとく、延々と弾きまくるギター・ソロがとにかく痛快だ。Tシャツの下の細い身体をクネクネさせながら、汗だくで演奏するマークの陶酔しきった表情。まるでギターを覚えたての中学生のような、そんな微笑ましいパフォーマンスと、狂おしくうねる音のギャップに目眩がする。
ラストに演奏した新曲は、それまでの至福なサウンドとは少々毛色の違う、シリアスでメッセージ色の強いものだった。