文筆家/ライター・つやちゃんの書籍『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』が1月28日(金)に発売されることに。
『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』が発売決定!
『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』は、ウェブメディア「KAI-YOU Premium」の人気連載『「フィメールラッパー」という現象』を加筆・修正し書籍化した1冊。本書では、日本のラップミュージック・シーンにおいて、これまで顧みられる機会が極端に少なかった女性ラッパーの功績を明らかにするとともに、ヒップホップ界のジェンダーバランスおよび「フィメールラッパー」という呼称の是非についても問いかける内容に。
本書は、RUMI、COMA-CHI、MARIA(SIMI LAB)、Awich、ちゃんみな、NENE(ゆるふわギャング)、Zoomgalsなど、パイオニアから現在シーンの第一線で活躍するラッパーまでを、各章でひとりずつ取り上げて論じている。また、論考に加え、〈“空気”としてのフィメールラッパー〉ほか書き下ろしコラムが収録。さらに、フィメールラッパー2名に、9,000字におよぶロングインタビューも敢行し、当事者たちの証言から、ヒップホップの男性中心主義的な価値観についての考察も。
ほかにも、chelmico『maze』、lyrical school『Wonderland』といった2021年リリースの最新作品まで含むディスクガイド(約200タイトル)を併録。安室奈美恵、加藤ミリヤ、青山テルマ、安達祐実、等々の狭義の“ラッパー”に限らない幅広いセレクションを通してフィメールラップの歴史を辿っている。装丁は沼本明希子が担当。
著者は、2019年よりヒップホップを中心とした幅広いカルチャー領域で執筆を開始し、valkneeやchelmico、4s4kiなどのラッパーや、宇多田ヒカル、崎山蒼志、SMTKほか幅広くインタビューを行う、今注目のつやちゃん。日本のラップミュージックシーンにおいて、新たな視点で考察する本書をぜひ手にとってほしい。
著者のつぶさな考察は、日本のラップ史に存在してきた彼女たちに贈られる大きな花束となる
渡辺志保
彼女たちの戦いの軌跡とリアルな言葉があったから、今日も私は、私でいられる
三原勇希
RELEASE INFORMATION
わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論
2021年1月28日(金)
つやちゃん
ISBN: 978-4-86647-162-4
発行元:DU BOOKS 発売元:株式会社ディスクユニオン
¥2,200(+tax)
四六・並製・280頁予定
〈目次〉
日本語ラップ史に埋もれた韻の紡ぎ手たちを蘇らせるためのマニフェスト――まえがきに代えて
第1章 RUMIはあえて声をあげる
第2章 路上から轟くCOMA-CHIのエール
第3章 「赤リップ」としてのMARIA考
第4章 ことばづかいに宿る体温
第5章 日本語ラップはDAOKOに恋をした
Column “空気”としてのフィメールラッパー
第6章 「まさか女が来るとは」――Awich降臨
第7章 モードを体現する“名編集者”NENE
第8章 真正“エモ”ラッパー、ちゃんみな
第9章 ラグジュアリー、アニメ、Elle Teresa
第10章 AYA a.k.a. PANDAの言語遊戯
Column ラップコミュニティ外からの実験史――女性アーティストによる大胆かつ繊細な日本語の取り扱いについて
第11章 人が集まると、何かが起こる――フィメールラップ・グループ年代記
第12章 ヒップホップとギャル文化の結晶=Zoomgalsがアップデートする「病み」 終章 さよなら「フィメールラッパー」
Interviews
valknee ヒップホップは進歩していくもの。
COMA-CHI 「B-GIRLイズム」の“美学”はすべての女性のために
Column 新世代ラップミュージックから香る死の気配――地雷系・病み系、そしてエーテルへ
DISC REVIEWS Female Rhymers Work Exhibition 1978-2021
あとがき――わたしはフィメールラッパーについて書くことに決めた
解題 もっと自由でいい 文・新見直(「KAI-YOU Premium」編集長)