【DJ】「DJは寿司職人」と語るDJハーヴィーによるディスコ・アドベンチャー
「OK、ディスコを刷新しようぜ! なんて考えたワケじゃないんだ、ただなるようになっただけさ。120BPM(ディスコやハウスの基本となるテンポ)は魔法のBPMで、ビートの繰り返しが心と体を震わせ、喜びをもたらす。俺はヴァイブレーション主義者なんだよ」(DJハーヴィー)。
ヴァイナル・ジャンキーのゲイリー・ルーニーが小さな古いBMWでカムデンタウンにある家からハーヴィーを連れ出し友人宅で録音される、2人が興した〈BLACK COCKレーベル〉から発信されるそれら気の置けない音源はディスコ・リエディットの代名詞となり、『ルーニー・テューンズ』(米カートゥーン・アニメ、ゲイリーの名前から取られたジョークと思われる)のトリが印刷されたホワイト・ラベルの盤は瞬く間にコレクターズ・アイテムとして不正コピーされるほどのカルトな人気を呼ぶ。1993年にリリースされた〈BLACK COCK〉の1枚目は、デルズの”No Way Back”のイントロが延々とループされ、片面の”Disco Adventure”と共に、ラフな遊び心と乾いたユーモアが交錯するクラシック・チューンだ。
The Dells – Adventure (No Way Back pt 2) – 1976 – YouTube
Mystic Slot – No Way Back – YouTube
Black Cock ~ Disco Adventure ~(Mystic Slot edit)
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DJハーヴィー絡みのパーティ画像がカットアップされる映像にも注目。
DJは「ワン・マン・エンターテイメント・サービス」と話すハーヴィー。「クラウドに放った曲に彼らが反応したら次にかける曲を決める、寿司シェフみたいだろ?」。〈BLACK COCK〉から”Juicy Sushi”というゴキゲンな曲を出してる彼らしい発言だ。LAでポール高橋(Paul T.)と始めたパーティ<ハーヴィー・サキャスティック・ディスコ>では、さらなる未知なDJのケモノ道へと突き進み、名盤と言われるMIX CD『Sarcastic Disco vol.2』は、バレアリック(80年代のイビザ島で生まれたヨーロピアンなハウス解釈、現在はNU DISCOやディスコ・ダブと一括りに語られることも少なくない)やコズミック(90年代のイタリアで生まれたレコードの回転数を早くしたり遅くすることで新たなグルーヴを生む手法)を消化したハーヴィー流の極上チルアウト? フリークアウト? に仕上がっている。