ギブソン・ブランズにおいてGibson(ギブソン)と双璧をなすEpiphone(エピフォン)が創立150周年を迎えた2023年。その1年を締めくくる祝祭として、2024年1月29日、東京・恵比寿のLIQUIDROOMでライブ・イベント『Epiphone 150th Anniversary Beyond+』が開催された。出演したのは、田島貴男(Original Love)with スペシャル・ゲスト 角舘健悟(Yogee New Waves)。DYGL(デイグロー)。特別編成のガールズ・バンド Replays Band(ASAKA [TRiDENT], Kaho [Faulieu.], chloe/AIMI VADER, 平川萌)。すべてのアーティストは、アニバーサリー・イヤーの特設サイトに登場したリアルなエピフォン・プレイヤーだ。
さらに今回は、令和6年能登半島地震により生じた甚大な被害状況を受け、被災地の復興支援を目的としたチャリティー・イベントとして実施することになった。アーティストそれぞれの創造力と表現力をエピフォンでつないだ特別なライブ。時を超えて響き続けるサウンドに大勢のオーディエンスが魅了された、熱いシーンを写真で振り返る。
Epiphone 150th AnniversaryBeyond+
@恵比寿LIQUIDROOM
<Replays Band>
<DYGL>
<田島貴男(Original Love)
with スペシャル・ゲスト 角舘健悟(Yogee New Waves)>
オールスタンディングの会場は、開演と同時に響き渡った最初の1音から最高潮。多彩なアーティストの登場によって、様々な世代が一夜限りのスペシャルライブを楽しんでいたのも特徴的だった。そしてまた、アーティストが奏でるエピフォンに熱い視線を送っていたギターファンも多かったに違いない。
ギターに関して、特に印象的な場面があった。エピフォン150周年特設サイトの第3回目のゲストでもあり、今回トリを飾った田島貴男は、今は亡き親友から譲り受けた後30年に渡って愛用してきたエピフォン・Sheraton(シェラトン)を使用し、エネルギッシュでソウルフルな演奏を見せてくれた。
さらに、第6回目のゲストに登場したDYGLの秋山信樹は、初めて買ったエレキギターのエピフォン・Les Paul Custom(レスポール・カスタム)を持ち込み、ステージの上でギタースタンドに立てかけた。そうして「THE SPECIAL COVERS」でも披露した自ら赤く塗ったエピソードを紹介しつつ、今夜の立会人としてそばにいてほしかった心情を伝えて演奏を始めた。そのまま赤いレスポールは不動を尽くすと思っていたら、彼は最後の曲で思い出が詰まったエピフォンを抱え上げ、ありったけの音を鳴らしたのである。
どのアーティストにもエピフォンとの濃密な記憶がある。それを承知した上で田島と秋山の振舞いにフォーカスしたのは、150周年を経て実現した『エピフォンを鳴らす夜』をもっとも象徴する場面だったからだ。
「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに立ち返った、エピフォンの記念すべきアニバーサリーイヤー。それらのテーマが融合した果てに歓喜のケミストリーを起こした『Epiphone 150th Anniversary Beyond+』。できれば創業者に聞かせたかった。ブランド名に託した信念が、時も場所も超越して伝わり続けている真実がそこに集約されていたから。
<Meet up with Epiphone @KATA恵比寿>
ライブ・イベント開催直前の1月27日(土)から当日29日(月)まで、ライブ本編と連動したポップアップ・イベント『Meet up with Epiphone』も同時開催。エピフォン150周年を祝したアートワークを手がけたAsuka Watanabeのディレクションによる最新のエピフォン・モデル展示を中心に、会場でしか購入できない限定アパレルや、公式グッズも販売された。
冒頭でも触れた通り、チャリティー・イベントとして実施された本イベントの売上収益(チケット売上全額・公式150周年グッズ売上全額・限定アパレル売上より一部)に加え、会場募金で集まった寄付金は日本赤十字社を通して被災地全域(石川県、富山県)へ寄付された。
Photo:横山マサト
Text:田村十七男
田島貴男 公式サイトDYGL 公式サイトYOGEE NEW WAVES公式サイトTRiDENT 公式サイトFaulieu. 公式サイトchloe 公式X平川萌 公式X