ライブはその後、フューチャーベース調の流麗なナンバー“うしみつどき”を挟み、最後はTeddyLoidを呼び込んで“Sweet Escape”へ。爽快なトラックと伸びやかなメロディーが解放感と高揚感を増長するEDMチューンを披露してライブを締めくくった。
この日は一貫して透過型のスクリーンに3Dホログラム映像を投影し、立体感のあるステージを展開していたことも特筆すべき点。クリエイティブチーム「HA8CA」が手掛けたその映像は、派手でポップなサイバーパンクといった趣で、動物やお菓子のイラストが未来的な空間でクルクル回ったりしてキモカワいい一面もあった。一方で、たとえば“BANDANA”のときにはペイズリー柄が、“うしみつどき”のときには動物と人間を掛け合わせたシャーマンのような生き物が投影される場面も。よくよく考えれば、DEVIL NO IDのアイメイクや髪形、衣装の模様にはエスニックなセンスを感じるため、彼女たちの世界観は近未来的で都市型なのに土着的というか、どこかトライバルな雰囲気を感じるところがあったのも確か。それゆえ聴かせるサウンドや作り出す世界観は先鋭的でエッジーでも、冷たくてドライというのではなく、魂の深いところで繋がりを感じるというか、親近感を覚えるというか、古くから人間の体に眠る生命力や活力を刺激されるところがあったのだ。
さまざまな要素がミックスした音や映像には無国籍な感じもあり、それがグループ名のNO IDに通じる部分も。歌詞・サウンド・コミック・映像……大人たちにはわからない10代の感性で、太古と現在、そして未来を繋ぐNO ID=身元不明の小さなデビルたち。次のライブは10月30日(日)、東京・赤坂ブリッツで開催。DEVIL NO IDがこれから巻き起こす革命に期待せずにいられない。
text by 猪又 孝(DO THE MONKEY)
photo by katsuhiko morihiro
SET LIST
OP.ジェネレーション反抗期
1.EVE -革命前夜-
2.BANDANA
3.うしみつどき
4.Sweet Escape
EVENT INFORMATION
AKASAKA BLITZ HALLOWEEN2016 〜アイドル×お笑い•ハロウィン〜
2016.10.30(日)
OPEN 13:00/START 14:00
赤坂BLITZ
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
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PROFILE
hana(Vocal)/karin(Vocal)/mion(Rap)
2016年、沖縄ストリートシーンに突如現れたガールズダンスクルー「DEVIL NO ID」(デビル ノー アイディー)。ボーカルのkarin(カリン)、hana(ハナ)、ラッパーmion(ミオン)の3人で構成される。EDM/BASS MUSIC/HIP HOP等のダンスミュージックを基盤としたサウンド、ピュアで自由、多感な歌詞、オリジナリティー溢れるコントロール不能のトガッた世界観を紡ぎだす。ミュージック、ビジュアル、ダンス、ストリート、マンガ、サブカルなどあらゆるカルチャーの垣根を越えた彼女たちの表現は、旧来のアーティストが行ってきたCDやDVDのリリースにとどまらず、SNSやコミックという形でもアウトプットされ、それをコンプリートすることでようやくDEVIL NO IDの世界観は補完できる事になる。様々なカルチャーを横断し、異色のメディアミックスを行う前代未聞のプロジェクト『DEVIL NO ID』が遂に本格始動!!