WWW・WWW X・WWWβを舞台に、シーンの変化を象徴するオルタナティブな新世代アーティストがラインアップされるフライデーナイトパーティーシリーズ<Emotions>。去年10月に初開催されtofubeats(KEIJUがサプライズゲストとして登場)やCHAI、Alfred Beach Sandal + STUTSら豪華出演者で話題となった本イベントの第2回が今年4月末に開催された。
初回は雨だったが、第2回<Emotions>の天気は良好。オープンからすでに列ができ、会場は瞬く間に満員に。感度の高いオーディエンスが集まっており、BIM(CreativeDrugStore)らのように、自身のクリエイティブでトレンドを作り出している彼らの影響力が音楽シーンだけに止まっていないことを再確認することに。音楽好きのみならず、感度の高いヘッズたちが集まるイベントが<Emotions>でもあるのだ。
そんな<Emotioms>ラインナップには以下の19組が登場した。
Awich / BIM / CIFIKA(from KOREA) / GOODMOODGOKU / Jin Dogg / Kick a Show / kZm(YENTOWN) / Seiho × KID FRESINO / TAWINGS / Tohji / VIDEOTAPEMUSIC / YamieZimmer / ゆるふわギャング / CYK(Nari/Naoki Takebayashi/DJ No Guarantee) / HIBI BLISS / LISACHRIS / okadada / Sapphire Slows / YonYon
また、次回の<Emotions>は今年の秋に開催予定とのこと。
どういったラインナップになるのか、期待が高まる。
<Emotions>
2018.04.27
WWW X
最初にオープンしたのはWWW X。本ステージに登場したのは、DJ YonYon、Kick a Show、BIM、CIFIKA、Okadada、ゆるふわギャング、Seiho × KID FRESINO、Sapphire Slowsの8組(タイムテーブル順)。
DJ YonYonはエレクトロニカ、ヒップホップから、なかなか手が届いていなかった韓国の最新曲を網羅したセットを披露。続いて登場したKick a Showのステージでは“0時ちょうど”でokadadaがゲスト参加。“Cleopatra etc.”や“友達以上恋人未満”などを披露し、ファンキーなバイブスで会場を満たす。そして7月にソロアルバムをリリースするBIM。CreativeDrugStoreのVJがステージを彩ながら、“会える日がCOOL”や新曲も披露。SUMMITの“Theme Song”ではIn-dとJUMAが客演で登場し、“Bonita”でパフォーマンスは終えると、その日バックDJで参加していたVaVaの“現実 Feelin’ on my mind”でステージは締めくくられた。
デジタルでサイケなVJが印象的だったのは韓国より参戦したCIFIKA。圧倒的なボーカルと疾走感がある力強いビートと、CIFIKAの可憐さはギャップにやられた人も少なくないかもしれない。Kick a Showのステージにも登場したOkadadaのDJはいつ観に行っても最高と言わざるを得ないセットをプレイ。9月にはOPEN to LASTのセットを披露するというのだから、楽しみでしょうがない。
続いて登場したのはゆるふわギャング。去年12月にはNENEがソロアルバムをリリース、2度目のワンマンパーティーを大盛況で成功させたが、今回の<Emoitons>でも盛り上がりは尋常ではない。すでにクラシックとなった『Mars Ice House』からはもちろん、7月にリリースされるセカンドアルバム『Mars Ice House Ⅱ』から“Speed”なども披露。パフォーマンス終了後は、汗だくのオーディエンスが続々とドリンクを買い求めていた。
ヒップホップのアクトが多い中、異色を放っていたのはSeiho × KID FRESINO。Seihoが紡ぎ出す音とセッションするようにKID FRESINOがラップを繰り出していく様子は、どれだけ観ていても飽き図、最初に披露された“Let me in(hair cut)”から目が離すことができなかった。WWW Xを締めくくったのはエレクトロニックミュージックの新星・Sapphire Slows(サファイア・スロウズ)。
どこまでも深いところまで連れて行かれそうな音はノンストップでオーディエンスを踊らせ続けた。普段聴くことのないかもしれないような音楽も、突然どっぷり聴けてしまう、時空を超えた出会いがあるのが<Emotions>だ。
Photo by Jun Yokoyama
WWW
3会場に分かれている中で、WWWに登場したのはTAWINGS、VIDEOTAPEMUSIC、GOODMOODGOKU、kZm、LISACHRIS、Jin Dogg、Awichの7組(タイムテーブル順)。
今回はCairophenomenonsよりリンカイがサポートメンバーとして参加、今最も注目の4人組ガールズ・バンドTAWINGSは今回のイベントの中で唯一のベーシックなバンド。6月29日(金)に新パーティー<SOUTHERN SCREEN>を開催するVIDEOTAPEMUSIC。有機的なサウンドとあらゆるビデオテープをサンプリングし、誰も見たことのない風景を紡ぎ出す。GOODMOODGOKUは浮遊感のあるトラックを乗りこなしながらも、“まるでCALI”ではフックを歌い上げる圧巻の姿を魅せつけた。
LISACHRISは無機質かつ官能な低音ゴリゴリのビートでオーディエンスを洗礼すると、続いて登場したYENTOWNのkZmは、今ヒップホップシーンで最も勢いのあるステージを作りだした。“Dream Chaser”ではBIMらもステージに登場し、このイベントのハイライトを飾ったと言っても過言ではないパフォーマンスを披露した。そして勢いそのままにステージを暴れまわったのはJin Dogg。オーディエンスもモッシュで暴れ尽くす。
その熱を一気に引き寄せ、会場の雰囲気をまとめあげたのが最後に登場した女王・Awich。“Sect YEN”や“BoSS RuN DeM”ではkZmも登場し、会場をYENTOWN色に染め上げる。“WHORU?”ではオーディエンスANARCHYのバースを熱唱、ラストは“Remember”で締めくくられた。
Photo by Ray Otabe
WWWβ
そしてWWWβに登場したのはHIBI BLISS、YamieZimmer、Tohji、YonYon、CYK(Nari/Naoki Takebayashi/DJ No Guarantee)の5組(タイムテーブル順)。本ステージは<Emotions>の中でも一際異彩を放っていたダークホースだった。
ジューク/フットワークなどで攻めるHIBI BLISSは一服しにきた客を踊らせ、ヒップホップ本国アメリカに比べても全く劣っていないトラックで話題となった神奈川拠点の若干20歳というYamieZimmer、そして彼の作品に参加している同世代のラッパーたちの勢いはWWWβを満員、モッシュも引き起こした。続く21歳のTohjiは異常なオーラを放ちながら、緊張感あふれるラップやとてつもなく強烈なメッセージの反復でオーディエンスを引き込み、勢いも忘れずモッシュも起こすなど、ポテンシャルを示すパフォーマンスを披露した。
WWW Xにも登場したYonYonはジャンルに縛られないサウンドでバイブスを保ちながら、東京を拠点とするハウス・クルーCYKは心地よいところを突く雑多なハウスで最後までオーディエンスを踊らせ続けた。
Photo by Ray Otabe
Emotions
– late nite –
WWWβで開催されたアフターパーティー<Emotions – late nite –>には荒井優作、Aspara、BUSHMIND、KM、TENG GANG STARR、Tohjiが出演。他のクラブとは一味違う雰囲気を演出しながら、朝まで<Emotions>を拡張した。