ブリティッシュ・ブルースが誇る天才ギタリスト、ピーター・グリーンが率いた第1期フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)の未発表ライブとデモ音源を収録した3枚組CD『ビフォー・ザ・ビギニング 1968-1970~ライヴ&デモ・セッションズ~』国内盤が6月12日(水)発売(UK盤:6月7日)となる。
往年のライブ音源が収録されたレア盤!
1968年と1970年のライブ録音37曲とデモ音源4曲、合計41曲が世界初発売される。本日、アルバム収録曲から「アルバトロス」(邦題:あほうどり)の1970年ライブ音源が初公開された。
「アルバトロス」はピーター・グリーンの書いた美しいインスト曲で、全英1位を記録したバンド初期の代表作にしてギター・ロック史上に残る名作。メンバーはピーター・グリーン(ギター、ヴォーカル)、ミック・フリートウッド(ドラムス)、ジョン・マクヴィー(ベース)、ジェレミー・スペンサー(ギター、ヴォーカル)と昨年亡くなったダニー・カーワン(ギター・ヴォーカル)だ。
アメリカで幸運にも発見されたお宝音源を収録したテープは、内容について一切表示もないままだったという。幸い、40年以上にわたり手付かずのままだったテープの保存状態はとてもよく、今回のリリースのため半世紀の時を経て新たにマスタリングされた。発見されたライブ&デモ音源の録音された日時や場所の詳細は不明で謎につつまれている。
フリートウッド・マックとは?
60年代イギリスで起こったブリティッシュ・ムーヴメントの中で登場したフリートウッド・マックはチキン・シャック(Chicken Shack)、サヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)とともに「ブリティッシュ3大ブルース・ロック・バンド」と称され、シーンを牽引した。
エリック・クラプトンの後任として1966年ジョン・メイオール&ザ・ブレイス・ブレイカーズに加入したピーター・グリーンだったが、1967年にはミック・フリートウッドと新しいバンドの活動を開始。1968年2月デビュー盤『ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック』をリリースしている。本場ブルースへの憧れと若き日の情熱がほとばしる演奏は、ピーター・グリーンの圧倒的なプレイとともに、今なお聴く者の心をゆさぶらずにはおかない。
ピーター・グリーン時代のフリートウッド・マックが世界のアーティストたちに与えた影響は大きく、名曲「アルバトロス」がビートルズ(The Beatles)をインスパイアしたのを始め、サンタナ(Santana)が「ブラック・マジック・ウーマン」を、ジューダス・プリースト(Judas Priest)は「グリーン・マナリシ」を、「ストップ・メッシン・アラウンド」をゲイリー・ムーア(Gary Moore)やエアロスミス(Aerosmith)がカバーしている。
ウィッシュボーン・アッシュ(Wishbone Ash)のギタリスト=アンディ・パウエルはフリートウッド・マックから受けた影響を次のように語る。
「1967~68年は自分にとって覚醒の年となった。17歳だった僕は2回の夏フェスでクリーム、ジョン・メイオール、ジミヘンを見て衝撃を受けた。さらに幸運なことには1967年ウィンザー・ジャズ&ブルース・フェスティバルでフリートウッド・マックの最初のギグを見ることができたんだ。ピーター・グリーンのプレイを間近で見られたのはかけがえのない体験だった。なぜなら自分の運命を決定づけ、ギター・プレイヤーになることを決めたからだ」
ピーター・グリーンは1970年4月にバンドを脱退し、音楽界から一時姿を消す。フリートウッド・マックはその後もメンバー交代を繰り返しながら1970年代半ばよりポップな方向性へ転向し全米チャートを席巻、大成功をおさめる。ボーカルのスティーヴィー・ニックスは先日ソロ・アーティストとして2019年ロックの殿堂入りを果たしたが、1998年にフリートウッド・マックのメンバーとして殿堂入りしており、これが2度目の快挙となった。
今回発売するバンドの初期音源はブルース色濃厚なサウンドが特徴で、今も根強い人気を誇る。2019年はフリートウッド・マックが日本に紹介されてから50周年にあたる。ミック・フリートウッドが女装した強烈なジャケット写真のアメリカ向けに制作されたコンピレーション・アルバム『英吉利の薔薇』が日本で初めて発売されたフリートウッド・マックのアルバムとなる。
歴史的に貴重な音源が半世紀を経て世に放たれることになったこの企画・選曲は現在72歳のピーター・グリーンとバンドが承認している。解説にはピーター・グリーンが当時について語った貴重なコメント満載の44ページの英文ブックレットと日本語対訳付となっているので、フリートウッド・マックのファンはもちろん、これから彼らの楽曲を聴く人にとってもぜひ手に入れてほしい作品となっている。
Fleetwood Mac – 50 Years – Don’t Stop(Official Trailer)
RELEASE INFORMATION
ビフォー・ザ・ビギニング 1968-1970 ~ライヴ&デモ・セッションズ~
¥4,200(+tax)
<DISC1>
1.マディソン・ブルース version1(ライブ)
2.恋のモヤモヤ(ライブ)
3.ウォマン・ザット・アイ・ラヴ(ライブ)
4.ウォリード・ドリーム(ライブ)
5.ダスト・マイ・ブルース(ライブ)
6.ガット・トゥ・ムーヴ(ライブ)
7.トライング・ソー・ハード・トゥ・フォーゲット(ライブ)
8.インストゥルメンタル(ライブ)
9.ハヴ・ユー・エヴァー・ラヴド・ア・ウォマン(ライブ)
10.レイジー・ポーカー・ブルース(ライブ)
11.ストップ・メッシン・アラウンド(ライブ)
12.アイ・ラヴド・アナザー・ウォマン(ライブ)
13.アイ・ビリーヴ・マイ・タイム・エイント・ロング(ライブ)
14.サン・イズ・シャイニング(ライブ)
<DISC2>
1.ロング・トール・サリー(ライブ)
2.ウィリー・アンド・ザ・ハンド・ジャイヴ(ライブ)
3.アイ・ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド(ライブ)
4.アイ・ビリーヴ・マイ・タイム・エイント・ロングversion 2(ライブ)
5.シェイク・ユア・マニー・メイカー(ライブ)
6.ビフォー・ザ・ビギニング(ライブ)
7.オンリー・ユー(ライブ)
8.マディソン・ブルース version 2(ライブ)
9.キャント・ストップ・ラヴィン(ライブ)
10.グリーン・マナリシ(ライブ)
11.アルバトロス(ライブ)
12.ワールド・イン・ハーモニーversion 1(ライブ)
13.サンディ・メアリー(ライブ)
14.オンリー・ユー(ライブ)
15.ワールド・イン・ハーモニー version 2(ライブ)
<DISC3>
1.アイ・キャント・ホールド・アウト(ライブ)
2.オー・ウェル Part1(ライブ)
3.ラトル・スネイク・シェイク(ライブ)
4.アンダーウェイ(ライブ)
5.カミング・ユア・ウェイ(ライブ)
6.ホームワーク(ライブ)
7.マイ・ベイビーズ・スウィート(ライブ)
8.マイ・ベイビーズ・ゴーン(ライブ)
9.ユー・ニード・ラヴ(デモ)
10.トーク・ウィズ・ユー(デモ)
11.イフ・イット・エイント・ミー(デモ)
12.ミーン・オールド・ワールド(デモ)