バトル部門の優勝者は3年振りに出場した……
続いてバトル部門の紹介です。ビデオ審査を通過した8名のターンテーブリストが、JAPAN FINALの舞台で技を競いました。本番ではトーナメント戦でジャンケンにより先行・後攻に分かれ、90秒間ターンテーブルとミキサーを駆使して勝負します。
今回、バトル部門で特に目立ったのは、なんといっても優勝候補と言われていたPACHI-YELLOWとDJ FUMMYの勝負でした。
PACHI-YELLOWは、派手なプレゼンテーションと攻撃的なワードプレイで、「DJバトル」を体現したような迫力あるルーティンでした。4年連続JAPANファイナリストとして出場してきた安定感のあるパフォーマンスとスキルで、晋平太のバックDJをしている時とはまた違った表情を見せてくれました。現在PACHI-YELLOWはターンテーブリストのための番組を配信しています。
DJ FUMMYは、審査員のQ−Bertに「テニスプレイヤーみたい!」とコメントされたキュートな魅力のあるDJで、2016年のバトル部門では世界第2位という成績を納めた実力者です。ヘッドバンドで目隠ししながら披露したビートジャグリングは、圧巻のリズムキープで観客を沸かせ、バトル部門の決勝に進出しました。
しかし……、バトル部門の優勝をさらったのは、3年振りに出場したDJ諭吉でした。
DJ諭吉はアナログレコードオンリーでありながら、ひとつひとつの技が正確でミスのない神業のようなルーティンを見せてくれました。
実はアナログでDJをする場合、針飛びのリスクや温度によるレコードの歪み、湿気によりCUEポイントとして貼ったラベルがずれてしまうなど、PCDJと違いデリケートな側面が多いためか、ここ数年はアナログDJ人口が減っていました。そんな中でもアナログにこだわり抜き、時代がどんなに変化しても2台のターンテーブルと1台のミキサーで音楽を作り上げることに変わりはない、という熱い職人魂を見せつけ堂々の1位を獲得しました。
バトル部門とシングル部門のチャンピオンの年齢差は、なんと20歳以上!
来る10月1日(日)、ロンドンで行われる<DMC WORLD FINAL2017>にて、世界の舞台で活躍する2人の勇姿を見るのが楽しみです。
photo by 水谷 貴(FAT CREAM)